Googleフォト、人工知能でスマート共有――被写体を解読して推薦、共有できるライブラリー機能など追加

今日(米国時間6/28)、GoogleはGoogleフォトの新しい共有機能の公開を開始する。 その内容は先月I/Oデベロッパー・カンファレンスで発表されていた。特に重要なのはAIを利用した共有先の推薦と共有ライブラリだ。どちらの機能もGoogleフォトを単なる写真置き場から本格的なソーシャルメディアに近づける狙いがある。

ユーザーが友達といっしょにいるところをスマートフォンで撮影した写真をどのように利用すべきかGoogleは長年研究を続けてきた。

初期の試みにはFlock(Googleが買収したスタートアップ)のようにたとえ異なるユーザーが異なるデバイスで撮影した写真でも、場所が同じなら相互に関連づけるサービスがあった。BundleClusterも写真を自動的にアルバムにまとめようとするサービスで、写真の共有を促進することが期待された。その他さまざまな方法が研究されたが、実のところどれもこれというほどの成果を挙げておらず中止されたプロジェクトも多かった。

この分野でもっとも効果を挙げているのはやはりFacebookとGoogleだろう。これらのグループはAIによる顔認識と巨大なユーザーベースを結びつけることができため、ゼロからソーシャルネットワークを作り直す必要はなかった。

たとえばFacebookのMomentsアプリはユーザーの撮った写真をスキャンしてFacebookの友達が写っていると判断すると、送信して共有をすることを勧める。

GoogleのGoogleフォトはFacebookとは違ってもともとは写真のバックアップとストレージのためのサービスだが、やはり強力なバーチャル・アシスタントを持っている。このアシスタントは関連ある写真を集めてコラージュやアニメーションを作ったり、フィルターを適用して雰囲気の異なる写真を作成したりする。また過去の写真振り返って記憶を新たにする機能もある。

今回GoogleはSuggested Sharing〔共有のお勧め〕機能でスマートフォンで撮った写真を共有することを提案する。機械学習と顔認識を用いいて写真に写っている友達を同定し、共有を勧めるなどができる。

またアルバムにまとめて共有する前に同一場所で撮った写真からベストショットを選び出す能力もあるようだ(これはブレ、ボケ、露出不足などで不鮮明な写真を除外する)。アルバムはさらにユーザーが編集することもできる。アプリの提案どおりの相手と共有することできるし、共有を中止したり別の相手と共有することも可能だ。

相手がGoogleフォトを利用していない場合でもメッセージやメールでリンクを送ることができる。

こうした共有オプションはアプリの新しいタブにまとめられている。【略】

Shared Librariesと呼ばれるライブラリーの共有は家族や親密な関係のカップルが利用することを想定しているようだ。

このオプションはユーザーが保存しているの一部またはそのように選択すれ全写真を一括して相手と共有できる。たとえば「子供の写真」をライブラリーとしてまとめて共有するなどの利用法が考えられる。子供写真の一括共有はいちばん可能性の高いユースケースだろう。このように設定すると、両親のどちらが撮った写真でも双方が見ることができる。【略】

今回のアップデートはiOS、Android、ウェブで公開される。全ユーザーに行きわたるには今週の末ないし来週の始めまでかかるようだ。

Google I/Oで発表されたGoogleフォトの新機能にはPhoto Booksもあるが、これはすでにアメリカで公開されている。カメラで撮った写真を解読して「たこ焼きの看板」も翻訳してくれるGoogle Lensは今年後半に公開される予定。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+