最近のSEC提出資料の中で、Microsoftは同社の前四半期の利益を無に帰した巨額減損処理の詳細を明らかにした。この減損処理は、同社がスマートフォンビジネスに当事者として参入する高価な試みが失敗したことを認める告白である。
7月31に発行され、今日GeekWireを通じて知らされたこの資料に書かれたMicrosoftの言葉は切迫している。
重要な2箇所を引用する。まず、巨額の減損処理か必要となるにいたった評価方法が書かれている部分(強調はTechCrunch)。
2015年5月1日付年次減損テストの結果、携帯電話ハードウェア事業が支障をきたしていることが分かった。会計2015年度後期、携帯電話ハードウェアは販売台数および売上の目標を達成できず、販売された機種割合による利益率は計画より低かった。これらの結果、および競争市場の変化と事業優先順位を評価した結果、戦略的方向の転換および同事業における将来の予想売上および利益の下方修正を余儀なくされた。こうした戦略的方向と予測の変化を受け、 当社は販売台数成長率の低下、および携帯電話ハードウェア財務報告単位の評価額の推定に使用する将来のキャッシュフローの減少を予測した結果、損金の調整が必要であることが確定した。
減損処理に関わる数値は以下のとおり。
2015年度の減損、統合および再構築の費用は100億ドルであり、2014年度は1.27億ドルだった。増加の要因は、主として携帯電話ハードウェア事業に関わる75億ドルの損金による(2015年度第4四半期)。2015年5月1日付年次事業減損テストの結果、携帯電話ハードウェア事業を保有する費用は、推定される正当な価値を超えることがわかった。このため事業損金51億ドルを計上して携帯電話ハードウェア事業の価値は54億ドルから1.16億ドルへと減少し(外貨再測定後)、携帯電話ハードウェア無形財産に関わる損金22億ドルを計上した。. 再編費用は21億ドルで、退職金および再編に関わる一部資産の減損処理を含む。統合費用は3.08億ドルに増え、これは2015年度通年にわたるNDS買収に関わる統合活動による。
ちなみに、54億ドルから1.16億ドルへの下落は、97.85%の減少。
直近の四半期 — 同社の会計2015年度第4四半期 ー Microsoftは売上222億ドルに対して、経常損失が21億ドルだった。同社の売上は対前年比5%減だった。Microsoftの株価は決算報告後に下落したが、減損処理については予告されていたため、投資家の受けたショックは比較的少なかった。