QualcommはPC、とくにラップトップ市場でメジャーになることを望んでいる。Windows 10がARM上にもある今、それは単なる夢ではない。しかしこれまでのQualcommベースのWindows 10ラップトップは、PC用に特製されたSoC、Snapdragon 850を使っていたが、それは同社のスマートフォン用プラットホームの直接の子孫のようなチップだった。
しかし今日(米国時間12/6)同社が発表したSnapdragon 8cxプラットホームは、“これまでで最高のSnapdragon”と自画自賛され、同社のモバイルの専門技術とビルディングブロックを一部に使用しながらも、強力なPC向けに一から新たに設計されている。
8cxはPC向けに最適化され、ピーク時のパフォーマンスやマルチタスクにも十分対応する。それは初めての、7nmプロセスのPCプラットホームでもあるが、発売は2019Q3以降となる。
QualcommのSnapdragonプラットホームをPC(それをQualcommとMicrosoftは“Always Connected PC”(常時接続PC)というブランドで呼んでいる*)に使うとどうなるのか。Q社の売りによるとそれは、複数日の電池寿命でIntelのチップと同等のパフォーマンスが得られることだ。最初の世代のデバイスは電池寿命はグレートだったが、パフォーマンスはまだまだだった。今度の8cxでは、その点が改良されたとQualcommは約束している。そして同社は、その7nmチップは“従来のPC業界よりも数世代先を行っている”、とあえて〔10nmでつまづいた〕Intelを名指しせずに主張している。〔*: Always Connected PC, 日本ではHPのCore i5機が最初に使用。〕
8cxプラットホームをローンチしながらQualcommは、依然850をキープしている。8cxの位置づけは、既存の850プラットホームを補完して、ベンダーが多様な価格帯のPCを提供できるようにするための、プレミアムプラットホーム(ハイエンド機用チップ)だ。
8cxはQualcommのKryo 495 CPUとAdreno 860 GPUを搭載し、後者は4KのHDRモニターを駆動できる。またQualcommの最新の高速充電技術や、いつもの接続性オプション(Bluetooth, USB-C, LTE, …)により、常時接続をサポートする。
QualcommのSVPでモバイル部門のゼネラルマネージャーAlex Katouzianが、今日の声明で言っている: “パフォーマンスと電池寿命をつねに重視するわれわれは、7nmのイノベーションをPCに導入し、スマートフォンのような能力を持たせることによってコンピューティング体験を変革する。これまでで最速のSnapdragonプラットホームであるSnapdragon 8cxによって、弊社の顧客のみなさまは、複数日の電池寿命と複数ギガビットの接続性、および薄く軽くファンのないデザインによる強力なコンピューティング体験を、消費者と企業に提供できる”。