Thirdshelfが紹介する未来のiBeaconストア

今年のDx3 デジタルビジネスEXPOで、モントリオール拠点のThirdshelfが、iBeaconの近距離ベース・ショッピングカスタマイズを利用した小売店の、フル機能デモを披露した。デモ店舗には、同技術の可能性について聞かされていたことの多くが、Thirdshelfのホワイトレーベル店内システムと、EstimoteのBluetooth LEを利用したハードウェア・ビーコンを使って実現されていた。

ThirdshelfのSaaSソリーションは、高級ブティックストアのLXR & Co.、POSソフトウェアのLightspeed、およびEコマースのShopifyとの協業によって作られている。店にはEstimoteのハードウェアが疑似店内レイアウト全体に散在し、近づいてきたユーザーの端末と通信し、iPadベースの顧客対面ディスプレイの表示をカスタマイズすると共に、カスタマーサービス画面にも店内にいる顧客の情報をリアルタイムで送り込む。

「顧客が近づくと、パーソナライズドモードのブラウズが可能になり、ウィッシュリストやおすすめ商品がついて回る」、とThirdshelfのCEO Antoine Azarは説明する。「店員にも今起きていることが伝えられ、例えば店内にいる客の人数を忠誠度別に知ることができる。さらに、個々の買い物客を掘り下げて、ウィッシュリストやおすすめやプロフィールの確認も可能だ。

店頭のPOSソフトウェアとも連動しているので、トランザクション情報や購入履歴を顧客にひも付けして、おすすめ商品の選択や通知に利用できる。顧客アプリのデザインや機能は、小売店ごとにカスタマイズして、特定の店舗またはチェーン向けのブランディングが可能だ。Thirdshelfは、現在中小規模の店舗をターゲットにしているが、いずれは大型小売業者にもこの種のシステムを提供する大きなチャンスがあると考えている。

Azarによると、Thirdshelfは客の習慣や店内レイアウトに関する意味のあるデータを中小店向きに収集したり、協力して顧客に店舗を横断した忠誠インセンティブを与えることも提案している。

現在プロジェクトはベータ版で料金は未定だが、いずれは事業規模に応じた月額料金が課されることになるだろう。Thirdshelfは経験ある起業家らが自己資金で立ち上げたスタートアップで、今後数ヵ月間でこのベータプロジェクトを拡大していく考えだ。








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(翻訳:Nob Takahashi / facebook