Waymoが企業秘密の窃盗でUberとOttoを訴訟、元社員が14000件のファイルを無断ダウンロード

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Googleの自動運転車プロジェクトがAlphabet傘下の独立企業になったWaymo社が今日(米国時間2/23)、自動運転トラックのOttoとその親会社Uberを訴訟した。Waymoによると、Uberは同社の企業秘密を“悪用し”、同社が保有する特許を侵害した。具体的には、Waymoが見つけた証拠によると、OttoとUberは、同社が今年初めに発表した同社独自開発によるライダー(LiDAR)センサーに関連した、自動運転技術のいくつかの要素を、使っていた。

訴状でWaymoは、同社は、いくつかのユニークなレーザーシステムの組み合わせにより、完全な自動運転車の操縦のための重要な情報を得ているが、それをOttoのファウンダーAnthony Levandowskiが奪った、と言っている。彼は以前、Waymoに勤務するマネージャーだった。Levandowskiは14000あまりの、機密性の高い、企業に私権のあるファイルを、社を去る前にダウンロードした。その中には、企業秘密とされているLiDARの回路基板の設計図もあった。そしてWaymoの驚くべき指摘によると、同社がこれら一連の事件を発見したきっかけは、あるサプライヤーからのメールに、そのサプライヤーがUberとOttoに宛てたメールのコピーが、うかつにもあったことだ。そこには、そのライドシェア企業〔==Uber〕から送られてきた回路基板の設計図もあり、しかもその図面はまさしくUber自身のものとされていた。

Waymoによると、この窃盗行為が行われたのは2015年の12月だ。その直後にLevandowskiはWaymoを去り、自分の会社を始めた。それが、2016年1月にOttoになった。訴状によるとLevandowskiは、Waymoを去る前に自分のベンチャー企業を設立していた。

訴状はLevandowski以外の元Waymo社員も訴えており、彼らも後にOttoとなる企業に参加し、その前には、サプライヤーリストや技術的ドキュメントなどの企業秘密をWaymoからダウンロードした、としている。

Waymoが訴状で引用しているBusiness Insider誌上のBiz Carsonの記事によると、Ottoが独自のLiDAR技術を内部開発できたことが、Uberによる買収の中心的動機であり、したがってLevandowskiとOttoはこの窃盗行為から直接、5億ドルあまりを獲得したことになり、またUber自身も、それまで行き詰っていた自動運転車の取り組みを蘇らせて、その計画的な悪事に基づいてWaymoと再び競合できるようになった、と訴状は言っている。

当然ながらこれは、Uberにとって大きな打撃だ。今は元社員が被ったいわゆるセクハラ事件が明るみに出て、内部的にも対外的にももめている時期だけに、大きな火に多量の油を注ぐ形になった。

今、Uberにはコメントを求めている。得られ次第、この記事をアップデートしよう。

〔参考記事: ライダーとは何か

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))