オンライン教育のUdacityは主に、ソフトウェア開発やデータサイエンス、機械学習などを教えている。そのために同社は、創業5年目にして初めての買収、CloudLabsの買収により、ネット上(==ブラウザー上)に対話的なグループ・プログラミングの環境を作ろうとしている。言い換えるとそれは、複数の人たちのコラボレーションでプログラムが作られていく過程だ。
CloudLabsという名前はあまりにも漠然としていて分かりにくいが、同社が提供しているTerminal.comは、ユーザーがその上で、独自に対話的なコンピュータープログラミングのコースを作れる、という文字通りのプラットホームだ。各ユーザーのコースはコンテナのイメージに収められるが、コースのユーザーインタフェイスはコマンドラインだ。Udacityは同社の、ライブな(==リアルタイムの)デベロッパー環境を、一部のコースに実装するつもりだ。インストラクターはコードをその場ですぐに点検でき、特定の問題に注意を喚起したり、生徒たちとスクリーンを共有したりできる。
CloudLabsの5名の技術者チームは全員がUdacityに残るので、人材込みの買収になった。CloudLabsのCEO Dr. Varun Ganapathiが同社の機能のUdacityへの統合を指揮し、またUdacityの今後の機械学習プロジェクトに貢献していく。
この二つのプラットホームが合わさったことによって生徒は、一歩々々段階的なプログラミングが容易にできるようになり、またその過程でのフィードバックも得やすくなる。Udacityは、オンラインのプログラミング学習が生徒にとってより心地よい体験になることに加えて、生徒の成績評価や報告機能の自動化でも、CloudLabsのチームの力を借りたい、と考えている。
“人間的な(人間からの)フィードバックはネット学習においてものすごく重要、と考えている。でも、それと同時に、成績評価をもっと効率化したいし、それによって生徒一人あたりのコストを下げたい”、UdacityのCEO Vish Makhijaniはそう説明する。
対話的なプログラミング環境を開発している企業の買収をUdacityは、計画的に進めてきた。まずやったのが、CloudLabsの競合他社の調査分析だ。また同社の一部のナノ学位に、Terminal.comの機能を試験的に実装してみた。Udacityは、ナノ学位と呼ばれるその短い学位取得課程を、ディープラーニングや自動運転技術、VRの開発など、ホットな専門科目で重点的に利用している。
“Terminal.comのうち独自のバージョンも作ってみたし、それがすごく堅固な構造であることも分かった。また同社とは前に、ちょっとした業務関係もあった”、とMakhijaniは付言する。
チームの移籍により、Terminal.com本体の開発は停止する。SECのファイルによると同社はこれまで、612万ドルを調達しているようだ。Udacityは、今回の買収の価額等を公表していない。