政府の言う「あなたのデータは安全」は真実か?

Teten Govt security cartoon

【暗号オタクの妄想】
やつのノートPCは暗号化されている。100万ドルのクラスタコンピューターを作って解読しよう。
ダメだ4096ビットRSAだ
!クソッ、計画が台無しだ。

【実際に起きること】
やつのノートPCは暗号化されている。引っつかまえて、パスワードを教えるまでこの5ドルのレンチで殴ろう。了解。

編集部注:David Tetenは、ff Venture Capitalのパートナーで、Harvard Business School Alumni Angels of Greater New Yorkのファウンダー・会長。Twitterアカウントは@dteten

近代の暗号化システムは、理論的に、極めて安全性が高い。例えばAdvanced Encryption Standard(AES)は、あまりに高度なため現在知られているあらゆる攻撃方法は計算上実現不可能である。NSA(国家安全保障局)が最高機密データを256ビットAESで安全に保管できると考えるのも不思議ではない。

しかし、少々意外なことに、こうした暗号化システムの恩恵に預かるのは政府機関だけではない。たぶんあなたも。AESはAppleをはじめ多くの商業製品に採用されており、どうやら警察当局はこの動きを芳しく思っていないようだ。最近ワシントンDCで行われたDFRWSコンピューター科学捜査カンファレンスで、Ovie Carroll(司法省コンピューター犯罪・知的財産権部門サイバー犯罪研究所長)は次のように嘆いていた。「実は司法省の立場から言わせてもらうと、ドライブが暗号化されていると・・・犯罪操査はお手上げだ。ディスク全体が暗号化されたドライブの電源を抜かれればそこからデータを復旧するチャンスはない。

これで自分のデータは安全確実だと結論を下したくなるところだが、日々の新しい攻撃方法がそうでないことを証明している。要するに、こうした強力な暗号化システムにも関わらず、あらゆる攻撃が最終的に必要としているのは、IDとパスワードだけ、ソーシャルエンジニアリングやユーザーの不注意によって、プライベートな個人から入手可能な情報だ。数人のティーンエージャーが、誰かのAppleとGoogleとTwitterとAmazonのアカウントをものの数時間のうちにインターネット接続とスマートフォンだけで盗むことができるのに、あらゆる権力と資源を欲しいままにできる司法省が、それほどお手上げだということはとても信じられない。

地味ながら間違いなく手ごわいそのハッキングツールを使って、司法省は再三、被告にパスワードと暗号化されたファイルの開示を説得することにある程度成功していると言っている。しかも、ハッキング技術の高度化によって、ソフトウェアの脆弱性だけでなく、今やハードウェアさえも悪意ある侵入の危機に曝されている。データは保護されているものと犯罪者たちが思い込んでいるなら、万事うまくいくかもしれないが、われわれはそこまで無邪気ではいられない。まず自分のデータの脆弱性を認識しないことには、データを守るための適切な手順を踏み、それをアクセスしようとする政府機関の権限に疑問を投げかけることはできない(彼らは国民が、自分たちのデータに政府は手が届かないと信じ込んで欲しいと考えている)。

ある友人が私にこう言った。「オンラインビデオゲーム業界にいた頃を思いだす。当時お山の大将だったSony Online Entertainment(中でも社長のJohn Smedley)は、同社のMMO、EverQuestの発表数週間前にインタビューやイベントを行い、まるで計算したかのように、それが最悪のビジネスであり技術的にほぼ不可能なことだったと世界に発信していた。

「その意味はこうだ。あれはひどいビジネスではなかった。儲ったし、技術的に不可能でも何でもなかった。実際は、〈ずっと〉簡単に安くなるばかりだ。Smedleyはあらゆる手段を尽して他人が市場に参入するのを阻止しようとした」

司法省はドライブを暗号化すれば安全だと主張している。彼らは、暗号化されたドライブを電源が切られた後にアクセスすることは不可能だと言っている。これは全く真実ではない(本物の犯罪者を捕えるためにこの戦術を使うことには何ら反対しないが)。

理由は単純だ。政府は暗号を破ったり解読する必要がない。彼らは政府である。彼らは様々な方法を使ってアクセスコードを提出するよう説得するか、ソーシャルエンジニアリングで聞きだすことができるのだから。

このことは、一部の人々が地元政府機関の監視から逃がれるために、業務全体を海外に移すきっかけになった。しかし、 Distil.it(サーバーのグローバルネットワークを運営するベンチャーキャピタル会社)のCTO、Engin Akyolはこう考える。「このアプローチの問題は、米国の世界的影響力が大きいため、犯罪企業を受け入れて米国当局やインターポールから保護することによる政治的リスクを負うような先進国は事実上存在しないことだ」

