Google Glassは、ポケットから携帯を取り出さなくてもTwitterでも何でもチェックできる、というだけのもんではない。もっともっといろんなアプリケーションの可能性がある。今日(米国時間8/19)、公共的通信の安全性に関するカンファレンスAPCOで紹介されたMutualinkも、そんな例の一つだ。それは、警官や消防士や救急隊員などのためのGoogle Glassアプリだ。
このアプリを使って犯罪や事故や災害などの現場の公務員たちが、リアルタイムビデオで現場の状況をストリーミングしたり、重要な文書(ビルの図面、被害者の医療記録など)を送ってもらって見たり、現場の監視・防犯カメラの画像を見たり、などなどができる。緊急時の現場作業員のための究極の情報機器であり、行政無線などが死んでいても本部やそのほかの組織と連絡できる。
このようなアプリには、プライバシー侵犯の懸念がある。最近ではニューヨーク市長のMichael Bloombergらが、警官のユニフォームにカメラを装着することに反対した。ありとあらゆる悪用の可能性があるから、という。しかしMutualinkは、機器のコントロールは最初から最後まで警官等の公務員の手中にあるので、そのセキュリティは保全される、と主張している。
公共の安全を担当する公務員たちがそうやって各現場で使うようになれば、Google Glassにとって大きなイメージアップだ。今後は建築現場などいろんな場所で、搭載ならぬ“頭載”型のコンピュータが一般的に使われるようになるだろうから、見た目にも違和感はなくなる。だからそれは、Google Glassにとって非常に長期的な用途の一つかもしれない。Mutualinkは今すでに、NATOの特殊部隊や、合衆国の国土安全保障省、警察庁、消防庁などにサービスを提供している。つまり、この製品の基盤となるような関係が、すでにあったわけだ。
まだロボコップではないが、一歩近づいたとはいえる。ただし下手をすると現場の人間が情報過剰で身動きできなくなる可能性もあるから、事前に十分なテストと教育訓練が必要だろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))