Facebookは今週、モバイル接続が遅いユーザーでも、ニュースフィードで新着記事を読める新しい技術を提供することを発表した。接続が悪かったり、Facebookのサーバーとつながらない時でさえも。さらに、ユーザーはオフライン状態でもアプリでコメントを書いたり投稿したりすることができるようになり、接続が復帰した時に送信される。
こうした変更の狙いは、主要なアクセス方法が低速度の2Gネットワークである途上国市場を支援することだと同社は説明している。
当初Facebookのニュースフィードは、通信速度の遅いユーザーが新しいコンテンツを見るためにどれほど苦闘しているかを考慮せずに作られていた。
ニュースフィードはFacebookアプリで最も重要な目的地であることから、同社はユーザーが新着記事の読み込みを待つことなく新鮮なコンテンツを見られるしくみを考案した。今日からFacebookがテストする新機能では、端末にダウンロードされている(ユーザーがまだ見ていない)記事を全部調べ、関連度によってランク付けする。このランキングアルゴリズムでは、画像が入手できるかどうかも考慮すると同社は言っている。
次にアプリはそれらの「新着」記事 ― 実際には、既にダウンロードされているがニュースフィード上でそこまでスクロールしていないもの ― を表示する。コンテンツが読み込まれるまで回転アイコンを見ている代わりにすぐ記事が読めるので、エンドユーザー体験はこのプロセスによって大きく改善される。
接続状態が良くなれば、Facebookはダウンロードを再開し、通常方式で記事をランク付けする。
他にも、一日を通して接続良好の間に新着記事をダウンロードして、接続が切れた時にも重要な記事を読めるようにするしくみもテストする予定だ。
その場合でも、オンラインの時と同じように記事を操作できるとFacebookは言っている。
従来、オフラインでも「いいね!」をしたり記事をシェアすることはできたが、最新アップデートではコメントも付けられるようになる。もちろんそのコメントは〈厳密には〉オンラインに戻るまで投稿されないが、少なくともそれまでにコメントを準備しておくことができるし、接続が切れていてもふだん通りにFacebookを使っているように感じられる。
この変更は発展途上国市場のFacebook体験を改善することが主な目的だが、先進地域にも恩恵はある。例えば、地下鉄や人の多いイベント等で接続が悪かったり完全に途絶えた時にも、新機能を活用できる。
Facebookは、現在これらの新機能をテスト中であり、フィードバックを得るために「時間をかけて」展開すると言っている。
Facebookのこうした行動は注目に値する ― 他の大きなインターネット企業(小さなところも!)彼らに倣うことを考えるべきだ。
世界の大部分はまだインターネットを利用できていない ― オンラインなのはわずか27億人、世界の約1/3だけ。Facebook、Googleその他IT巨人たちは、インターネットのない地域にアクセスを届けるためにドローンや高空飛行風船等を使うという現実離れしたプロジェクトで、この問題に取り組んでいる。インターネット利用地域の拡大と、低価格端末の組み合わせによって、多くの人々がいち早くウェブに参加できるようになる。
新たな市場がネットにつながることで、彼らはPC時代を完全にスキップして、代わりにモバイル端末を通じてインターネットに参加している。しかし彼らが必ずしも先進地域と同じ安定した環境を得られるとは限らない ― 企業の製品ロードマップの一部として、不安定なネット接続のためのデザインをすることの意味はそこにある。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)