Dropbox、モバイル・デベロッパー向けに同期APIを公開―クラウド上のファイルにローカル・ファイルのようにアクセスが可能に

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今日(米国時間2/6)、Dropboxはまったく新しいAPIをデベロッパー向けに発表した。モバイル・アプリの開発にあたって非常に強力なツールとなることが期待される。

Dropbox Sync APIはiOSとAndroidプラットフォーム向けで、ユーザーがDropboxのアカウントに保存したファイルをデバイスのローカルに保存したファイルと同じ手続で利用できるようにする。デベロッパーはこのAPIを利用して同期、キャッシュ、オフライン・アクセス、バージョン管理などのさまざまな機能を簡単に実装できる。デベロッパーはファイルへのアクセスや管理に神経を使う必要がなくなり、アプリの機能の開発にリソースを集中できるわけだ。

私はDropboxのプロダクト・マネージャー、Sean LynchにこのAPIについて取材した。Lynchは「一言でいえば、昨年11月に発表したDropbox Chooser同様、このAPIもデベロッパーの苦労を軽減しようというDropboxの努力の一環だ。このAPIはどんなプラットフォームでもアプリがシームレスにクラウド上に保管されたファイルを処理できるようにする」という。

Lynchはこう説明する。

Dropboxの使命はユーザーがどこにいようと自分のデータに自由にアクセスできるようにすることにある。これは地理的な場所のことだけでなく、利用しているデバイスやプラットフォームによってもアクセスが制限されないようにすることが含まれている。つまり自宅やオフィスでパソコンを使っていようと、出先でiOSやAndroidのスマートフォンやタブレットを使っていようとDropbxoに保存した自分のデータが利用できなくてはならないということだ。そのためアプリがDropboxに容易にアクセスできるようにするツールをデベロッパーに提供することは非常に重要だ。

あらゆるデベロッパーがDropboxサービスをアプリから簡単に利用できるようにするためにはどんなAPIを提供すべきか、われわれは長い間検討してきた。アプリからDropboxのファイルを呼び出したり共有したりする機能をもたせたChooserはこの方向への第一歩だった。われわれは木曜日にChooserをリリースしたところ、金曜から週末の間に多くのデベロッパーがソースコードに数行のJavaScriptをコピー&ペーストし、月曜には多数のDropboxと連携したアプリが登場していた。

新しいSync APIは要するにDropboxストレージをごく簡単にアプリに統合する役目を果たす。以前のAPIではデベロッパーはアプリでファイルを利用するためにまずファイルをローカルにダウンロードする必要があった。中途で障害が起きた場合はリトライし、それでもダメなら一旦ローカルに保存してその場所を記憶しておく。またアップロードでも同様の手間がかかった。ユーザーがオフラインでファイルに変更を加えた場合、変更された箇所を探し出し、オンラインになると同時にDropboxに再アップロードしなければならない。そうした処理をデベロッパーがすべてコーディングする必要があった。

新しいSync APIはこうしたファイル管理の負担をデベロッパーから取り除く 。ネットワーク接続の中断、オフライン・キャッシング、バージョン管理と自動アップロードなどをデベロッパーに代わって処理してくれる。Squarespace Noteのデベロッパー、Chris Coxはリリース・ノート中で「Sync APIのおかげでDropboxをアプリに統合するために必要なコードの行数がおよそ半分に減った」と証言している。

Lynchは「モバイル・デバイスでDropboxのファイルを呼び出し、編集を加えた結果が整合性をもってリアルタイムで他のデバイスやプラットフォームからも利用できるようにするのが目的だが、それ以外にもデベロッパーが創造性を発揮してこのSyncAPIを利用してくれるのではないかと期待している。 われわれのAPIは部分的には AppleのiCloudの同期APIに似た機能を持っている。しかしわれわれのAPIはユーザー自身のDropboxアカウントにアクセスするので、単にiOSやMacばかりでなく、事実上あらゆるコンピューティング・プラットフォームから利用できるところが強みだ」と述べた。

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Instagram、ウェブフィードを実装。コメントの閲覧・投稿も可能で、個々の写真へのリンクも簡単

instagram-logoInstagramのフィードがウェブでもアクセスできるようになった。スマートフォンで専用アプリケーションを使わなくてもコンテンツにアクセスでき、またコメントを閲覧したり、会話に参加することができるようになったわけだ。

ウェブフィードはデスクトップ版およびモバイル版がある。つまり公式アプリケーションのないBlackBerryなどからでもInstagramを閲覧することができるようになるわけだ(写真の投稿はできない)。Instagramはしばらくモバイルのみのサービスとして運用されていたが、ついにウェブからも使えるようになった。

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上の写真をご覧いただけばわかる通り、ウェブフィードも基本的にはモバイルアプリケーションで閲覧するのと同じような感じになっている。モバイル版のウェブフィードもまた同様な感じだ。写真のダブルクリックでお気に入りに登録することができ(ハートボタンのクリックでもOK)、コメントはインラインで表示される。またウェブフィードはiPadやAndroidタブレットでの閲覧にも便利だ(サードパーティーのプロダクトもあるが、不便なところがあった)。閲覧だけを考えるならばウェブフィードで必要十分とも言える。

New Instagram web feed viewed in mobile Safari.

