Instagram(インスタグラム)は、インドでのTikTok(ティクトック)禁止の恩恵を受けており、2021年第4四半期時点の世界総ダウンロード数で首位に返り咲いた。アプリインテリジェンス会社Sensor Tower(センサータワー)が発表した新しいデータによると、Instagramにとって2021年第4四半期は少なくとも2014年以来最高のものとなり、インストール数は第3四半期から10%増えた。また、Instagramは、2019年第4四半期にWhatsAppがその座を占めて以来、ダウンロード数ランキングで1位を獲得した初のMeta傘下アプリとなった。
実際、過去2年でTikTokが世界ダウンロード数で1位でなかったのは2021年第4四半期が2回目だったとSensor Towerは指摘している。
その前にTikTokが首位から転落したのは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が始まった頃で、2020年第2四半期にZoom(ズーム)がTikTokを破ってダウンロード数1位のアプリとなった。
Instagramが世界の(ゲーム以外の)アプリ市場でトップに躍り出たのは、Androidユーザーによるインストールが増加したためだ。Google Playアプリの世界ダウンロード数トップチャートでは、2四半期連続でMeta傘下のアプリが1位と2位を獲得した。1位はInstagram、2位はFacebook。一方、TikTokは3位だった。
Apple(アップル)のApp Storeで最もダウンロードされたアプリを示すチャートでは、状況はかなり違っているようだ。
TikTokとYouTubeがそれぞれ1位と2位をキープしており、2020年第2四半期以降、その座を守り続けている。第4四半期にTikTokは、8四半期連続でApp Storeでのインストール数が5000万回を突破したとSensor Towerは指摘している。
残りのトップ5は、3位WhatsApp、4位Instagram、5位FacebookとMetaのアプリで占められている。一方、6位には、国家キャンペーンで宣伝されたことを受け、中国の国家詐欺防止センターアプリが異例のランクインを果たした。その他は、ソーシャルアプリ、チャットアプリ、エンターテインメントアプリという典型的なセレクションで占められている。
興味深い補足として、2021年第4四半期には、TwitterがApp Storeで最もダウンロードされたアプリのトップ20に2020年第1四半期以来初めて入った。2020年以降、4度目のランクインだ。ダウンロードは前四半期比34%増と急増し、その後も成長は続いている(製品開発活動の活発化がようやく実を結び始めたのかもしれない)。
TikTokは米国のApp StoreとGoogle Playの両方でダウンロード数第1位のアプリだが、世界第1位からの転落は、少なくとも部分的にはインドが2020年6月に「国家安全保障」の懸念から、中国企業の他のアプリとともにインド国内で禁止する決定を下したことに起因している。
Sensor TowerがTechCrunchに語ったところによると、禁止措置が取られて以降、Instagramのグローバルダウンロードにおけるインドの割合は着実に増えているという。
例えば、2020年第2四半期には、Instagramのダウンロード数の約21%がインドからのものだったが、2021年第4四半期にはそのシェアは39%に拡大した。また、通年で見ると、2020年にはInstagramのダウンロード数の約25%がインドからで、2021年には約36%に増えた。
InstagramはTikTokの脅威に対処すべく動画に注力するようになり「Reels」というTikTokクローンの普及に努めてきた。Instagramは競争が激化する中で牽引力を回復しようと、2021年にReelsに投稿するクリエイターに巨額のボーナスを提供し始め、中には1万ドル(約115万円)という高額な支払いもあった。
直近の四半期はInstagramが勝利したものの、Sensor Towerのデータによると、通年(2021年)の両アプリストアのグローバルダウンロード数ではTikTokがトップで、次いでFacebook、Instagramの順となっている。
ちなみに、Sensor Towerのライバル会社App Annieは、少し異なるランキングを発表している。App Annieのデータでも世界的なダウンロード数ではTikTokがトップだが、次いでInstagram、Facebookの順となっている。このことから、FacebookとInstagramのダウンロード数は近いと考えられる。Sensor TowerとApp Annieのダウンロード数推定方法が異なるため、結果的に異なる数字になったものと思われる。
画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi)