John Legere(ジョン・レジャー)氏がWeWorkを引き受けるかどうか不明だが、T-Mobile(Tモバイル)のCEOを退任することは間違いないことが判明した。TモバイルはソフトバンクグループのキャリアであるSprint(スプリント)との合併を進めているところだ。
米国時間11月17日、Tモバイルとレジャー氏は後任CEOが同社の現COO(最高業務責任者)、Mike Sievert(マイク・シーバート)氏となることを確認した。CEOの交代は2020年5月1日の予定で、レジャー氏は取締役には留まる。
Tモバイルもレジャー氏自身も今後の計画についてはコメントしていない。しかしTモバイルを離れることでWeWorkのトップになる道が開かれたことは確かだ。 レジャー氏はある意味、企業再建の専門家であり、大きな問題を抱えたオフィス賃貸ビジネスを引き受けるのではないかという観測が出ていた。われわれも報じてきたとおり、WeWorkは株式上場を申請したものの、財務状況の悪化と経営上の問題が明らかとなり、一転して申請を取り下げた。ファウンダーのアダム・ニューマン氏がCEOを辞任し、同社の評価額は暴落した。これにより同社に対する大口投資家であるソフトバンクが事態の収拾を図らざるを得なくなっている。
レジャー氏がWeWorkのトップになるという噂は即刻否定されたが、その情報源は「レジャー氏はTモバイルを離れるつもりはないからだ」と断言していた。その前提が覆った以上、WeWork移籍を含めてソフトバンクとレジャー氏の関係は新たな見地から見る必要がある。TechCrunchはレジャー氏に直接取材を試みている。結果が得られ次第お知らせする。
レジャー氏は2012年からTモバイルのトップを務めているが、長い業界経験と大胆不敵な性格を生かし、AT&TとVerizon(TechCrunchの親会社)という巨大キャリアの圧迫の下で苦闘していたTモバイルの活性化を図ってきた。特に「脱キャリア化」というマーケティング戦略は功を奏し、レジャー氏の在任中に株価はアップし、今や時価総額は650億ドルに達している(退任の報が流れた後1.5%下がった)。
シーバート氏はレジャー氏が敷いた戦略を続行するものと見られる。Tモバイルは「我々は消費者の利益を守るため米国のワイヤレス業界のディスラプト要素であり続ける」と述べた。
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別の声明でシーバート氏は、「我々は今後も脱キャリア文化を追求していく。Tモバイルは(レジャー氏という)個人のものではない。経営陣には極めて優れた人材が揃っているし、カスタマーのために全力を挙げる才能ある社員を何千人も擁している。今後の私の使命はTモバイルを市場をリードする存在に成長させ、カスタマー・エクスペリエンスでも傑出した成果を挙げるよう導くことだ」と述べた。
レジャー氏の退任がWeWorkを始めとするソフトバンク傘下企業のトップ人事と関連があるのかどうは今のところ不明だが、TモバイルのCEO交代自体は理にかなっている。Sprintとの合併は「新会社は誰が指揮するのか?」という大きなクエスチョンマークを残していた。合併に伴って新たな人事構想があることは今年に入って発表されていたが、まだ実現していない。合併手続きは来年早々にも完了するものと見られている。
画像:T-Mobile
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)