昨年5月のGoogle I/Oデベロッパー・カンファレンスでの最大の驚きの一つはAndroidプラットフォームにおけるInstant Appsの発表だった。この新しいアプリはネーティブ・アプリとウェブ・アプリの間のギャップを根本的に解消する可能性を持っている。簡単にいえば、ネーティブ・アプリを非常に細かい要素に分解し、ユーザーが必要な要素だけをダウンロードするというものだ。要素が小さいためダウンロードも作動もほとんど瞬時に行われる。アプリのストアに行き、アプリをインストールし、その後に起動するという手間をかける必要がない。単にURLをタップするだけでよい。
発表から半年以上経って、最初のInstant Appsが限定的なテストに移された。
Googleによれば、この数ヶ月少数のデベロッパーと協力して開発上およびユーザーの利用上の課題を検討してきたという。その成果がBuzzFeed、Wish、Periscope、Vikiのアプリによる限定テストとなった。
GoogleのAndroidのエンジニアリング担当副社長、 Dave Burkeは昨年Instant Appsを発表したとき、私の取材に対して「Instant Appsはインターネットにおけるわれわれの進む方向を決めるものだ」と重要性を強調した。Burkによれば、「ウェブ・ページは短命でその場限りだ。ユーザーはページを見つけ、1度利用すると、2度と戻って来ない」という。
一方アプリのインストールには数々のハードルがある。1度しか利用しないような場合にも複雑な手順を踏まねばならない(めったに行かないような出先でパーキング・メーターの料金を支払うために専用アプリをインストールしなければならないといった例を考えてもらいたい)。Instant Appsの理想は、ウェブ・ページのアクセスの手軽さとネーティブ・アプリの機能と高速性を合わせたような存在になることだ。
デベロッパーにとってInstant AppsをサポートするのはAMPをサポートするよりは複雑だ。まず第一にアプリを単独で動作する小さい要素に分解する必要がある(従来のアプリ本体にアクセスしてはならない)。AndroidでInstant Appsを開発するフル機能のSDKが登場するにはまだ数ヶ月かかる見込みだ。しかしInstant Appsの開発に興味があるデベロッパーはローンチの際に発表されたGoogleの注意を研究しておくべきだろう。
残念ながらInstant Appに関する具体的な情報はまだ乏しい。われわれはテスト用のURLを含めて、Googleに追加情報を求めている。情報が得られ次第アップデートしていく予定だ。
〔日本版〕TechCrunchではInstant Appsがデベロッパーに対して与える影響を考察した寄稿も掲載している。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)