Operaが会員制のモバイルアプリ発見サービスBemobiを買収、キャリア課金のマネタイゼーションをねらう

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WebブラウザOperaを作っているOpera社が今日(米国時間8/7)、主にラテンアメリカ市場に会員制のモバイルアプリ発見サービスを提供しているBemobiを買収した、と発表した。買収の完了は2015Q3とされ、その価額等は公表されていない。

そもそも、“会員制のモバイルアプリ発見サービス”って何だろう? Operaの説明によるとBemobiは、スマートフォンアプリのためのNetflixみたいなもので、ユーザは毎週小額の会費を払うことによって、有料アプリに無制限でアクセスできる。料金はキャリア課金になるので、クレジットカードやデビットカードが普及していない中南米でも便利に使える。Bombiによると、今、非休眠会員は約600万人いるそうだ。

Operaはデスクトップだけでなくモバイルのブラウザも広く使われているし、後者の場合キャリアが最初からデバイス本体にブラウザを組み込むから、キャリアとのご縁が浅くない。そこで、キャリアとの関係とBombiのサービスを結びつけたら、Opera曰く、“グローバル規模の革新的なアプリ発見とマネタイゼーションのためのサービスが実現し、Operaはこの分野のグローバルなリーダーになる”、のだそうだ。

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OperaのCEO Lars Boilesenは、今日の発表声明でこう言っている: “Operaはモバイルアプリのエコシステムで急速に成長し、この分野でみなさまのお役に立つイノベーションをご提供することを、重要な目標としている。Bombiはまさに、Operaのこの方向性に沿うものである。今回の買収によって、Operaのアプリ発見サービスに大きな構造性がもたらされ、また、有効性を実証されているマネタイゼーションモデルを、弊社の中核市場に導入することができる”。

2000年に創業されたBemobiは、今ではClaro、Telefonica、América Móvil、Telcel、Oiなどをディストリビューションパートナーとし、また多くのデベロッパともパートナーしている。同社はカタログ中のアプリを約500に絞ることによって、AppleのApp StoreやGoogleのPlay storeにない、“アプリの発見しやすさ”を実現している。それは対消費者のセールスポイントであると同時に、力作のアプリがどこかに埋もれてしまいがちなデベロッパにとっても、魅力になっている。Bemobiは彼らのアプリを自分のサービスから提供できるための簡単なラッパーを、アプリに着せるだけである。デベロッパがアプリに変更を加える必要性は、まったくない。

買収後もサービスはBemobiという名前で提供され、CEOも変わらないが、ターゲットはグローバルになる。同社にはすでに、サービスおよびサイトの英語バージョンがある。

BemobiのCEO Pedro Ripperは、こんな発表声明を述べている: “Bemobiはグローバルな拡張を計画している。そのために、Operaの戦略的資産と、弊社のラテンアメリカにおける会員制アプリ発見サービスの成功を、相乗的に活用していきたい”。

この買収により、すでに全世界に展開しているOperaの力が、Bemobiのグローバル進出を助けるだけでなく、Opera自身にとっては、ラテンアメリカ市場の一層の拡大の契機にもなる。いわゆる、win-winの良縁だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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