Microsoftの未来は3次元だ。これまでに私たちは、同社がHoloLensならびにMinecraftとの仕事を通じて、少しずつその概念を受け容れて行く様子を見てきた。だが今週の初め、ニューヨークシティーでのイベントで、同社は3Dコンテンツ作成をコア原則として掲げ、Windows 10クリエイターアップデートならびにSurface Studioのようなハードウェアの両方に、全力で取り組むことを発表した。
どのくらいの期間、同社がこの領域に注目してきたのかと問われて、Megan Saundersはしばしの沈黙の後、用心深く「ある時点から」と答えた。彼女はWindows 3D Initiativeのジェネラルマネージャーである。彼女はすぐに、以前はHoloLensチームにいて、3Dコンテンツ作成の入門障壁を低くするための仕掛けのインスピレーションを、彼女自身の子供から得たのだと付け加えた。その子は空間に興味があったのだが、複雑なCADプログラムを操作するために必要なスキルを持っていなかったのだ。
「今日の3Dマーケットを見てみると、ほとんどのツールセットがプロ向けのものなのです」と彼女は説明する。「もし人びとに、もっと直接的に3Dの世界へアクセスして貰えるようにできたら、人びとにはよりリッチで、魅力的で、そしてより包括的なことを行う多くの機会が開かれることでしょう。私たちは、それをより親しみやすくするために、皆のために何ができるかを知りたいのです」。
この答の一部はPaint 3Dの形で現れた ‐ とうの昔に、悪いコンピューターアートの代名詞になってしまっていた、同社の古いグラフィック作成アプリケーションの改訂版である。プログラムの新バージョンは確かに、それを使ったユーザーが、自らを「3Dコンテンツ作成者」と呼べるくらい閾値を下げてくれる。とはいえこれまでのPaintで予想できるように、結果のほとんどはとても簡単なものだ。
しかし、Paint – そしてクリエイターアップデート – は、人びとをMicrosoftの大いなる3D戦略に絡め取るための最初の1歩に過ぎないのだ。「エコシステムの構築を目指しています」とSaundersは説明した。「私たちがロールアウトしていくものには様々なものがありますが、Paintはその最初のステップです。誰でもそれをダウンロードすることができますし、Paintと私たちの3Dコミュニティを統合していますので、既存の3Dオブジェクトをリミックスすることも簡単になりました」。
また、計画リストには携帯電話をモバイル3Dスキャナーにする機能も含まれていて、ステージ上でSaunders自身によってデモが行われた。そのときキャプチャされたのはイベント会場に設置された砂の城だ。「私たちはWindows Phone上でのローンチから始めます。まだまた沢山のことを学ぶ必要があります。経験を可能にすることは、挑戦の一種なのです。私たちは、人々がそれを簡単にするにはどうすればよいかを考えるために、多くの時間を投資してきました。それが成長し離陸していく過程で、私たちは人びとのいる場所に行きたいと思っています。皆が自分自身のデバイスの上で経験を楽しめるようにしたいのです」。
今のところそれは、PowerPointのような同社の大きなソフトウェアに付随する断片的な展開である。将来的には、しかし、Saundersとそのチームは、コンピューター利用法と情報共有の中で、3Dコンテンツがより大きくより統合された役割を果すと予測している。3Dは、写真や動画と並んで、私たちが記憶を保存し共有するための新しいカテゴリの1つになるだろう ‐ この先それらを後世のためにデジタルまたは3Dプリントのどちらで残そうかという選択肢は、消費者3Dプリントが広く普及したこれまでの成果を踏まえると、これまでになく現実味のあるもののように思える。
「思い出に新しいカテゴリが生まれるかも知れませんね」とSaunders。「人びとは、心を揺さぶられる瞬間や友人や家族の、写真やビデオを撮影するために、沢山の時間を費やしています。そして私たちはまた、モノにも同じような思い出を宿らせています、でも私たちにはそちらに関しては同じような保存ツールがまだ無いのですよね」。
[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)