2012年11月にウェブプロフィールをリリースしたときから、今回の閲覧フィードの実装は計画済みだったようだ。当時から「利用者からの要望は非常に強い」と述べており、今回のリリースもその「強い要望」に応じてのものだろう。

フルフィードが実現されたことにより、特定の写真にリンクを張るのも容易になった。これまでは利用者のプロフィールページにいき、そこで写真を見つけてリンクを張るという手順だった。これからはそうした面倒から解放されることになる。フィードページの写真したに表示されているメニューから「写真ページを表示」のメニューを選べば当該写真のページが開き、そのページのリンクを利用すれば良いのだ。

今回実装されたウェブフィードはかなり便利なものだと思うが、しかし共同ファウンダーのKevin Systromは「目の前の現実を写真に撮り、リアルタイムで投稿していくことこそがInstagramの魅力であると思います」と述べている。そうした彼の信念からも、ウェブ版には写真投稿機能が実装されていないのだろう。

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(翻訳:Maeda, H)

Appleの128GB iPad、販売開始―来週リリース予定のMicrosoftのSurface Proに先制パンチ

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Appleは128GB iPadの販売を開始した〔2/6現在日本サイトではWiFiモデルのみ2-3営業日で出荷。WiFi+無線モデルは掲載されているもののまだ予約を受け付ていない〕。

これはRetinaディスプレイを装備する第4世代のiPadシリーズへの新たな機種の投入となる。9.7インチのフルサイズiPadとしてはこのストレージ容量の拡大で7.9インチの大人気の弟分との違いを際立たせる必要があったのだろう。しかしもっと重要なのは、近く発売となるMicrosoftのSurface Proとの能力差を少しでも埋めたいという狙いに違いない。

Surface ProがiPadのライバルだって? とんでもない! と考える読者も多いだろう。Surface Proはあくまでコンピュータだ。Windows 8そのものを搭載し、OfficeやPhotoshop、その他なんであれWindowsアプリが走る。CPUは十分強力なIntel Core i5だ。こちらもストレージは最大128GBが予定されている。フルサイズのUSBを含む各種入出力ポート、手書き用のスタイラスも用意される。

しかしiPadは発売の当初から現在まで既存のWindowsデバイスと直接のライバル関係だったことは一度もない。逆にSurface Proが得意だと主張している各種のエンタープライズ業務にもiPadは進出している。明らかにiPadのビジネス・ユーザーはWindowsアプリのサポートを必要としていない―必要としているのはApple流の新しい仕事のやり方だ。

しかしエンタープライズの膨大な既存システムは容易なことでは消えてなくならない。こうしたレガシー・システムに縛られているユーザーにとってはSurface Proには多くの魅力があることは間違いない。しかしイノベーションに熱心なグループはやはりiPadを選びたいと思うだろう。こうした層にはストレージ容量が倍増されたiPadは最適だ。価格も安くはないが、Surface Proクラスを上回るほどではない。しかもSurface Proに較べてバッテリー駆動時間は2倍だし、Surface Proは実際にユーザーが利用できるストレージ容量が少ないという問題を抱えている。

128GB iPadはSurface Proより約1週間早くリリースされた。このタイミングは多分に偶然だろうが、いずれにせAppleはMicrosoftの新製品をさほど恐れている様子はない。ただストレージ容量の点だけはエンタープライズ向け教育向けとしてSurface Proに対抗して拡大する必要を感じたかと思える(スペックとしては対等、現実の容量としてProを上回ることに成功している)。MicrosoftはSurface ProによってAppleのエンタープライズ市場への進出を防ぐ防波堤にしたいところだろうが、128GBモデルという先制パンチを受けて、果たして期待された役割を果たせるのか注目だ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Apple、2012年Q4における携帯電話販売トップ5のうち3つを独占(NPDレポート)

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アメリカ国内における2012年第4四半期の携帯電話の売上げについて、トップ5のうちの3つをApple製品が占めたとのことだ。データをまとめたのはNPD Groupで、iPhone 5が首位、iPhone 4Sが3位、そしてiPhone 4が4位ということになっているようだ。また、全スマートフォンの中で最も売れたメーカーの称号もAppleが手にしたとのこと。2012年Q4におけるAppleデバイスの割合は39%で、サムスンは30%だったようだ。

2012年Q3比で、iPhone 4の売上げは79%の伸びを示した。またiPhone 4Sも43%の伸びとなった。ちなみに、2012年Q4における全iPhone売上げのうち、iPhone 5の割合は43%だった。これはキャリアからの統計データとも合致する値だ。サムスンの方も伸びており、2012 Q4では昨年同時期の21%からシェアを伸ばして30%を達成している。しかしサムスンの伸びはHTC等他のAndroidデバイスのシェアを奪ったもので、Appleのシェアに変化はない様子だ。

また、Net Applicationsは、iOSのトラフィックが大いに増加しているというレポートをリリースしている。それによるとiOSのシェアは増加しており、全モバイルOS中60.56%を占めるにいたっている。Androidの方は11月の28.02%からシェアを落とし、24.51%ということになっているようだ。つまるところ、iPhone 5のリリースにより、サムスンのGalaxy S IIIが築いたリードをすべて消し去ることとなったようだ。ところでAppleの達成した2012年における最高値は66%近くということになっている。それに比べるとAppleのシェアが低下していると見ることもできる。

ホリデーシーズンを含む第4四半期にて、Appleは4780万台のiPhoneと、2290万台のiPadを売り上げた。これによりアメリカ国内におけるスマートフォンおよびモバイルデバイスのシェアおよびトラフィックシェアのNo.1を堅持することとなった。また、Strategy Analyticsの統計によれば、生産台数でもアメリカ第一位の地位を取り戻したようだ(四半期ベース)。

