Googleは自力でコンピュータ・ゲームを学習し、驚くべき成績を上げる人工知能の開発に成功したことを発表した。Bloombergの記事によれば、このプロジェクトはGoogleが昨年買収したロンドンの人工知能スタートアップDeepMindが担当したという。人工知能に与えられたのはAtari 2600の49種類のゲームだというが、多くの読者が子供の頃、最初にプレイしゲームが含まれていることだろう。
この発表はいかなる点からみても驚くべきものだが、特に重要なのは49ゲーム中29ゲームでAIが人間のプロのゲームテスターを上回るパフォーマンスをみせたことだろう。 また43ゲームで既存のゲームをプレイする人口知能のすべてを上回った。.
GoogleとDeepMindは別にゲームのリーダーボードに名前を連ねようとしているわけではない。長期的な目標は、一定の基準を与えられただけで、それに従って問題を最適化し解決する能力を持つ人口知能の実用化だ。これは、たとえば自動運転車の制御にも必須の能力だろう。 Googleは「単一の学習システムが経験から直接学習して問題を解決できるようになった最初の例だ」と評価した。当然ながらこのようなシステムの応用範囲は無限に存在する。
とはいえ、実用化に向けて第一歩を踏み出したところであり、あらゆる問題解決に役立つ汎用人工知能の完成までには数十年かかるとGoogleは考えている。だが人工知能がいちいち細部まで指示を与えなくても自ら学習する能力を備えたことの意味は決して小さくない。ある意味ではIBMのスーパー人口知能、Watsonよりも画期的なイノベーションといえるかもしれない。
人工知能にとってAtariのゲームの攻略に続くステップはおそらくDoomを代表とするような3Dバーチャル世界を舞台にしたゲームだろう。これによって自動運転など人工知能が現実世界で直面する問題の解決にさらに近づけるに違いない。もう一つ興味ある点は、Googleが人工知能に目的を達成させるため、Atariゲームで高いスコアを出すことに対して「報酬」を与えるという手法を用いたことだ。いわば犬を訓練するように人工知能に「おやつ」を与えたわけだ。そういえばGoogleには 異常にリアルな犬ロボットもいた。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)