Googleが囲碁の世界チャンピオンに勝ったDeepMindをデータセンターの省エネに利用、冷房費用を40%削減

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DeepMindは地球上でもっとも複雑なゲームの名人かもしれないが、でも彼は、Googleのデータセンターのエネルギー問題を解決できるだろうか。ところが、できるのだ。しかも、強力に。

データセンターの電力の用量は、需要や気候条件などさまざまな要因に依存し、電力使用効率の最大化のためにそれらの変数を調整あるいは予測することは、とても難しい。Googleは機械学習をこの問題に適用し、ニューラルモデルの構築により、AIがこれらの要因のすべてを常時把握/監視できるようにした。

それにより研究者たちは、DeepMindという生きてる獣をそのままデータセンターに放ち、結果を直ちに検証できるようになった。そのため、冷房に使用する電力利用を従来の40%下げることができ、その状態が今も維持されている。

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Googleはこれまでも自社におけるエネルギーの使用を懸念して、再生可能エネルギーの利用や、エネルギー利用の効率化に努力してきた。だからDeepMindの起用も、その流れの上にあり、単独の突出的なプロジェクトではない。DeepMindが行った複雑なパラメータ群の同時的多面的最適化AI技法は、そのほかのシステムやデータセンターにも応用できる。そうなれば同社は、得意満面となるだろう。

DeepMindはこのエネルギー節約AIについて、詳細なドキュメントの発行を予定している。Web上に公表されたら、この記事にそのリンクを載せよう。

参考記事(DeepMindの医療利用、規制でつまずく)〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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