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(翻訳:Maeda, H)

Google Nowがデスクトップでも可利用に?: Chromeのコードに通知センターが加わる

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Google Nowはたぶん、ぼくがAndroidを好きな理由の一つだ。だから、Chromiumの最新ビルドにノーティフィケーション(通知)センターが載ったというニュースは、すばらしい。先月のChromeのコードの変更はGoogle Nowのカードが近くChromeに載ることを示唆していたから、ノーティフィケーション(通知機能)と合わせると*、いよいよGoogle Nowはモバイル以外の世界にも広がっていくようだ。〔*: 新しいGoogle Nowカードが掲出されるとユーザには通知アラートが行く。だから両者はセット。〕

通知センターに関するコードの変化を見つけたのはフランスのデベロッパFrançois Beaufortだ(The Next Webより)。Google NowのカードがChromeに載るらしいと思わせる最初の変化を見つけたのも、彼だ。実際に動かしてみるには、Chromeのためのオープンソースの開発パイロットというかテストベッドのようなChromiumを使う必要がある。そして、ブラウザの構成パラメータchrome://flagsで”Enable Rich Notifications”オプションをonにする(通知をon)。こんな面倒なことをするより、Chromeの正規バージョンを待ちたいというユーザがほとんどだろう。しかもノーティフィケーションセンターには今はまだ、わずかなものしかないからね。

これまでの通知機能はGoogle Nowにとってあまり便利じゃなかった。ノーティフィケーションセンターの導入で、Chromeの通知機能が大幅に改良される。つまりiOSのNotification Centerみたいに、通知が一箇所で集中管理されるのだ。最新情報が一箇所にまとまっているから、ほかの仕事をしながらでもほんの一瞬で更新情報をチェックできる。とりわけ、Chromebookのユーザには便利だ。

Chromiumで試行したことのすべてが、その後の安定バージョンのChromeに載るわけではないが、でもこれは、Google Nowのリーチを広げていく長期的な戦略の一環だろう。とくに、デスクトップではモバイルよりも多くのユーザ情報を集められるから、Google Nowにとっても、栄養豊富な環境だ。それに、デスクトップユーザにGoogle Nowの味を教えると、モバイルでも使いたくなるだろう。Chromeが正規にサポートして当然、とも言える機能だよね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CES、結局DISH Hopperを「ベスト・オブ・CES」に。CNETの賞パートナー契約を解除

CESは今日(米国時間1/31)プレスリリースを発行し、結局DISH Hopper(Slingテクノロジー内蔵)を「ベスト・オブ・ショウ」にすると発表した。同製品は既に受賞を決めていたRazer Edgeと共に2013年最優秀賞の座を分け合う。この決定は、CNETが親会社のCBSから、同製品を候補から外すよう指示されたことを公表したのを受けたものだ。現在CBSはHopperの機能に関してDISHと係争中。

受賞者決定の報告と共にCESは、「近々」ベスト・オブ・CESの新スポンサーを募集することを発表した。CNETとの関係が今後もCESにとって有益であるという確信が持てないためだ。

「CESは、ベスト・オブ・CESアワードに関してCNETと長年有意義な関係を続けてきた」とCEA(全米家電協会)のKaren Chupkaイベント・カンファレンス担当上級副社長は語った。「しかし、現在のスポンサー関係を続けることによって、同社の新しいレビュー方針がわれわれのブランドにマイナスイメージを与えることを懸念している。国際的CESで紹介された「ベスト・オブ・ベスト」製品を見つけ出すための新しいアイディアに期待している」

DISH Hopper with Slingは、放映後24時間以内の番組をCM無しで録画・再生できる。これがCBSのDISH訴訟の争点となっている。CEAは他のテクノロジー関連団体と共同で、Hopperに関してDISHを支持する短い声明を発表した。同社はCNETおよび親会社が下した編集上の決断から距離を置くことを明確に望んでいた。CNETの決定は、他のメディア(本誌を含む)やテクノロジー業界ウォッチャー等から激しく非難された。

リリース文のGary Shapiroによる声明で、CEAはDISH Hopperにを強く支持することを明らかにしている。

高い報道規範で知られるテレビ局の「ティファニー」が、自社が嫌う技術を好意的に紹介することを記者全員に対して禁止したことにショックを受けている。われわれはDISH Hopperビデオレコーダーが、〈ソニー・アメリカ対ユニバーサル・シティー・スタジオ〉訴訟の最高裁決定によって完全に守られていると信じている。単純な事実として、テレビを見やすくすることは法に反さない。 イノベーションと消費者を味方しているだけだ。

CNETへの影響は、すでにGreg Sandovalの退社という形で表われている。彼は辞職の理由を、CBSの編集権の独立に関する約束を信じられなくなったためであると述べた。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Apple、3月より欧州地域でのMac Pro販売を停止

Image (1) MacPro_3D_Box_34Whit49c4ea2009c5a-620x465.jpg for post 169301AppleのMac Proは、永らく業界ウォッチャーや評論家の議論の対象となっていた。そしてついにヨーロッパでの販売停止が決まった。但し、これはMac Proの売上げがどうこうというような話ではない。9to5Macによると、既存モデルがヨーロッパで導入された消費家電を対象とする新規格を満たしていないということらしい。

この新規格は3月1日から発効する。規格を満たしていないプロダクトについては、今後販売ができなくなる。但し在庫については適用が除外となっており、まだしばらくの間は流通に流れ、消費者のもとに届けられることとなる。

