暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年11月29日~12月5日の情報から。
スマートフォン向けウォレットアプリ「IndieSquare Wallet」などを開発するブロックチェーン・スタートアップ「IndieSquare」は12月1日、次世代ブロックチェーン技術「HAZAMA」(ハザマ。ホワイトペーパー)の技術に関する特許取得を発表した。なお特許出願時には、本技術を原則としてオープンソース化するとしている。
HAZAMAは、サイドチェーンに相当するもの。サイドチェーン・ノードの立ち上げ後、ビットコインやイーサリウムといった異なるブロックチェーンと相互接続することでそれらを単一のプロトコル上で扱える暗号資産へと変換し、同じフォーマットで送受信や交換取引といった処理を行うことを可能にする。また、独自のコンセンサス・アルゴリズムにより、法的・業界要件的な適切性によって外部ブロックチェーンとの接続を許可/拒否するといった許認可基準を設けた運用も可能。
同社は、複数ブロックチェーンと相互接続し、安全に暗号資産などのデジタル資産の管理・転送を可能とする「ブロック・チェーン間でデジタル資産を転送するシステム」として特許を取得。同発明は、ブロックチェーンによる高い耐改ざん性により複製・偽造されないことが保証された信頼のおけるデータを、安全に流通させるための基幹技術となることが期待でき、AIやIoTの発展・普及により需要が高まるデータの信頼性向上にも寄与するという。
同発明は、複数の暗号資産を扱うウォレットサービスや分散型アプリケーション(DApps)や分散型金融(DeFi)などに応用可能であり、利用者は各バックエンドにどんなブロックチェーンが使用されているかを意識することなくサービスを利用できるようになる。また、開発においても信頼が求められるデータを扱うサービスを短期間かつ低コストで構築可能になるとしている。
さらに応用技術として、コンソーシアム型の特定用途の専用ブロックチェーンとして独自の許認可基準を設定し、基準を満たすデータのみを流通させる仕組みや、グローバルな取引所間にて、各国の法的要件を満たす暗号資産のみを取扱うための技術として運用することも可能になる。
同発明は、将来的には暗号資産のみならず、デジタルポイント、電子チケット、ゲームデータなどのデジタルデータとの互換性を持たせるために技術開発を進めており、ブロックチェーンの本質である価値保存、価値交換技術としての価値を向上させていくことを目的としているという。
サイドチェーン技術のHAZAMAは、ビットコイン(およびカウンターパーティ)、イーサリアム(およびERC-20)に接続可能なほか、多くのブロックチェーンと接続し、相互運用性を実現することを目指している。その技術が、今回の発明につながっている。HAZAMAは、プライベートチェーンの高速検証時間を実現しながら、ビットコイン・ブロックチェーンにイーサリアムなどのプログラム可能なスマートコントラクト環境を提供可能になるなど、既存のブロックチェーンの機能を強化できる。
また、シンプルな言語仕様で知られるスクリプト言語Luaをベースとしたスマートコントラクトの実行や、HAZAMA DNSといった独自のドメインにおいて不明瞭なアドレス形式などを置き換え、HAZAMAにてペッグされた複数の暗号資産をひとつのドメインで管理できるといった特徴を備えている。
なお、同特許の詳細については、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)において特許公報を閲覧できる。
- 特許番号:第6788875号
- 発明の名称:ブロック・チェーン間でデジタル資産を転送するシステム
- 特許権者:株式会社IndieSquare
- 出願番号 :特願2019-088304
- 出願日:2019年(平成31年)4月16日
- 登録日:2020年(令和2年)11月5日
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