2020年をあれほどひどい悪夢にしたもののほとんどが、2021年1月1日になってもまだ残っているが、Adobe Flashとゲーム「FarmVille」だけは、新年とともに本当の本当に私たちの元から離れ去ることになる。
Flashの終わりは長かった。このプラグインは1996年にリリースされ、かつては大量のオンラインコンテンツをサポートしたが、スマートフォンの普及とともに徐々に不要なものになっていった。iPhoneは一度もFlashをサポートしなかったし、Apple(アップル)の当時のCEOだったSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏が公開書簡(未訳記事)でその技術の欠陥を指摘したのは、10年以上も前だ。
Adobeはその終末を計画し、2017年にその年の終わりまでにFlashを段階的に廃止する(未訳記事)と発表した。多くのウェブブラウザがすでにFlashのサポートを止め、そして2020年12月31日が公式の最終日になる。Adobe自身がそのサポートを終了した。ただし、まだあと1つ「Flashの死」を確定する儀式が残っており、1月12日に同社は、Flashコンテンツの再生をブロックし始める。
このニュースと関連してZyngaがこのほど、Flashの終わりはFarmVilleの終わりであると発表した。この農業シミュレーションゲームは、Flashプラグインに依存していた。
I am so grateful for the amazing @zynga team behind #FarmVille, and the hundreds of millions of FarmVille players over the years. 16/x
— mark pincus (@markpinc) December 31, 2020
FarmVilleほど当時の文化的時代精神を見事に捉えたゲームはほかにない。レディー・ガガは「Born This Way(ボーン・ディス・ウェイ)」をFarmVilleからリリースした。FarmVilleを創った素晴らしいチームと、何年間にもわたる数億のFarmVilleプレーヤーに、とても感謝している。
Flashと同様FarmVilleも、過去のインターネットの遺物のようだ。私のライターとしてのキャリアの初期には、この2つについてたくさん書いていたこともあり、自分が年を取ったとも感じる。2009年にローンチしたFarmVilleは、その人気がZyngaとFacebook上のゲームに上昇の道を拓いた(NYTimes記事)が、Zyngaとゲームのその後の成長の方が大きい。
同社の共同創業者で元CEOのMark Pincus(マーク・ピンクス)氏は一連のツイートで当時の思い出を述べている。それによると、ゲームの初期の開発はMyMiniLifeの買収(VentureBeat記事)が契機だった。
「FarmVilleは、ゲームが常時動いている生き物であることを示した。それは毎日のように、その日の驚きと喜びを与えた。まるでテレビの大好きな連続番組のように」とピンクス氏は書いている。「そして、ゲームは人びとのグループを結びつけ、お互いを近づけることもできた」。
この記事をたまたま読んでるFarmVilleファンの方は、がっかりしないように。「FarmVille 2:Tropic Escape(ゆったり楽園生活)」と「FarmVille 2:Country Escape(のんびり農場生活)」は今でもプレイできるし(いずれもApple AppStoreとGoogle Play Storeからダウンロードできる)、FarmVille 3もモバイルに登場する。今日は最初のゲームの終わりにすぎない。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Adobe、Adobe Flash
画像クレジット:Bryce Durbin
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)