YouTubeがサイトへの誘導を強化する新広告フォーマットを発表

YouTubeにユーザーが商品をブラウズでき「購入に結びつきやすくなる」ダイナミックな広告フォーマットが発表された

ビデオ下部に表示される広告に商品の映像を表示させること可能となり、ブランドへのトラフィックを増加させる効果が期待される。このフォーマットの導入はパンデミックの発生で消費者のが実店舗に出向くを控えるようになり、広告主がeコマースによるショッピングへの関心の高まりに対処する方法を探していることに対応したものだろう。

ことにYouTubeはこの関心の変化への対応に役立つプラットフォームだと考えている。なにしろ70%の人々が商品をYouTubeで見て購入を決めたという。

新しいショッピング用広告フォーマットを使うにはまず、ブランド側がGoogle Merchant Centerフィードを動画広告と同期させる必要がある。 これにより広告主はYouTube動画に重ねて表示されるCTA(Call-to-Action、行動を促すフレーズ)広告を使って掲載したいベストセラー商品を表示し、ブランドのウェブサイトの商品リストに直接アクセスするトラフィックを生成できる。

新しいフォーマットのベータテスターにはAmerican Eagleの女性水着、下着向けブランドのAerieが含まれていた。ブランドはYouTube広告によって2020年春キャンペーンにおけるブランドの認知とアパレル自体の販売の促進を図った。「新しいフォーマットによるAerieのYouTubeターゲット広告の費用対効果は前年より25%アップし、従来の広告ミックスの9倍のコンバージョンを達成した」とYouTubeは述べている。

このニュースに関連して、YouTubeはTrueViewアクションキャンペーンを強化するビデオアクションキャンペーンを開始したこととを発表した。このキャンペーンを利用するとCTA広告をYouTubeのホームフィード、動画再生ページ、Googleの動画パートナーのサイトで表示させることができる。YouTubeによれば「次に見る」のお勧めのようなフィードに今後見る広告も含まれるようになると述べている。

この広告の初期テスターには学生が大学の奨学金を探すのを助けるサービスを提供するスタートアップ、Mosが含まれていた。YouTubeによれば「この数カ月間(のテストで)新フォーマットは、従来のYouTube広告と比較して3分の1のコストで有料契約の獲得を30%以上アップさせた」という。

ブランドは、リード生成フォームをビデオ広告キャンペーンと併用することで広告の表示によりさらに多くのリードを獲得することができる。Jeepがが韓国の法人で実施した例ではリード1件あたりのコストが84%削減され、リードが13倍に増加したそうだ。

この数カ月でブランド、特にブランドのeコマースの促進に重点を置いているテクノロジープラットフォームは、もちろんYouTubeだけではない。FacebookとInstagramは5月にShopsをスタートさせている。ジネスプロフィールをオンラインストとして利用できるようにした。消費者はFacebookやInstagramのアプリを離れることなくブランドから直接商品やサービスが購入できる。Snapchatも6月に入って、対話的広告を世界のeコマース事業者向けに強化(未訳記事)している。 ブランドはSnapchatアプリのテンプレートを利用して自動的に表示される広告を簡単に作成しプロダクトのカタログに誘導することができる。

ただしYouTubeの広告は、HuluやNBCUのPeacockなどのストリーミングサービスで使われているビデオのリモコンから注文ができるショッパブルなビデオ広告(Rethink記事)により近いだろう。YouTubeの場合は視聴者は直接注文するのではなく、クリックすると広告主の販売サイトに誘導される。

新型コロナウイルスによる各種の規制が解除されて実店舗が再開された後も、リードを発見しサイトへのトラフィックを得てオンライン売り上げを増加させようとする企業ニーズは継続すると多くのプラットフォームは考えており、YouTubeも例外ではない。

ちなみにYouTubeはこれまでこうした発表はIABのNewFrontsカンファレンスで行ってきたが、今年はオンライン開催に変更されたため、YouTubeはイベントの実施を待たずにニュースを発表した。

画像:Olly Curtis/Future / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook