オープンソースの継続的インテグレーションサービスTravis CIは、ベルリン生まれだが世界的にも人気が高い。その同社がこのほど、オンプレミスとクラウドアプリケーション向けにさまざまなSQLデータベース管理ツールを提供しているIderaに買収された。この買収は、Circle CIなどそのほかのCIサービスがTravis CIにマーケットシェアを奪われつつあったまさにこの時期に行われた。
プライベートエクイティ企業TA AssociatesがオーナーであるIderaによると、Travisは同社の試験ツール事業を補完し、現在の顧客の利益にもなる。IderaのTesting Tools部門に現在あるのは、TestRail、Ranorex、Kiuwanなどのツールだ。IderaでTravis CIを担当することになるゼネラルマネージャーのSuhail Malhotraは、こう語っている: “Travis CIから得られる事業価値はすばらしい。もっと多くの顧客が、もっと良い結果を迅速に得られるよう、努力していきたい”。
Ideraは明らかに、DevOpsビジネスへとレパートリーを広げていきたいのだと思われる。継続的インテグレーションは言うまでもなく、そのための重要なビルディングブロックだ。それでもなおIderaは…多少は知られているとしても…今日の最先端の技術で知られている企業ではないだけに、やや違和感はある。しかしTravis CIは70万のユーザーをIderaに持参し、その中にはIBMやZendeskもいる。買収の価額は不明だが、これは確かに、CIのエコシステムにおける大きな商談だ。
Travis CIのファウンダーKonstantin Haaseは今日の発表声明で次のように述べている: “Ideraのチームと共に成長の次のステップに進めることは喜ばしい。弊社の顧客とパートナーがIderaの豊富なポートフォリオを利用できることになり、そのソフトウェアビジネスを次のレベルへとスケールアップできるだろう。弊社の目標はできるかぎり多くのユーザーをTravis CIに惹きつけるとともに、そのオープンソースのルーツとコミュニティにとどまることだ”。
これはかなり定型的な声明文だが、今後果たしてIderaは、Travis CIを同社の稼ぎ頭のひとつへと、育てていけるだろうか。お手並みを拝見したい。
Haaseのブログによると、Travis CIのユーザーにとっては何も変らない。“新しいパートナーからのサポートにより、弊社のコアプロダクトの拡張と改良のための投資ができ、Travis CIは世界最良の継続的インテグレーションと開発のソリューションになるだろう”、と彼は書いている。そしてまたTravis CIはオープンソースの世界にとどまり続ける: “それがわれわれの本質であり、成功の源泉だったのだから”。