データを暗号化することは、自爆式金庫を持つのと似ている。最も重要な文書は政府や他の人々の手に渡る前に破壊されるかもしれないが、他の生身の人間との関係を消去したり破壊することの方が難しい。20世紀後半にFBIがマフィアを捕えたのは、有罪の証拠資料が入った金庫をこじ開けたからではない。長時間の捜査や監視と法整備によるものだ。

同じ戦術はサイバースペースでも同じく有効であることが証明されつつある。

情報を提供してくれたRami Essaid(Distil.it、CEOと、調査に協力してくれたMatt Joyce (ダートマス大学コンピューター科学科学生)に感謝する

[コミック出典:xkcd

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(翻訳:Nob Takahashi)

アフガニスタンの英軍地上部隊が10cm x 2.5cmの無人ヘリを実戦投入

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英軍地上部隊は長さ10cm、幅2.5cmのミニ監視ドローンをアフガニスタンで実戦テスト中だ。「武装勢力の発砲地点を探索したり、開けた場所を横断する際に事前に危険の有無をチェックしたりするのに実に効果的なツールだ」と Christopher Petherbridge 軍曹が語っている

このBlack Hornet Nanoは見たところまったくもってオモチャのヘリだが、最高時速35kmで30分飛行することができる。遠隔操作の最大距離は800mほどだ。イギリスに本拠を置くMarlborough Communicationsは英国防省から2000万ポンド(3100万ドル)の契約を得てこの無人ヘリを160機供給した。

ヘリ自体を開発したのはノルウェーのProx Dynamicsで、事前のプログラムによりGPS情報を利用して自律飛行可能だ。

そのうちBlack Hornet Nanoが市販されたらクリスマスのプレゼントとして大人気になると思うがどうだろう?

〔こちらの記事には鮮明な写真あり。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Raspberry Piの25ドル版(モデルA)が、欧州でついに販売開始。その他地域での販売も「間もなく」

raspberry-pi-logo安くて手軽なRaspberry Piが、さらにお手軽になった。話題に登っていた25ドルのRaspberry PiモデルAが、ヨーロッパにてようやく販売開始となったのだ。より多くの子供たちにプログラミングに親しんでもらおうというミッションでRaspberry Piを開発したRaspberry Pi Foundationによると、このモデルAはまずヨーロッパでの発売を開始するとのこと。他の地域でも可及的速やかに販売を開始するそうだ。ディストリビューターであるRS ComponentsとPremier Farnell/element14は双方ともに新しいモデルの販売を行っていく。

モデルAは、今日までに100万台以上を売り上げた35ドルのモデルBよりも10ドル安い価格設定となっている(ちなみに15,000台はGoogleが買い上げ、イギリスの学童たちに寄贈された。低価格版となるモデルAでは、Ethernetポートが省かれ、USBポートはひとつとなり、そしてメモリも256MBとなっている(モデルBは512MB)。パーツを省いたことにより、モデルAの消費電力はモデルBの3分の2程度になっているようだ。バッテリー駆動や太陽電池による動作も視野に入ってくるだろう。ちなみにモデルB同様にXBMCを動作させることは可能で、この25ドルマシンをメディアセンターとして利用することもできる。

ヨーロッパ以外(アメリカを含む)の人も、RS ComponentsにてモデルAを購入することはできる。但し、コンプライアンス書類の手続きが必要で、発送に少々時間がかかってしまうとのこと。またFarnellの方は、現在進行中の書類手続きが完了すれば、ローカルサイトにモデルAがラインアップされることになっているとのことだ。

「ついに25ドルという低価格モデルを提供できるようになりました。Raspberry Piを開発した際の最初の価格目標が25ドルでした。利用者の皆さんが、いったいどのように使っていくのか、今から楽しみでなりません」とFoundationは言っている。

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(翻訳:Maeda, H)

結局Chromebookは、それほどばかげたアイディアではなかった

2010年の始めにGoogleがLinuxベースのChrome OSを公開し、Chromebookのパイロットプログラム同じ年に開始した時、評論家の殆どが、Googleは「Microsoftに核爆弾を落とした」という本誌MG Sieglerの主張に同意しなかった。数年が過ぎた今、たしかにMicrosoftはChrome OSをあまり恐れているように見えない。しかし、出足は遅かったものの、Chrome OSの機運は徐々に高まっているようだ。