もちろん、Appleが新たなMac Proを開発すれば、再度ヨーロッパでも販売することができるようになる。Mac Proは昨年にも製品アップデートが行われているが、ほんの小さなものだった。同機種に関してみれば、ラインアップを充実するよりも、サプライチェーン側の都合を押し付けたような感じがするほどだ。ちなみにTim Cookは2013年後半に新しいMac Proをリリースするとしているので、ヨーロッパの人びとはしばらくMac Proが入手できなくなるという可能性があるわけだ。

既存モデルがヨーロッパで販売できなくなったことにより、Appleの製品開発サイクルに変更が加えられるのではないかという見方もある。しかし前四半期におけるMacの売上げは減少しており、このような中でごく一部の人をターゲットとしているMac Proのリリースサイクルを早めるということはないのではなかろうか。規格改訂があったとは言え、Appleにとっての優先度は低いものと思われる。

アップデートLoopの取材に対しApple社も、3月1日からヨーロッパ地域におけるMac Proの販売ができなくなることを確認している。

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(翻訳:Maeda, H)

Blackberry Z10発表―BB10 OS初の強力なハードウェアだが、BB復活にはアプリの充実が急務〔抜粋〕

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この製品はBlackBerryの新たな始まりであると同時にRIMの終わりをも意味する(Research in Motion Limitedは正式にBlackberry Limitedに社名を変更した)。同社は今日(米国時間1/30)、最新のモバイルOS、BB10を搭載したスマートフォンを発表した。私はフラグシップモデルのBlackBerryZ10を1週間に渡ってテストすることができたので、その結果を詳しく報告したい。

実際に使ってみた体験から新しいBlackBerryは長足の進歩を遂げたと確言できる。しかし同時にBlackberry復活に向けての今後の道のりも非常に長いものになりあそうだ。現行ユーザーを維持し、さらには流出したユーザーを取り戻せるかは早期にアプリ・エコシステムの確立ができるかどうかにかかっている。

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  • 4.2インチ、1280 x 768ディスプレイ(356ppi)
  • デュアルコア1.5 GHz CPU、2GB RAM
  • 16GB内蔵メモリー、MicroSDカードで32GBまえ拡張可能
  • 1800 mAhバッテリーはユーザー側で交換可能
  • 8MPリアカメラは1080p HDビデオ録画も可能。フロントカメラは2MP、ビデオは720p
  • OSはBlackBerry 10

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z10-rearZ10のハードウェアは過去のシリーズと比較してドラスティックな変貌を遂げた。過去のBlackberryとの共通点は、BlackBerry PlayBookを例外として、ほとんどないに等しい。これは良いことだと思う。ハードウェアはフレッシュな感覚で、Android各機種ともiPhoneともはっきり異なったデザインだ。

Z10のディスプレイ側には物理的ボタンがまったくない。すべての操作はBB10 OSのジェスチャーで実行される。スリープ/電源ボタンはデバイスの上側の中央に設けられている。ボリューム・コントロールは右側面にある(このボタンがカメラのシャッターも兼ねる)。ポートはmicroHDMI、micro USB、 充電プラグの3つが用意されている。また3.5mmのヘッドフォンジャックが上の左側にある。

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BlackBerry 10は完全に新しいモバイルOSだ。いくつか特徴的な部分を紹介してみよう。

ナビはすべてジェスチャー・ベース

BB10の操作はすべてタッチ・ジェスチャーによって行われる。上にスワイプでスリープから復帰、右にスワイプでBlackBerry Hubの最新情報チェック、左スワイプでホームスクリーンと実行中のアプリの表示、などという具合だ。iOSやAndroidで慣れた動作系とはまったく異なるが、直感的な操作性は非常に良い。

ジェスチャーを覚えるのに私はまったく時間がかからなかった。しばらく使った後でiOSやAndroidに戻るとある面では苦痛に感じた。

ただし理想的とまではいえない。スワイプでスリープから復帰する操作はそのつもりがないのに実行されることが多く、ハードウェアのアンロック・ボタンがないのも不安だ。また通知ハブからホームスクリーンに戻るのにいちいち上にスワイプしなければならないのも不満だ。そこから左にスワイプしてやっとアプリにたどり着くことになる。

アカウント管理

BlackBerry 10のいちばん優れているところはさまざまなサービスのアカウントの管理が集中してできることだろう。Facebook、Twitter、Foursquare、Evernoteその他のサービスへのログインや設定管理がOSレベルで一括してできる。

BlackBerryハブ

このハブ機能もBB10で新たに導入された。さまざまな通知を一箇所でまとめて表示できる。新着メール、テキストメッセージ、Twitterの@メンション、その他サードパーティー製アプリの通知がなどが表示される。もちろん便利ではあるが、Androidのプルダウン通知ページなどと較べた使い勝手は好みが分かれるだろう。

BBM

BBMにはボイスチャット、ビデオチャット機能がサポートされている。Wi-Fiでも携帯無線網でも作動し、私のテストでは快適dだった。モバイルOSに統合されたメッセージ・プラットフォームとしてはBBMは依然もっとも優れたプロダクトの一つだと思う。信頼性ではiMessageをはるかに上回る。ビデオと音声が追加されて現代化したのは大歓迎だ。

