iDriveは、データのバックアップおよび同期サービスで知られる会社だが、このたびモバイルアプリ、OOLOO(名前の枯渇は深刻な問題のようだ)で新たな方向へ踏み出した。このアプリを一番よく説明する表現は、Siriの「人力」バージョンだろう ― 即ち、アルゴリズムやエンジンではなく、本物の人間が質問に答える。
これは決して新しいアイデアではない。去る2007年、Jason Calacanisは人力検索エンジン、Mahaloをスタートした。検索クエリに社員が答え、ユーザー生成コンテンツと共に表示していた。同社は今も存続しているが、もはや検索サービスとしては機能していない ― 最近のピボットによって、Mahaloはモバイルニュースアプリへと生まれ変わった。
一方、Twitterの共同ファウンダー、Biz Stoneの新スタートアップ、Jellyも、同じょうなユーザー生成検索エンジンをモバイル用に提供しており、品質に関しては、Yahoo Answersのアップグレード版(時には)というところだが、人気の面では苦戦している。
こうした人力検索エンジンの殆どが直面する問題は、早い話がGoogleとは勝負にならないことだ。今や疑問をGoogleで探すことは人々の習慣として根付いているだけでなく、人間に質問して必要な情報が返ってくるまでの時間は、決してGoogleより早くならない。
特定のニッチに焦点を絞った、例えばQuaraのように質が高く長文のコンテンツを集めているサービスでさえ、主流になるために十分なコンテンツ作者や訪問者を集めることはできていない。
よって、OOLOO(この名前はOovooのタイプミスを狙っているに違いない)は、コンテンツ作成や検索ではなくデータバックアップに実績を持つ会社のサービスでもあり、苦戦を強いられそうだ。
「とにかく今あるアプリはどれも、例えばSiriだってもっともっと効率良いやり方ができるはずだとわれわれは感じた」と、iDriveの事業開発責任者、Matthew Harveyが説明する。
アプリの使い方は実に簡単だ。スマートフォンのマイクに向かって検索クエリを話せば、誰かが答えた時にプッシュ通知が届く。同社は、地元のレストランや商品、短文の翻訳、道順等に使うことを薦めている。しかし、実際には何を質問してもよい、と彼らは言う。
試してみたところ、アプリから回答に時間がかかるかもしれないと警告された。関心が集中しているからだという(「スタート直後ですが、すでにスケーリングができません」という意味かもしれない)。
それはともかく、私の質問は1分か2分回答が返ってきて、内容もかなり正確だった。データだけでなく、追加情報を得るためのウェブも紹介されていた。
金曜日(米国時間8/1)の遅くにスタートして以来、クエリ件数は1万を越え、50ヵ国以上でダウンロードされている。需要の高さ故、現在OOLOOは、米国のみでサービスしている。
この手のサービスへの需要が長続きするかどうかは? 時間が教えてくれるだろう。
OOLOOは、iTunesおよびGoogle Playから無料でダウンロードできる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)