今日(米国時間3/8)、Googleはデータサイエンスと機械学習をオンラインでホスティングするKaggleを買収したことを発表した。TechCrunchでは昨日、GoogleがKaggleを買収するという情報があることを伝えたが、これは事実であると確認された。
この発表は現在サンフランシスコで開催中のGoogle Cloud Nextカンファレンスで行われた。ただし買収金額などの詳細は明かされていない。そうではあってもGoogleがKaggleを傘下に収めたこと自体は驚きではない。Kaggleのプラットフォームを利用するデータサイエンティストが10万人単位で存在するため、同社の買収はGoogleのAIコミュティーでの地位を大きく高めるだろう。Googleはクラウド事業でAmazonと正面から競争を挑む展開になってきたため、可能な限り有利な条件を整備する必要があるはずだ。
Kaggleの買収によってデータサイエンティストの間でもGoogleブランドはいっそう権威を高めそうだ。もちろん同社はTensorFlowプロジェクトなどで機械学習のコミュティーの有力なメンバーだが、自動運転やディープ・ラーニングなどで人工知能が現実に応用される例が増えるにつれて競争は激化している。こうした新分野では大小を問わず多くの企業にチャンスがある。人間の最強棋士を破ったアルファ碁が劇的に示したような進歩が他社に起きれば、少なくとも可能性としては、AI分野におけるトップクラスの地位からGoogleが押しのけられることになる。
Kaggleの買収は、同社のAIコミュニティーにおける影響力を考えるなら、人材獲得の面でもGoogleにメリットをもたらすだろう。GoogleはPinterest(画像検索テクノロジーに力を入れている)などと競争していくために、今後ますますディープ・ラーニング分野でトップクラスの人材を必要とする。Kaggle買収は同社の高度なテクノロジーを取得できたことはもちろんだが、GoogleがAI分野全般での地位を高めるという目的もあったに違いない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)