IndiegogoがJETROと提携して日本の起業家支援、グローバル・ファストトラック導入へ

IndiegogoはGlobal Fast Track Program(グローバル・ファストトラック・プログラム)を日本に拡大(Indiegogoリリース)して起業家のクラウドファンディングを支援しようと計画している。

Indiegogoは数年前に中国でこのプログラムをスタート(未訳記事)させた。狙いはその市場の起業家にグローバルな消費者、特に米国とヨーロッパの消費者向けのキャンペーン作成に指針を与え必要な支援を提供することだ。

Indiegogoのゼネラルマネージャーでグローバル戦略の責任者、Lu Li(リ・ルー)氏は私の取材に対し「このプログラムはすでに670人以上の起業家がキャンペーンを開始するのをサポートしており、そのうち40のキャンペーンが100万ドル(約1億円)以上を調達しました」と語っている。これをサポートするために、Indiegogoは中国に「最も質の高いキャンペーンを成功させるためにセールスとマーケティングにこの上なく真剣に取り組む」チームを置いているという。

日本でもすでにIndiegogoを利用したキャンペーンがいくつも生まれているが、同社は日本でも中国におけるのと同様の方法でその存在を拡大する計画だ。これを実現するためIndiegogogは日本の公的な輸出支援組織であるJETROと提携した。

JETROサンフランシスコ事務所次長の樽谷範哉(たるたに・のりや)氏はこの提携について次のような声明を発表した。

JETROとIndiegogoのパートナーシップを発表できることを大変うれしく思います。最近、日本のクラウドファンディングは年率40%以上の伸びを示しており、日本のスタートアップ企業からクラウドファンディングを活用して素晴らしい製品を世界市場に投入する方法についての問い合わせが数多く寄せられるようになりました。私たちのコラボレーションは海外に進出する日本のスタートアップへの支援となることはもちろん、Indiegogoの日本におけるスタートアップ援助活動を含め、我々双方の事業に有益であると確信しています。

これを機に、Indiegogoは、日本円ベースのキャンペーンのサポートを開始する。またMade in Japanというコレクションによって世界に日本製品の紹介を開始するという。

IndiegogoのCEOであるAndy Yang(アンディー・ヤン)氏は、「市場を支配する既存の巨大企業に挑戦する最近の活気に満ちたスタートアップエコシステムを日本に展開するのにいまはまさに適切な時期です」と述べた。

ヤン氏は同社はキャッシュフローはプラスであり、パンデミック中も成長を続けているとし、またクラウドファンディング業界の現状についてもこう述べている。

クラウドファンディングは2016年にブームとなり大きな盛り上がりを見せたものの、その後業界全体として困難な時期を経験しました。起業家、出資者ともにクラウドファンディングの仕組みをさらに理解し、何を期待すべきか学ぶ必要がある時期となりました。しかしクラウドファンディングは絶えず進歩しているプロセスです。【略】現在、新しい販売チャネルを見つけるようとする起業家の意欲が強い追い風となっています

【Japan編集部】JETROによるIndiegogoとの提携説明資料(日本語 PDF)

カテゴリー:ネットサービス
タグ:IndiegogoJETRO日本クラウドファンディング

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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