GMが2030年までの売上倍増を計画、EV販売でTeslaシェア狙う

GM(ゼネラルモーターズ)は米国時間10月6日、内燃機関車両の利益率を向上させつつ、2030年までに売上高を倍増させ、EV(電気自動車)のマーケットシェアを奪うと明らかにした。EVマーケットは現在Tesla(テスラ)が席巻している。

同日から始まったGMの2日間にわたる投資家イベントで概要が説明された野心的な目標は、さまざまな種類のEVとソフトウェアベースのサービスを販売し、ハンズフリーの先進運転支援システムの新バージョンを含むテクノロジーを提供することで達成される。先進運転支援システムについては、全運転シナリオの95%で機能し、ゆくゆくは米国とカナダのすべての舗装道路で使用される、と同社は主張する。

2030年までに年間売上高2800億ドル(約31兆1967億円)の達成を目指す、と同社は述べた。この数字は、2020年の売上高である1225億ドル(約13兆6485億円)の2倍超だ。同社の広報担当によると、売上高の目標はローリング平均約1400億ドル(約15兆5976億円)をベースとしている。

同社はこの新しい目標を達成すべく、すでに多額の投資を表明した。同社は2020年11月、EVの開発と自動化テクノロジーに向こう5年間で以前の計画に35%積み増した270億ドル(約3兆81億円)を投資すると明らかにした。そして同社は7月に再び額を増やし、2025年までに350億ドル(約3兆8994億円)注入するとした。

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そうした投資はすでに行われつつあり、その最たるものがEVアーキテクチャと次世代EVに搭載するバッテリーだ。次世代EVには今後展開されるChevrolet Silverado、価格約3万ドル(約334万円)のChevroletクロスオーバー、Buickクロスオーバー、Cadillac Lyriq、Celestiqなどが含まれる。

「強固なポートフォリオをみると、入手しやすいEV、真に入手しやすいEVを当社が人々のために提供し、そして彼らが必要とするエコシステムに取り組んでいるという事実がわかります。というのも、多くの人がEVのみを所有するようになり、信頼できる充電インフラを確保する必要があるからです」と会長兼CEOのMary Barra (メアリー・バーラ)氏は記者会見で、いかに同社がマーケットシェアを獲得するか説明する中で述べた。「だからこそ当社はそうした顧客をひきつけることができると確信しています」。

バーラ氏はまた、顧客が同社に対してすでに持っている忠誠心の上に社が成り立っている、と指摘した。ポートフォリオとともに既存の生産能力とディーラーネットワークは優位点であるとも述べた。

「アクセルペダルに足を置く今、当社は多くのものを持っていて、すぐに動くことができます」。

目標を達成するために、2030年までに北米と中国にある工場の50%超をEV生産専用とする、とGMは述べた。

GMの売上高目標はEVの販売と融資に完全に頼っているわけではない。10月6日のマスコミへの説明会で、バーラ氏と同社社長のMark Reuss(マーク・ルース)氏は、新しいUltifiソフトウェアプラットフォームを通じたデジタルサービス、そして商用EVデリバリー会社BrightDrop(ブライトドロップ)やOnStar Insurance(オンスター・インシュアランス)のような新規事業を展開する計画を繰り返し指摘した。

そうしたデジタルサービスと戦略についての詳細は7日も開かれる投資家イベントで概説される見込みだ。乞うご期待。

画像クレジット:General Motors

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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