Googleが厚紙で作ったDIYの仮想現実ヘッドセットをローンチしてから約10秒後に、そのクローンが発売され、そしてGoogleはそのことにたいへん満足した。
(“厚紙製”というのは外殻ケースのことで、その中にスマートフォンを挿入して使う。それは、もっとも簡素なOculus Riftと呼んでもよい。Googleにとっては一種の余技で、誰でもそれを作れるためにオープンソースにした。)
問題は、クローンの多くが最大で20ドルから30ドルもしたこと(送料を含まず)。単なるボール紙にそんなに払うのは、馬鹿げている。そこで、人気に目をつけたスマートフォンメーカーOnePlusは、大量のクローンを無料で提供し始めた(送料はユーザ負担)。
送料はどうやら、一律5ドルのようだ。
OnePlusのクローンは、今年のGoogle I/Oで発表された最新バージョンCardboard v2.0だが、工夫がいくつかある:
- 紙が厚くて丈夫。
- サイズは20%ほど小さいが、画面6インチまでのほとんどのデバイスを収容できる。
- 耐水耐油性の薄膜で表面をコーティング。Googleのオリジナルは、いじくり始めて5分もするとドロドロに汚れた。人間は、きたない動物だから。
これをタダで配ると、OnePlusはどんな得をするのか?
同社は答えて曰く:
“これはプロダクトではなくてイニシアチブである。OnePlus Cardboardの提供による売上や利益は存在しない。もちろん、製造費用は弊社が負担している”。
要するにこれはマーケティングプロモーションであり、しかも同社のこれまでのやり方の路線上にある。
OnePlusは、ノベルティばらまき作戦によって、ファン層を構築しようとしている。そして新型機も、発売の当初は熱心なファンだけに限定して提供している。そしてその新しい機能について、同社のフォーラムで話題を盛り上げている。
そして今回のばらまきノベルティは、少々の厚紙とプラスチック製のレンズでできている。SamsungやLGのような大企業に対抗して顧客を獲得するためには、良い作戦かもしれない。しかもOnePlusは、数週間後にスマートフォンの新型機を出す予定なのだ。
OnePlusの板紙製ハンドセットはここに注文する。“売り切れ”になっていたら、しばらく待つとよい。リリースは、複数回に分けて行うようだ。
なお、下のビデオには、GoogleのCardboard v1を、ぼくがいじっているところが写っている。