Twitterが誰にもVineを助けさせない理由

unvine

Vineを見捨てて、売却ではなく埋葬を選ぶなら、Twitter自身が馬鹿みたいに見える結末に辿り着くシナリオは山ほど考えられる。得るものは少なく、失うものは多い。そこで、Vineの精神に従い、TwitterがそれでもVineを埋葬したい理由を6秒のテキスト断片で考察してみよう:

  • Twitterはツイートや埋め込みが死なないように、既存のすべてのVineを保全しておくことができる。一方他の誰かがそれを手に入れた場合には、新しいオーナーは既存のリソースを破壊したり削除するかもしれない。

  • 皆がTwitterに関連付けていたプロダクトを誰かが所有してしまう場合の、ブランドリスクが大きすぎる。例えばもし新しいオーナーが、それをPornHubに転売したら?Vineが猥褻の巣窟になってしまう。

  • 最後の日々を迎えたVineの少ないトラフィックでは、Twitterにとってわずかばかりのキャッシュを手に入れるための売却プロセスは、かつての価値を考えると、コストがかかりすぎて悩ましいものである。

  • もしそれを低価格で売却してしまっては、世間はTwitterが明かりを点ける金にも難儀しているという印象を持つだろう。

  • VineのアカウントシステムはTwitterのものから派生したものなので、もしそれを売却してしまうと、新しいオーナーにTwitterのコアユーザーグラフを模倣し、競合製品を開発するための過剰な能力を与えてしまう。

  • もし他の誰かがそれを買って、より多くの成功を成し遂げた場合、それはTwitterのリーダーシップの愚かさと、Vineの潜在能力を活用することができなかったことの証明になってしまう。

これらは、みな立派な理由ではあるだろう。

しかし…

もし誰かに新しい命を吹き込むことを許すか、必要最小限の保守要員を残す代わりに、Vineを殺してしまうなら:

  • Twitterは、数百万のユーザー、特にスターコンテンツクリエイターとの間に築いた信頼と関係を焼き捨ててしまう。もしこれがTwitterがそのコミュニティを扱うやりかたならば、この先クリエイターたちはPeriscope(Twitterが2015年に買収した配信アプリ)の視聴者たちのために投資しようと思うだろうか。

  • 呆れたビデオ作家たちは、Twitterのソーシャル競合他社へと逃亡し、Instagram、Snapchat、Musical.ly、そしてYouTubeの支持者になるだろう。

  • 最後に。おそらくTwitterはニュースに焦点を当てたいのだろう、そしてVineの大部分はニュースではなかった。しかしこの先人びとが、ディベートやスポーツイベント、あるいは抗議行動などの短いクリップを見たいと思うときは、他の話題性に富んだ野心家たちの成長を支援することだろう。なぜならTwitterはVineを途中で枯らしてしまうのだから。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。