The Bottom Line

Z10のリリースでBlackBerryはとうとう最新のAndroidやiPhoneと競争できるレベルのモバイル・プラットフォームとなった。長い間消滅の危機が言われてきた会社としては大きな達成だといわねばならない。しかしいったんAndroidやiPhoneに流出してしまったユーザーを呼び戻すのは大変なことだ。

BlackBerry 10とZ10が復活を遂げるためにはある種のシンデレラ物語が必要だ。Z10は非常によくできたデバイスであり、部分的には他をしのぐ機能も備えている。しかしBlackBerryを捨ててAndoroidやiPhoneに移ってしまったユーザーを呼び戻せるほどの画期的なメリットがあるかと言われれば答えに苦しむ。セキュリティに敏感な大企業のIT部門はBlackberryに依然魅力を感じているだろうし、新製品はBlackBerryからの流出を押さえる効果はあるだろう。しかしBlackBerryが必要としているのはユーザーの減少の防止ではなく、増加だ。それを達成するためのハードルは依然として高い。.

Z10のリリースを機にRIMはBlackberryに社名を改めた。しかしこの沈みかかった船を救うにはアプリのエコシステムの確立がなんとしても必要だ。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

500pxがApp Storeに帰ってきた。アダルトコンテンツの警告と通報ボタンを追加

今日(米国時間1/29)カナダ、トロントの500pxは、同社の人気iPhone用写真共有アプリをiTunes App Storeに取り戻した。以前同アプリは、ユーザーからポルノ写真に関する苦情が相次ぎ、Appleに削除された。復活したアプリには、年齢制限の警告として、アプリ内のコンテンツは17歳以上を対象にしていることを明示すると共に、「写真を報告」ボタンが追加され、不適切な写真をユーザーが容易に通報して削除対象にできるようになった。

アプリには、今もログイン中ユーザーに対しては「ヌード」写真のカテゴリーが存在し、これはAppleとして驚くべき譲歩だと言える。おそらく同社は、 Vineの不幸な「編集部のオススメ」事件一般的ポルノ問題を受けて、自社のポルノ禁止ポリシーを再考すべきだと気付いたのではないだろうか。

年齢制限は、不快な写真に過剰反応するユーザーを怖気づかせることがあるので、デベロッパーは好まないと聞いているが、ともあれ500pxは帰ってきた。500pxの共同ファウンダー、Oleg Gutsolに同アプリの復活について尋ねたところ、彼はメールで、「要求に対応するため、先週Appleと緊密に検討した」と答えた。

Gutsolによると、同社が独自のコンテンツ内部監視を実施した結果、ポルノ画像は見つからなかったので、サイトからコンテンツを削除する必要はなかった。今でも同社は、Appleが受け取った実際の画像や苦情を見て、不快な画像を突き止めようとしている。上に挙げた以外にもアプリにはいくつか修正がなされ、アダルトコンテンツはすべて明確に区別され、誤って見る可能性を低くした他、検索ワードフィルターにも変更が加えられた。

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(翻訳:Nob Takahashi)

2012年の「ゴリラ・ガラス」売上額は10億ドル超。Corningの四半期売上げは新記録を達成

corning-gorilla-glassCorningが四半期業績のアナウンスを行った。四半期毎の純利益こそ落ちたものの、年率14%の売り上げ増はウォール・ストリートの予測を上回るものとなった。2012年第4四半期の売り上げは、21億4000万だった。iPhoneやiPadにも利用され、他にも多くのスマートフォンやタブレットで利用されている非常に頑丈な「ゴリラ・ガラス」の年間売り上げは、10億ドルを超えることとなった。

「ゴリラ・ガラス」の好調に支えられ特殊素材事業の売り上げが年間で68%増となり、四半期毎の成績でも前期比10%の伸びとなった。Corningによれば全世界10億台以上のコンシューマーないしITデバイスにて「ゴリラ・ガラス」を採用されているのだそうだ。Corningは「ゴリラ・ガラス3」を発表するなど、さらに特殊素材事業の拡大を目指している。ちなみに「ゴリラ・ガラス3」はCES2013で行ったストレステストが大いに評判を呼んだ。他社ガラスと比べた場合はもちろん、以前の「ゴリラ・ガラス」と比べても、強さを大いに増している。

尚Corningは、ケーブルを長くしてもデータ転送時のスループットに影響を及ぼさないThunderboltないしUSB 3.0ケーブルなどの開発も行なっている。ケーブルは外部電源不要のタイプながら、上り下りの同時利用で10Gbpsの伝送速度となっている。またUSB3.0では5Gbpsとなっている。Wi-Fiを使いまわすことによる速度低下などを避けたいオフィスないし家庭用途で、今後の成長分野として期待されている。

Corningは今後、サムスンのフレキシブル・ディスプレイなどと競合していくことになる。しかしモバイルコンピューティングはますますの成長分野と期待されており、この分野のデバイスが数多く販売される中、当面は好調を維持するものと考えられている。

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(翻訳:Maeda, H)

Apple、第4世代レティナiPadの128GB版をリリース。Wi-Fiモデルが66800円、Wi-Fi + Cellularが77,800円で2月5日より販売開始

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は本当だった。第4世代iPad(レティナディスプレイ)に128GBモデルが追加されることになったのだ。Wi-FiモデルとWi-Fi + セルラーのモデルが用意される。2月5日よりAppleストア、オンラインストア、ないしリセラーから販売が開始になるのだそうだ。

オフィシャルのプレスリリースによると、販売にいたったのは、企業ユーザー、クリエイティブ関連、病院関係などでの利用者に大容量記憶域を提供する必要があると考えたからだとのこと(訳注:日本版のプレスリリースはこちら)。

