Appleはビジネス・ユーザー向けにiPadの生産性ツールとしての能力をアップさせた。新しい画面分割モードでは、2つのアプリを同時に表示、作動させることができる。これまでMicrosoftは自社のSurfaceタブレットがiPadより優秀であり「仕事に使える」根拠として、この種のマルチタスク機能を広告でアピールしてきた。
iPadでスプリット・スクリーン・モードが準備されていることは以前から噂となっていた。またSurfaceに加えてSamsungのGalaxy Tabシリーズもマルチウィンドウをサポートした。
今朝(米国時間6/8)、WWDCのキーノートでAppleのソフトウェア・エンジニアリング担当上級副社長、Craig FederighiはiPadの新しいスプリット・スクリーン表示をデモした。Safariブラウザを使っている最中、画面右端からスワイプするとメッセージ・アプリが開かれた。メッセージ・アプリを上からスワイプするとアプリ・スイッチャーが表示され、望みのアプリに切り替えることができる。
スプリットビュー・モードでは右側のアプリと左側のアプリは完全に独立にマルチタスクで作動する。
デモ中でFederighiはマップ・アプリへのリンクをタップした。するとAppleマップが左画面に表示された。
またESPNアプリでビデオを見ているときに、メールが届いた。その通知をタップすると、メールアプリが開き、ESPNアプリはピクチャー・イン・ピクチャーに縮小されて動画再生が続いた。
このピクチャー・イン・ピクチャー窓はスクリーン内で自由に動かすことができ、ピンチで拡大縮小ができる。
iPadのマルチタスク・モードでAppleはスプリットビューとスライドオーバーという用語を使っている。スプリットビューというのは2つのアプリが画面分割で表示され、同時に作動することをいう。スライドオーバーは現在使っているアプリを開いたまま第2のアプリをサイドからスワイプして開くことをいう。
スプリットビューはiPad Air 2のみでサポートされる。スライドオーバーはiPad Air、Air 2、Mini 2、 Mini 3でサポートされる。
この新機能にはユーザーが上からのスワイプによって新しく表示させるアプリを選択するスイッチャー機能が含まれる。
Federighiはキーノートのこれより以前の部分で、似たようなスプリット・スクリーン・モードを新しいOS X、El Capitanでもデモした。
「多くのユーザーにとってiPadはメイン・コンピュータだ」とFederighiは言う。iOS 9でiPadのソフトウェア・キーボードも大きく改良され、トラックパッド機能が追加されたことで、これまでiPadの難点だったカーソル移動が自由になった。画面分割マルチタスク機能と合わせて、iPadの生産性ツールとしての能力は大きくアップしたといえるだろう。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)