MesosphereはD2IQに名称を変更しKubernetesとクラウドネイティブにフォーカス

Mesosphereは、オープンソースであるMesosプロジェクトの、商用サービスを提供するために誕生した会社だ。仮想マシン群をより効率的に実行することは、確かに賢いソリューションだったが、時は移り企業も変化する。8月5日に同社は、名前をDay2IQ(略称はD2IQ)に変更し、Mesosの登場後、数年で急速に成長したKubernetesとクラウドネイティブに焦点を当てることを発表した。

D2IQのCEOであるマイク・フェイ(Mike Fey)氏は、新しい名前は会社自身の新しいアプローチを反映していると語る。Mesosプロジェクトだけに焦点を合わせるのではなく、より多くの成熟した組織がクラウドネイティブテクノロジーを採用することを支援することに、焦点を合わせたいと考えているのだ。

「Mesosphereという名前は、いくぶん窮屈なものだと感じていました。その名前では、会社がある技術に特化しているようなメッセージを出すからです。本当は私たちは通常運用(Day Two operations)をサポートすることをコアミッションとしているのです、すなわちクラウドネイティブアプローチを、単にアーリーアダプターたちのものではなくすべてのユーザーのために役立つものにすることが目的なのです」とフェイ氏は説明した。

なお同社が引き続きMesos駆動のDC/OSソリューションのサポートを続けるという点を、フェイ氏は注意深く指摘した。しかし会社の全体的な焦点はシフトし、新しい名称がそれを表現している。「Mesosプロダクトラインはまだ順調に機能しており、他のものでは提供できないものもまだあります。なので、私たちはそれを完全に放棄してしまうわけではありません。とはいえ、私たちは Kubernetesが非常に強力なことを理解しており、それを支えるコミュニティが素晴らしいことも知っています。私たちはそのコミュニティに付加価値を加えるメンバーの一員になりたいのです」と彼は言う。

彼は、この動きはクラウドネイティブの流行に突然跳び乗ろうとしたものではない、と付け加えた。彼の会社は、DC/OS上で実行されているKubernetesプロダクトを1年以上利用しており、クラウドネイティブコミュニティに貢献している立場なのだと指摘している。

今回の動きは、単に名前と会社の目標、そしてブランドの変更だけに留まるものではなく、同社が様々な顧客、より多くの成熟企業を支援するために開発した、いくつかの新しいクラウドネイティブプロダクトも含まれている(こうした新しいプロダクトたちが新しい会社名をインスパイアしたのだ)。

まず手始めに、同社はKonvoyという名の、独自の味付けを行ったKubernetesを提供する。これは「エンタープライズ品質のKubernetesエクスペリエンス」を提供するという。同社はまた、サポートおよびトレーニングサービスを提供する。これは現在世の中に欠けているものであり、クラウドネイティブに移行したい大きな組織が必要としているものだと同社が考えているものだ。

さらに、クラウドネイティブのやり方で、大量のデータを統合できるように設計されたデータ統合レイヤーを提供する。そのために、同社はKudoベータ版を導入する。これは、Kubernetesでステートフルな運用を構築するための、オープンソースのクラウドネイティブツールだ。同社はすでに、このツールを、Kubernetesやその他のクラウドネイティブプロジェクトを管理するオープンソース組織であるCloud Native Computing Foundationに寄付することを提案している。

同社は、この分野で、IBMとRed Hatの組み合わせのような新たな強打者との厳しい競争に直面している。だが同社は、強いオープンソースの精神を保つことで、Mesosの出自を乗り越えてクラウドネイティブ世界のプレイヤーになることができると信じているのだ。それがいい賭けだったかどうかは時間が経てばわかるだろう。

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画像クレジット: Andrey Suslov / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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