Facebookは、同社のデジタル通貨プロジェクトを、さまざまな通貨を組み合わせた「通貨バスケット」と結びついた人工的通貨とする計画を変更する可能性があることを表明した。
ロイターによると、Facebookのリブラプロジェクト責任者、David Marcus(デイヴィド・マーカス)氏は銀行幹部グループに対して、同社の主要なゴールは優れた決済システムを作ることであり、当社提案したプロジェクトのしくみと異なる方法の採用も辞さないと語った。
当初、Facebookとパートナー企業らは、リブラ・アソシエーションが設定した主要通貨を組み合わせた「バスケット」と結びついた仮想通貨を作る計画だった。
各国の中央銀行はこれを、当局の規制を回避する危険な計画の一環だと考え、Facebookが構築した暗号通貨と決済技術の運用に対する監視を強化するまでプロジェクトを待機させている。
当局の調査の結果、暗号通貨の運用方法を決めるリブラ・アソシエーションの主要なパートナーの一部にさまざまな問題が見つかった。
先月、 リブラ・アソシエーションの設立メンバーのうち7社が脱退し、そこにはPayPal、Mastercard、Visa、Ebay、Stripeらが含まれていた。その7社はリブラにとって重要な戦略的価値をもっていた。Stripe、Mastercard、Visa、およびEbayは、新しい通貨の爆発的スケーリングに必要となる膨大な数の決済処理業者や小売店舗を抱えている。
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ここへ来てマーカス氏は人工的通貨の制定を断念し、リブラを運用する地域の現地通貨と結びつけられたステーブルコインを考えている。
「別のやり方もある」とリブラ・アソシエーション幹部の発言をロイターが引用した。「人工的通貨単位を作る代わりに、ドル・ステーブルコイン、ユーロ・ステーブルコイン、ポンド・ステーブルコインという具合にいくつものステーブルコインを作ることもできる。
こうした事象はすべて、Facebookが発表した暗号通貨リブラの発行日付に影響を与える。マーカス氏はロイターに、今でも6月発行が目標だが、リブラ・アソシエーションは、規制当局が指摘した問題を修正し、承認が得られるまでプロジェクトを進めないつもりだ。
ただし、その承認を得ることも難しくなりつつある。世界中の通貨政策が、ステーブルコインに対しても懐疑の目を向け始めているからだ。
ロイターによると、G-20参加国の財務担当者らは「ステーブルコイン・プロジェクトが『運営を開始』するためには、マネーロンダリング、違法金融、消費者保護などの問題を精査する必要がある」と語った。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )