Facebookの新しいメッセージングアプリケーションであるSlingshotが、全世界で利用できるようになった。以前にもお伝えしたが、利用者の間で「特別な」操作を行うことが必要とされる。これまでは地域限定で公開されていた。
このSlingshotはもちろん、Snapchatに対する対抗プロダクトとしての意味も持つものだ。SnapchatはFacebookから独立したソーシャルネットワークを構築するものであり、それがある意味ではFacebookに対する脅威ともなっている。Facebookとしても、真剣に対処する必要があるわけだ。
アプリケーションでは写真ないしビデオメッセージを送る。落書きやエフェクトを追記して送ることもできる。そこまでは他のメッセージングアプリケーションと変わらない。ここで必要とされるのが「特別な」操作ということになる。送られてきたメッセージを見るために、自分の方からも写真ないしビデオを送る必要があるのだ。
ある意味では、自分ばかりが送り手になるのではなく、相手からの返信が(高い確率で)期待できるようになる仕組みだと言うこともできよう。
これまでのところ、利用者の受け取り方はさまざまであるようだ。メッセージをやりとりする人々の間での強制的な関係強化を面白い仕組みだと考える人もいれば、これまで何度か生み出されてきた失敗作のひとつとして葬り去られるだろうと考える人もいる。個人的には、なかなか面白いものだとは思う。ただ、大規模に利用されるようになるのかどうかについてはよくわからない。
写真を送らないとメッセージを見ることもできないというのを重荷に感じる人もいることだろう。情報の受け手としての立場でいたいと考える人も多いのだ。発言を強制されるようならば、アプリケーションの利用をやめてしまおうと考える人も多いのではないだろうか。
また、Facebookについて「クールじゃない」と感じる層は依然としているわけで、これはアプリケーションによって払拭できるイメージではないという見方もある。若い人たちは流行に敏感であるものだが、しかし2008年以来Facebookが「流行」となったことはないようにも思われる。今後の動向を見守りたい。
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(翻訳:Maeda, H)