AppleのWorldwide Marketing部門SVPであるPhil Schillerは次のように述べている。

「1億2,000万台以上を数えるiPadの累計販売台数から、世界中のお客様がiPadを楽しみ、毎日の仕事、学習、遊びに、これまで使ってきたPCよりもむしろ、iPadを活用すべき多くの理由に気づいているのは明らかです。さらに、2倍のストレージ容量と30万本以上ものiPad専用アプリケーションから選べるという圧倒的なセレクションにより、企業ユーザや、教育関係者、アーティストの方々がビジネスそしてプライベートのあらゆる場面でiPadを使うべきさらに数多くの理由を見出されることでしょう」

AutoCadのVP、プロフェッショナル向けオーディオカンパニーであるWaveMachine LabsのCEO、プロスポーツ分析を行うGlobal Apptitudeなどからの推薦の言葉も掲載している。価格も高価なものとなった中、一般消費者がこのモデルを選ぶことは、さほどないことかもしれない。そうした中、専門分野の顧客を獲得して行きたいという意図の表れで、なかなか良い作戦のように思える。iOSデバイスのストレージ容量をあげることで利幅も大きくなるのであれば、本モデルはなかなかの利益をもたらしてくれることになるかもしれない。

販売サイクルの間で、こうした容量追加モデルを打ち出してくるのは、Appleにとってあまり一般的なことではない。とくにiOSデバイスについてはそうだ。これまではハードウェア的な追加を行う場合には、ほぼ年に1度のアップデートスケジュールに則ってアナウンスを行なっていた。9to5Macが128GB版の情報をリークした際、考えられる理由がいくつもあると述べた。中でも、10月にリリースしたシリーズに再度注目を集めることができる点、また今後6ヵ月は大きなアップデートが予定されていない点から、今回のリリースはAppleにとって良い影響を及ぼすものと考えられるだろう。さらにiPadとiPad miniの違いをアピールする意味もあり、さらにはウルトラブックなどのPCに対抗していく意味もある。ウルトラブックなどのPCもストレージの容量は同じ程度のものだ。そしてあちらは一層高価な値付けとなっている。とくに、今回のリリースで名指しした産業分野ではAppleの人気が高いだけに、優位に戦っていくことができそうだ。

9to5Macの先行ニュースもあったことで、今回のニュースは「驚愕の新事実」というほどのインパクトはないのかもしれない。。9to5macはAppleの生産ライン関連からの情報を入手しやすい立場にあり、ニュースの信憑性も高いからだ。そうはいってもリーク情報が流れ、それがかくも早くAppleにより確認されるというのは、なかなか珍しいことではあった。

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(翻訳:Maeda, H)

Apple、既存の第4世代iPadに128GBストレージモデルを投入か?

hero_slide1新たなApple製品の噂は、ここしばらく途絶えていた。しかしなかなか信頼性の高い9to5macから、新しいiPadモデルの話が聞こえてきた。新しい機種というのではなく、レティナ搭載の第四世代iPadの新ラインアップ(SKU)であるようだ。9to5Macによるとブラックモデルとホワイトモデルがあり、Wi-FiモデルおよびCellularモデルがあるそうだ。従来モデルのリプレイスではなく、追加ラインアップとして用意されるものだとのこと。

従来のモデルとの差別化がどうなっているのかについて、情報源は明らかにしていないとのこと。しかし128GBモデルであるらしいとの情報が出回っているようだ。これは、開発者に渡っているiOS 6.1のベータ版およびiTunes 11に該当デバイスが存在することによる。尚、本機種が教育機関ないし政府関係のみに提供されるものであるという可能性もあるようだ。教育機関向けにまとめ売り価格の設定もあるそうなのだ。

ちなみに、大容量かモデルについてはAppleにとっても確かにメリットのあるものであると噂されてきた。すなわち128GBモデルの投入により、iPad mini以外のiPadにも人びとの注目を集めることができる。それぞれのモデルに対する需要を掘り起こしていくために、大容量モデルを準備するというのは確かに意味のあることだと言える。また、iPadの新機種は昨年10月に登場したものだ。すなわち過去のiPadリリース間隔を見れば、新モデルが早々に登場するということはなさそうなことだ。そのような時期に128GBモデルを投入すれば、秋に予定されているという話の新モデルまでの間、消費者の注意を惹きつけておくことができるかもしれない。また、128GBモデルの投入は、価格面でも意味のあることだ。新たなモデルを最上位機種と位置づけて、現行のモデルよりも高値で販売することができるようになるわけだ。

9to5MacはAppleの小売チェーンと密な繋がりを保っている。そうしたところから判断するに、今回の噂は現実性の高いものと考えることができる。しかし大容量モデルを追加するということに、どれほどの意味があるかということはまだよくわからない。新モデルのリリースによって、売れ行きが活性化するのかどうか、注目してみたいところだ。

Update:価格についても新情報が9to5Macで流れている。Wi-Fiオンリーモデルが799ドル、Wi-Fi + Cellularモデルが929ドルだとのこと。従来モデルと整合性のある価格設定であると言えよう。

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(翻訳:Maeda, H)

