Lordstown MotorsがGMから購入した工場の売却をめぐりフォックスコンと協議中

EVスタートアップのLordstown Motors(ローズタウン・モーターズ)は、2019年にGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)から620万平方フィート(約57万6000平方メートル)の工場を購入して注目を浴びた。だが、現在は資金繰りに窮している同社は、その施設を台湾のFoxconn Technology Group(フォックスコン・テクノロジー・グループ)に売却する可能性が高いようだ。

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このニュースを最初に報じたBloomberg(ブルームバーグ)によれば、早ければ今週中にも取引が完了する可能性があることを、匿名の情報筋が示唆したという。Lordstownの経営陣は、第2四半期の決算発表の際に、このオハイオ州北東部にある施設を、他の企業にリースすることについて、パートナーと「真剣な話し合い」を行っていると語っていた。だから売却のニュースはまったくの驚きというわけではない。

取引に関する金銭面などの詳細は明らかになっていないが、LordstownはFoxconnと並行して、この同じ施設で生産を行っていくとも報じられており、この取り決めは、悩める電気自動車メーカーにとって、最終的には利益となる可能性がある。現金収入とFoxconnが持つ大量生産の専門知識の両方を得られることになるからだ。

Foxconnといえば、Apple(アップル)のiPhoneを製造していることで知られているが、ここ数年は電気自動車製造の市場参入に向けて大きく歩を進めている。同社は2021年5月、EVメーカーのFisker(フィスカー)と、新しい電気自動車を共同開発・製造する契約を締結。また、タイの石油会社であるPTT PLCとも提携し、同国内の工場で年間最大5万台の電気自動車を製造することも計画している。

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Foxconnの野望はそれだけではない。この製造企業は自動車メーカーの委託製造業者になる構想も描いており、中国の自動車メーカーである浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)と合弁会社を設立し、EVの販売を目指すメーカーに、設計、研究開発、生産を提供しようと考えている。

Lordstownは、主力製品である電動ピックアップトラック「Endurance(エンデュランス)」の最初の生産車両を、2022年初頭に少数の顧客に届けることを目指している。この会社は、前CEOのSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏が会社の資金繰りを懸念して辞任した後、2021年8月に新しいCEOを任命した。Dan Ninivaggi(ダン・ニニヴァッジ)氏がCEOに就任したのは、Lordstownが16億ドル(約1780億円)のSPAC合併を発表してからわずか1年後のことだった。

Lordstownの株価は、52週高値で1株31.80ドル(約3530円)を記録したが、現在は7.88ドル(約875円)で取引されている。

TechCrunchはLordstownとFoxconnにコメントを求めている。回答があれば記事を更新する予定だ。

画像クレジット:MEGAN JELINGER / AFP / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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