Showcase Gigがドコモと資本業務提携「d払い」ミニアプリとの連携でモバイルオーダーの浸透目指す

モバイルオーダープラットフォーム「O:der(オーダー)」を提供するShowcase Gig(ショーケース・ギグ)は12月5日、NTTドコモとの資本業務提携を発表した。ドコモは、Showcase Gigから10億円の第三者割当増資の引受、およびShowcase Gig既存株主から株式譲受を実施する。

Showcase Gigが提供するO:derの特徴は、顧客にとってはスマホから事前に注文し決済することで、飲食店などで並ばずに商品を受け取れること。店舗側はレジスタッフを削減し、より効率の良いオペレーションを運用することが可能だ。

Showcase Gig代表取締役の新田剛史氏は当日開催された会見で、無人コンビニのAmazon Go、中国のコーヒーチェーンスタートアップLuckin Coffee、そして同社が開発に関わっている、サントリーによるモバイルオーダーでカスタマイズコーヒーを注文できる「TOUCH-AND-GO COFFEE」など、「新しい店舗」が次々と世界中で誕生してきており、「これらに共通するのはOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)というキーワードだ」と話した。

Showcase Gigはこれまでに、JR東日本グループJR九州グループJR西日本グループとの資本業務提携を締結し、モバイルオーダープラットフォームの導入を進めてきたが、本日発表されたドコモとの資本業務提携では、「国内最大規模のOMOプラットフォームの創出」を目指す。

具体的には、Showcase Gigのモバイルオーダープラットフォームをドコモの「d払い」のミニアプリプラットフォームと連携し、両社が抱える加盟店を中心に、OMOソリューションを提供していく。ドコモは11月28日より「d払い ミニアプリ」の提供を開始。同日よりJapanTaxiに、12月10日からはドコモ・バイクシェアに対応しており、2019年度内にはローソン、そして吉野家でも利用が可能となる。吉野家を「第1弾」とし、今後もモバイルオーダーが可能なミニアプリを増やしていく予定だ。

ドコモの執行役員でプラットフォームビジネス推進部長の前田義晃氏は、「単純に決済を提供するというだけの戦争になってきている気もするが、そうではなく、決済から始まる周辺のソリューションの提供や、消費者に対する価値提供を充実させていく中で、キャッシュレスが普及していくと我々は考えている」と話した。同社は前述の国内最大規模のOMOプラットフォームの創出に加え、実店舗向けソリューション提供体制の構築、そしてデータ活用によるOMOプロダクトの開発を資本業務提携の目的としている。

両社は、2020年度中に1万店舗へモバイルオーダープラットフォームを導入することを目標としている。2020年1月にはミニアプリ開発支援の提供開始、春にはモバイルオーダー対応の吉野家のミニアプリをリリース、夏以降にはモバイルオーダー対応ミニアプリ第2弾、そして各種OMOプロダクトを随時リリースしていく予定だ。

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TechCrunch Japan

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