宇宙のニュースが好きな人なら、Bennu(ベンヌ)という名前を聞いたことがあるだろう。それは、今から200年後ぐらいにわれわれの惑星に衝突するかもしれないと言われている地球近傍小惑星だ。衝突の確率は低いが、他の多くの小惑星よりは高い。この小惑星が注目される理由はいろいろあり、特に最近の発見では「アクティブである」と言われる。自分の軌道上をコンスタントに進みながら埃を噴出し、まわりの空間にばらまいているのだ。
その発見に促されてNASAは、宇宙を旅する岩を周回する探査機OSIRIS-RExの距離を小さくする(小惑星により接近する)ことになった。探査機は昨年、観察のためにベンヌに到着したが、それはいくつかの既知の地球近傍小惑星の中から、調査ミッションに最適として選ばれたからだ。
OSIRIS-REx探査機は現在、ベンヌの質量中心の3000フィート(915m)上空にいるが、この距離は地球上空の平均的軍用攻撃ヘリの巡航高度よりも低い。NASAの親切な画像が、そのことを示している(訳注:図中の探査機の高度はBフェーズ更新後のそれと思われる)。
NASAは、今回の新しい(低い)軌道のことを「Orbital Bフェーズ」(B軌道段階)と呼んでいる。それはベンヌに限らず記録的な低さで、太陽系内の地球外天体への接近軌道としてはこれまででもっとも近い。8月半ばまでこの軌道にとどまり、今後数週間は小惑星表面の定期的写真撮影を行う。上で述べた、埃の噴出とばらまきを調べるためだ。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)