店頭などでの実演販売/客寄せエンタに使える3DプリンタDeltaMakerがKickstarterで人気


Kickstarterに3Dプリンタのプロジェクトが登場するのは、ある種のパターンになったようだが、しかし今週資金募集を開始したDeltaMakerは、これまでのものとやや違う。最安の記録更新ではないし、既知のブランドからのものでもない。DeltaMakerは、まあまあ誰でも買えそうなお値段で、ユニークなミッションに挑戦しているのだ。それは、利用者の多い公共施設や繁盛店の店頭など、公開的なスペースにおいて派手に目立つこと。町工場などの片隅に、隠れてしまう製品ではないこと。

DeltaMakerのファウンダが着目したのは、デジタルプリントの進行状態そのものが、そこで作られるプロダクトと同じぐらいおもしろいし、人に見せる価値がある、という点だ。フロリダ州オーランドの同社は、ファウンダのZach Monningerが機械工学の技術者でしかもMBA、Craig Rettewは電気工学系の技術者、Robin Lopezが航空宇宙工学の技術者、Bob Houstonがソフトウェアエンジニア、という変わった顔ぶれだ。また、この顔ぶれだからこそ、3Dプリンタで作る物よりも、3Dプリンタそのもののデザインや機構に凝ることに関心が向いた、とも言える。

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DeltaMakerという名前は、その3Dプリンタがデルタロボットであることに由来している。今すでに、いろんなところで使われている三本アームのロボットだ。その特技は、XYZ三次元の位置決めの精度が高いこと。だから3Dプリンタの押出機(エクストルーダー)のヘッドにも向いている。しかもそれは、機能的に優れているだけでなく、見せ物としてもおもしろい。リビングルームのデコレーション、学校の教室、いろんなお店/病院/施設等の待合室、画廊や美術館の一角、などなどに、DeltaMakerは生気を添えるだろう。教育目的に使えるだけでなく、エンタテイメントでもある。ファウンダたちは、歯科医に置くと子どもたちの気持を楽にするだろう、ディナーパーティーの会場に置けば恰好の会話の素材になるだろう、などといろいろ考えをめぐらしている。

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そのため、DeltaMakerはデザインがシンプルでベーシックだ。背の高いアルミニウムの構造物で、直径はわずか9インチ、構築室の視野角は360度だ。このデザインは、最終製品においても変わらないだろう。今現在すでに4度目の改訂で、設計工程の現段階は細部の最終仕上げ段階だという。

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お値段は、初期投資者には499ドル(とっくに定数完了)、今なら1099ドルだが、これも一定数のみ。うーんと遅れてKickstarterに来た出資支援者には1599ドル。しかしこれでも、3Dプリンタのお値段として高すぎるとは言えない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、マウンテンビュー本社地域で新しい高速無線ネットワークの実験を申請

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Googleの実験は往々にして世界を変えるような影響を及ぼす。今回の最新の実験もそうかもしれない。

Wall Street Journalが伝えるところによると、Googleはマウンテンビューの本社キャンパスに新しい無線ネットワークを構築する実験の許可を申請中だという。実験の規模は小さいが、利用される周波数はこれまでiOSやほとんどのAndroidデバイスで使われていなかった帯域だという(2524MHzから2625MHz) 。接続は非常に高速で、密集した大都市圏ではきわめて有効なシステムらしい。

実は中国、ブラジル、 日本ではすでにこの周波数帯域を利用した高速無線ネットワークの構築が進んでいる。つまり主要なモバイル・デバイスはいずれこの帯域をサポートすることになるはずだ。Googleが今回小規模な実験を開始するということは、この帯域で作動するカスタム・ハードウェアも製作するのだろう。Googleはこのネットワークの実験の目的などについて詳しい情報をWSJに明かすことを避けたが、FCC〔連邦通信委員会〕に提出された申請書によれば、この実験ネットワークがカバーする地域にはGoogle Fiber担当チームのビルが含まれているという。

Googleが狙っているのはGoogle Fiberのユーザーに対して屋外でも高速接続が利用できるようにすることだろうと思われる。最終的にはGoogle Fiberがカバーする大都市圏全体に無線接続を提供するのだろうという。これはモバイル専門家のWalter PiecykがWSJの取材に対して語ったものだが、十分説得力がある推測だ。

Googleが独自の無線ネットワークを構築したがっていることはかなり前から話題になっていた。最近もGoogleと衛星放送のDishが共同で無線ネットワークを提供するという噂が流れたことがある。またGoogleは東海岸本部ビルが所在するニューヨークのチェルシー地区に無料のWi-Fiアクセスポイントの設置を計画している。今回マウンテンビューの本社地区に単なるWi-Fiではなく別個に免許を取得して本格的無線ネットワークを構築しようというのはGoogleの努力が新たなレベルにステップアップしたことを示すものだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

AppleのTim Cook:Macとの共食いはiPadにとって「膨大なチャンス」

AppleのCEO Tim Cookは、今日の決算報告会見でMacとiPadの共食い問題の可能性について質問に答えた。当四半期のMac売上が大幅に落ち込んだことから、実にタイムリーな質問だった。彼は、供給不足が売上減を招いていることを強調したが、一般論として共食いについても言及し、そこにはiPadにとって、いくつかの重要な意味でチャンスがあることを指摘した。

CookはAppleが「決して共食いを恐れない」こと、なぜなら自社製品を共食いする方がよその誰かにやられるより常に望ましいからだと再度強調した。しかし次に彼は、もっと広くパソコン市場全般の観点から語った。「iPadに関して言えば、ここにはあらゆるチャンスの源がある。なぜなら、Windows市場はMac市場よりはるかに大きいからだ」とCookは言った。「過去に私は、タブレット市場はある時点でパソコン市場より大きくなると信じていると言ったが、今もそれを信じている」

