Ringの最新防犯カメラは自律飛行型屋内ドローン、2021年に約2.6万円で出荷予定

Ringはドアベルを再発明することで事業全体を構築した。そして同社はAmazon(アマゾン)のハードウェアイベントの期間中に、来年中にRing Always Home Camを販売することを発表した。

同製品は、シンプルなホームセキュリティカメラに似たアプローチを採っている。名前からは想像しずらいが、この防犯カメラとして機能するRing Always Home Camは、実際には家の中を自律的に飛行するドローンで、複数の場所にビデオカメラを設置しなくても、ユーザーがチェックしたい部屋をドローン経由で見ることができるというものだ。なお、Ringはアマゾン傘下の企業だ。

Always Home Camは、ユーザーが事前設定したルートを飛行するようにスケジュール可能だ。この小型ドローンは、手動で飛行させることはできず、飛行中に一度だけ録画を開始する。もちろん本体ケースにドッキングしている場合は、カメラのレンズは物理的にブロックされる。 同社は「どちらの機能もプライバシーを念頭に置いて厳密に運用するのに役立つ」と説明している。Always Home Camはまた、使用中に意図的に音を出すように設計されており、実際に動き回って録画していることを誰かに知らせるようになっている。

Always Home Camには屋外のオープンスペースで使用するために設計されたドローンに見られるような露出したローターはない。安全のためにプラスチック製の枠とグリルで囲われているのみだ。サイズも小さく、横7×縦7×高さ5インチ(約18×18×13cm)で、人と家庭用品の両方の安全に保つだろう。

「なぜこのような野心的な異例のホーム セキュリティカメラを開発することを決めたのか」について、Ring創業者兼CEOのJamie Siminoff(ジェイミー・シミノフ)氏に聞いた。特に、ドアベルや投光照明といった実証済みの家庭用ハードウェアの実績を考えると疑問に感じたからだ。

同氏は「Always Home Camはユーザーのフィードバックから生まれたものです。その多くは『家にいるか、家の特定の場所で何かが起きたときにそれを見ることができたらいいな』という意見だった」という。あるいは「特定の部屋用のカメラが必要だが、利用するのは特定の時間に限られている」といったものだ。

「家のあらゆる部屋にあらゆる角度からカメラを設置するのは現実的ではありません」と同氏。「無制限のリソースがあったとしても、まだ実用的ではないと思います。Always Home Camで私が気に入っているのは、1台のカメラですべての問題を解決してくれることです」と続ける。

ドローンはRingの主要事業ではないが、Always Home Camは屋内で安全かつ完全に自律的に操作できる小型機を作るという技術的な課題があるにもかかわらず、249ドル(約2万6300円)という比較的低価格で提供される予定だ。

シミノフ氏に「Ringが自社で開発したデザインを用いて、専門外の分野でどのようにしてこの価格帯を実現したのか」と尋ねたところ「技術が枯れてくるについて、これらの部品の多くは価格が下がってきました。自動車メーカーは現在、これらの部品の多くを大量に使用しているためコストダウンが起こっています。明らかに同じ部品ではありませんが部品コストはすべて下がってきています。また、私はこのプロダクトを思いついたときに、手ごろな価格でなければならないということにチームに提案しました」と答えてくれた。

Ring Always Home Camは、Ring Alarmを含む既存の製品群と連携して、アラーム発動時に自動的にあらかじめ設定された経路を飛ぶ。Ringアプリを使ってモバイルデバイスにライブでビデオをストリーミングすることも可能だ。多くの点で、これはRingのエコシステムの自然な延長のように見えるが、同時にSFの世界から飛び出したようにも見える。

そこでシミノフ氏に「消費者はこの種のテクノロジーを日常生活の一部として真剣に受け止める準備ができていると思うか」と尋ねた。

シミノフ氏は「私が思うに、それはある意味、はるか向こうにあるものなのです」と認めた。「しかし、私が気に入っているのは、この水平思考の制約を取り除いたときに起こることです。裏にある必要性を見極め、どんな技術が存在するのかを考え、何を構築できるのかを考えることから、私たちが何をすべきなのか考えるのが大好きです。何かを達成して業界第一線に私たちの足跡を残せることは、私にとって本当にエキサイティングです」と締めくくった。

Amazon Hardware Event

画像クレジット:Ring

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(翻訳:TechCrunch Japan)