FacebookのInternet.orgとFree Basicsのメリットについては異論も多いけど、でもそれを届けるために作っている、太陽光を動力とする巨大なレーザー照射ドローンは相当クールだ。でもそのAquilaの最初のテスト飛行で露見した“構造的欠陥”は、Facebookが考えていたよりも深刻なようだ。Bloombergの記事によると、運輸安全委員会(NTSB)が調査を行っている。
今本誌TechCrunchはNTSBに、事故報告書などを見せてくれ、とリクエストしている。そういうものがあるとしても、開示には時間がかかるだろう。何か得られたら、この記事をアップデートしよう。
この6月28日に行われたテスト飛行について、Facebookは7月に総括を書いている。何をテストしたのか、何が分かったのか、などなどだ。「現実世界の状況」(Real-world conditions)という項目では、いくつかの想定外を認めている。
現在もこの大規模なテスト飛行の結果を分析している。それには、着陸直前に経験した構造的欠陥も含まれる。これと、そのほかの構造試験の詳細を、将来的にはシェアしたい。
NTSBの調査が入ったせいか、そのシェアはまだしていない。しかしFacebookは今日、テスト飛行のポジティブな結果を強調する声明を発表した:
テスト飛行の成功と、いくつかのパフォーマンスモデルおよびコンポーネントの実証ができたことに、満足している。それらには、航空力学、電池、コントロールシステム、クルーの教育訓練などが含まれ、いずれにおいても、重大な想定外は起きなかった。
実験的な設計の巨大な航空機の、初めての実機テストで、何も問題が起きないと期待するのは無理だ。プロジェクトに近い筋によると、最初から、ある程度の損傷は予想されていた。なぜならAquilaの設計は、何度も離陸着陸することを想定していないからだ。着陸装置はなくて、スキー板のような橇(そり)がついている。また、当日は予想外に風が強かった。その筋によると、同機は90分飛行して、着陸の数秒前に事故は起きた。
NTSBには、このような航空事故を調査する権利があり、今回そうすると決めたのは、そのテストと航空機が広く注目を浴びているからだろう。しかしNTSBは、ネジが一つ外れていたぐらいでは問題にしない。Bloombergによれば、彼らの分類では今回は明らかに“事故”であり、したがって損傷は偶発的でなく“本質的な”ものである。
しかし、これらの用語はNTSBや航空機の試験者にとって、独特の意味を持っている。もしもAquilaが頭から地面に墜落したり、火災を起したり、そのほかの派手な損傷を受けたのなら、それはもっと早くから分かったはずだ。そんなときは、こんな婉曲な用語にはならないだろう。詳しくは事故報告書を待つばかりだが、プロジェクトの規模と、FacebookがAquilaの開発にかける自負と誇りを見るかぎり、その(誇り等の)翼にすこし傷がついたことは、確かなようだ。