もう一点彼が念を押したのは、iPhoneが持つと言わてきたいわゆる「ハロー効果」で、これはApple製品を初めて購入した利用者は、他のApple製品を買う傾向があるというものだ。iPadにも、この現象を引き起こす潜在力が十分にある。

「もし誰かが初めてのApple製品としてiPad miniかiPadを買えば、われわれは数年にわたってすばらしい体験を得ることになる。彼らが別のiPad製品を買う確率は極めて高いことを知っているからだ。それが起こることに関してわれれは強い自信を持っている。そしてわれわれはiPadでもそれが起きるという証拠をいくつか見てきたので、共食いは膨大なチャンスだと考えている」

共食いは、Appleが常に受け入れてきたことだ。ただしそれは、取って代わる製品の方が追いやられる製品よりも、はるかに大きい売上を得るのが常だからだ。たとえMacが下り坂だとしても、iPadが輝き続ける限り、Appleと上層部にとってそれが限定的な問題であろういうのは真実だ。


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(翻訳:Nob Takahashi)

Verizonの2012年Q4報告:スマートフォン販売台数中63%の620万台がiPhone。うち半数がiPhone 5

iPhone-5Verizonの直近四半期の収益報告を行った。それによると、Verizonが取り扱っているスマートフォンの中では、iPhoneがトップセラーであったのだそうだ。Appleのスマートフォン売上げが、Verizonの全スマートフォン売上げ中で63%を占めている。全機種の売上台数は980万で、Appleが620万だったとのこと。Verizon CFOのFran Shammoによれば、この620万のうち、半数が4G対応のもの(すなわちiPhone 5)であったそうだ。

前四半期と比較してみると、iPhoneの売上げはかなり伸びている。これは直近四半期がホリデーシーズンを含むものであったことを考えれば当然のことと言えよう。2012年の第3四半期では、Verizonは全機種販売680万台中、310万台のiPhoneを売り上げている。Appleの占める割合は45%だったことになる。すなわち割合的にも最近の四半期の方が大きくなっており、この伸びを主に支えたのはiPhone 5であるようだ。と、いうのもQ3段階では31%に過ぎなかったiPhone 5が、Q4では50%程度に伸びているのだ。もちろんこれには、登場時期がQ3途中であったことも影響している。

ちなみに、昨年同時期のiPhone 4Sと比較してみるためのデータはない。2011年Q4には420万台のデバイスを売上げ、やはりAppleがかなりの割合を占めていた。しかし当時はiPhone 4Sと、それ以前のモデルを別にカウントしていなかった。したがって売上台数のうち、どれだけが旧機種であったのかがわからないのだ(iPhone 5については、「4G対応」ということで、他の機種と区別して考えることができる)。

いずれにせよアメリカ国内におけるiPhone需要にはまだまだ大きなものがあると言うことができると思う。Verizonの統計を見れば、むしろ拡大しているということすら言えそうだ。iPhone 5用の部品発注を削減しているということが言われている中、なかなか興味深いデータとなっている。

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(翻訳:Maeda, H)

Firefox OSを搭載したスマートフォン、まずはKeonおよびPeakの開発者向けプレビューマシンとしてデビュー

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オープンウェブ標準に完全準拠したブラウザを制作しているMozillaが、ついにモバイル向けオペレーティング・システムであるFirefox OSを搭載した開発者向けプレビューマシンを世に出すこととなった。製作を行ったのはオープンプラットフォームデバイスの開発を行うGeeksphoneで、通信キャリアのTelefonicaとの協力で生み出した。今回登場したのはPeakとKeonという2モデルだ。2モデルを発表する目的は、開発者に異なる性能タイプの動作を示すためだ。一方はハイエンドで、もう一方が普及モデルということになる。

Keonの方には1GHzのQualcomm Snapdragon S1プロセッサが搭載されている。RAMは512MBで、3G HSPA対応。ディスプレイは3.5インチで、背面カメラが3Mピクセル、ストレージは4GBとなっている。MicroSDスロットも搭載しており、バッテリーは1580mAhになっている。かなりのロースペックだが、これは低スペックマシンの動作を開発者に見てもらおうとするためのものだ。また、このスペックであれば、価格的には途上国にも投入できそうだ。

Peakの方は1.2GHzでデュアルコアのQualcomm Snapdragon S4を搭載している。こちらも3G HSPA対応で、画面は4.3インチ。背面カメラは8Mピクセルでフロントにも2Mピクセルのものを搭載している。但しRAMは512MBで、ストレージも4GBしか搭載していない。もちろんストレージについてはMicroSDスロットで拡張することができる。バッテリーはハイスペック化に応じて1800mAhのものを採用している。

いまのところ、2月の発表以降のスケジュールについては詳細を明らかにしていない。また販売方式などについてもまだだ。ただ、ただ今週末にかけてFirefox OS App Daysが世界各地で開催される。ここでFirefox OSについての情報を入手して、アプリケーション開発を試してみることができるようになっている。ちなみに、この記事で紹介した2つのデバイスを使ってのハッキングが行えるのかどうかは不明だ。

Firefoxフォンはかなり魅力的なデバイスに見える。スペック面に弱さを抱えてはいるものの、テック系の人びとの間では人気の端末となることは間違いなさそうだ。できることならひとつずつ手に入れたいと思っている。

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(翻訳:Maeda, H)