Salesforceがバリューチェーン全体での温室効果ガス実質ゼロを達成

Salesforce(セールスフォース)はこれまで頻繁に、責任ある資本主義を説き、勧めてきた。そして同社は米国時間9月21日、年次開催の顧客向けイベントDreamforceでグローバル気候変動に対する取り組みでの顕著な成果を発表した。100%再生可能エネルギーで全バリューチェーンでのネットゼロ(温室効果ガス実質ゼロ)エネルギー使用を成し遂げ、それが可能でないときはカーボン相殺を購入している、と同社は述べた。

と同時に、同社は組織の気候変動の取り組みを管理するために組織に販売しているプロダクトSustainability Cloudのアップデートも発表した。このプロダクトでは組織は責任を果たしながらも資本主義者でいられる。米国時間9月20日のDreamforce Pressイベントに登壇した同社の最高影響責任者で企業関係担当EVPであるSuzanne DiBianca(スザンヌ・ディビアンカ)氏は、ポジティブなクライメートアクションを取る大企業の例となっていることを誇りに思っていると話す。

「今日ネットゼロ企業であるという当社のクライメートアクションの約束についてとても興奮しています。これは2030年でも2040年でもなく、未来のことでもありません。取り組みを加速させなければならないことは承知していて、スコープ1、2、3の全バリューチェーンを含め、当社は現在ネットゼロです。これを達成した企業は極めて少数です」とディビアンカ氏は述べた。

持続可能性に関する多くの専門用語があり、TechCrunchはより深く理解するためにSustainability CloudのGMであるAri Alexander(アリ・アレクサンダー)氏に話を聞いた。持続可能性のコミュニティは、スコープ1、スコープ2、スコープ3として知られる3つの主要エリアでの企業のカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)を測定する、とアレクサンダー氏は説明した。「スコープ1とスコープ2はあなたが所有するもの、動かすもの、コントロールするもの、そして事業を展開するためにどのエネルギーを調達するかです」と同氏は述べた。

スコープ3は業界用語で「バリューチェーンの上流と下流」と言及され、あなたの会社が関わるものすべてだ。「企業が責任を負っているエミッションの圧倒的大部分は実際には企業の直接的な業務のものではなく、商品やサービスを調達する上流のものです。あるいは他の産業ではそのプロダクトや寿命を迎えた製品を使用する下流のものです」と説明した。あなたが新しいスマホを入手するときに下取りに出すスマホに起こることが、下流の例として挙げられる。

なので、Salesforceがバリューチェーンの上流と下流もネットゼロだというとき、そこには同社がコントロールするものすべて、そして同社が事業を展開する上で関わる全企業が含まれる。Salesforceのコントロール外のところで多くの変数があるため、パートナーやベンダーが同社が定める基準を遵守していることを確認できなければ「高品質なカーボンオフセット」と呼ぶものを購入する、とアレクサンダー氏は話す。

「また、すぐに対応できないところでも、完全にネットゼロでいられるよう、その不足分を埋め合わせるために当社は高品質なカーボンオフセットを購入します。その一方で、当社はサプライチェーンにわたって絶対的なゼロへと削減するという真に重要な取り組みを今後も続けます」と述べた。

加えて同社は他企業に販売するために開発した商業ツールSustainability Cloudのアップデートを発表した。これはSalesforceが自社で使っているのと同じツールとテクノロジーだ。

「持続可能性は、あるといいものから、実際に事業変革そのものの核心へと変わりつつあります。我々が生きているこの時代の趨勢の1つであり、毎年指数関数的に成長しています。そしてそれが意味するものは、企業は気候危機に対応するためにかなりのリソースを動かしており、持続可能性を事業運営の中心に据えつつあるということです」とアレクサンダー氏は述べた。

同時に、同社はより持続可能な組織になるためのSalesforce Climate Action Planという独自の計画に基づく取り組みの詳細も公開した。この計画はオンラインで無料で閲覧できる。

同社はまた、植林の目標を2021年3000万本に増やす。植林の取り組みには他の企業も参加しており、10年で1億本を植林して育成・保全することを目標に掲げ、早く達成できるよう強力に推進している。

Dreamforceプレスイベントに登場したSalesforceの社長兼COOのBret Taylor(ブレット・テイラー)氏は、気候危機はあらゆる人に影響を及ぼしていて、Salesforceが他の組織のお手本になるよう取り組みつつ、自社の行いで意義ある影響を及ぼすことができると確信している、と述べた。

「我々は事業が変化のための最善のプラットフォームであると考えていることを認識するために、またあらゆる組織が信頼される企業になり、気候変動のような危機を解決するよう、刺激を与えるビジョンを描くためにDreamforceにいます」とテイラー氏は話した。

画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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