Mobileyeが事故映像を分析して歩行者検出から衝突まで間が十分あったとUberを非難

自動運転車による歩行者の死亡人身事故は、この技術の関連企業にとって決して良い宣伝にはならないが、話題が冷(さ)めないうちに原因をよく知るべきでもある。そこでMobileyeのCEO兼CTOのAmnon Shashuaは親会社Intelのブログで、同社のコンピュータービジョンソフトウェアが事故時の映像を分析した結果、被害者の人物を衝突の1秒も前に検出した、と述べている。

それは決して、Mobileyeのシステムの優位性を主張しているわけではない。今の自動運転や運転者補助システムは、このような粒子の粗い映像で自分の仕事をしているわけでもない。それはあくまでも、実験や研究のための映像だ。

しかしその映像を見た有能なコンピュータービジョンシステムが、ただちに被害者とその自転車を検出したという事実は、Uberのシステムがそのときに完全に失敗したに違いないことを示している。〔別の記事ではUberのシステムは衝突の0.9秒前に被害者を検出している、とある。〕

そのときMobileyeのオブジェクト検出アルゴリズムが搭載されていたら、被害者を衝突の1秒前に検出している(粒子の粗い映像だったとしても)。そのとき直ちにブレーキが作動したら、車速がわずか10kmh落ちただけでも死亡事故には至らなかったと思われる。しかしUberの車のブレーキが作動したのは衝突の後だ、と言われている。それはまさに、そんなときこそ優秀なセンサーシステムとAIの瞬時の反応が必要な場面ではないか。

そのUberの車はレーダーとライダーと複数の光学カメラを装備し補助ドライバーも乗っていたというが、それらのどれもが被害者を検出できなかったのか。それとも、検出したけど瞬時のアクションができなかったのか。

このたびMobileyeが行った映像検出実験も、まだ情報として十分なものではないが、車が搭載する人工脳の、真にあるべき姿を示していることは事実だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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