かねてからGoogleはChromebookの販売に関しては沈黙を守っており、主として大企業と教育市場に集中してきた。それは今現在Chrome OSエコシステムの明確なターゲット市場でもある。しかしAcerは、199ドルC7 Chromebookが同社の米国向け出荷台数の5~10%であると言っていることから、一部のChromebookが一般ユーザーにも渡っていることは明らかだ。

Acerはこの199ドルのWiFi専用機で高価値を売りにしている。Samsungも249ドルChromebookおよびフル装備の449ドル機を提供している。両社ともChromebookプログラムの早い時期からGoogleと提携している。しかし、ここへ来てLenovoも429ドルのThinkPad X131e Chromebookで参戦することになり今月中に発売される予定だ。Lenovoがこの市場に参入するからには、同社もChromebookの勢い感じているのは間違いない。

Features of Chromebooksローエンドでは、この価格がノートPCの代用としてChromebookの魅力を高めているの間違いない。400ドル前後から始まる通常のWindowsノートPCと比べても安っぽさを感じさせない。昨年Googleが、より伝統的なウィンドウ管理システムに切り換えて以来、Chrome OSの使用体験は、以前のChrome独自のルックスに嫌気がさしていた人たちにとっても、ずっと親しみやすくなったはずだ。

それでも、現在2000以上の学校でChromebookが使われており、このデバイスの真の市場は教育分野にありそうだ。昨年来、iPadよりChromebookを使いたいという話を何人かの教育関係者から聞いている(生徒たちの考えはおそらく逆だろうが)。明らかに低価格で、サービス契約と管理者用コンソールが付いていることだけでなく、フルキーボードと大画面は、多くの教員や学校管理者にとってこのデバイスを魅力的にしている。定期的に自動アップデートされ、ウィルスに対してかなり安全であることも、従来型ノートPCと比較した時のセールスポイントになる。もちろんGoogleにとっては、これらの子供たちの多くが、将来GmailやGoogle DriveのGoogleエコシステムで育っていくことを意味している。彼らが大学に行ったり勤めたりした時にも役に立つことはもちろんだ。

bagofappsGoogleがChrome OSを発表した時は、少々時期尚早だったのかもしれない。発表イベントでGoogleは、「ウェブのためのパソコン体験を考え直したい」と言った。しかし、WiFiや3G/4G通信は当時も今もまだ普遍的であるとは言えないため、Googleはオフライン機能やファイル管理機能をChrome OSに加えると同時に、Chromebookにも大容量ハードディスクを装備した。ウェブアプリは2010年当時まださほと強力ではなかったが、今はHTML5のおかげで伝統的デスクトップはそれほど必要ではなくなった。

Gooleはこれを長期的視野で見ているに違いない。近いうちにノートPC分野でWindowsやOS Xの市場シェアを脅かすことはなかろうが、この2年間でChrome OSが興味深いプラットフォームへと育ってきたことは確かだ。結局、自社ブラウザーをLinuxと軽装備ノートPCと組み合わせるというGoogleのアイディアは、それほどばかげていなかったということだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Google Mapsの次の課題は個人化–“もっとおもしろい地図にしたい”

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Google MapsCrunchies 2012でベストモバイルアプリ賞を取ったばかりだが、授賞式の会場で、Google Mapsのモバイル担当ディレクターDaniel Grafを本誌のColleen Taylorがつかまえてインタビューした。Grafは、スクラッチからの〔==完全に新規の〕開発は彼とチームにとって他に例のないユニークな機会だった、と語った。そして彼は、Google Mapsの次のフロンティアは個人化(パーソナライゼーション)だ、と述べた。

Grafによると、Google Mapsに関しては2013年にやるべきことが山のようにある。“人が地図を使ってやれることは、もっとたくさんある。一度地図を見て、次にまた地図を見るとき、その二回は、同じ場所を同じ目的で見るかい? 見る場所が違えば、地図を見る目的も違うのではないかな”。

Googleはすでに、検索結果をかなり個人化している。だから地図の個人化は次のステップとして妥当だ。Google+でやってるような、レストランなどのお店を高輝度で表示するだけが、個人化ではないはずだ。

Grafは今年の仕事を詳しくは明かさなかったが、とくに前半が忙しいと言った。彼によれば今Googleは、ベーシックなユースケースがどれもダウンしているから、地図に関しても“もっとおもしろいこと”をしなければならない時期だ、という。

下のビデオが、そのインタビューだ:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

残虐な皮肉: Egyptの大統領がTwitterをデモ弾圧に利用

[ツイート訳: なんとエジプトの大統領は、Twitterを使って声明を出している。保安部隊は国家資産を守るために断固たる行動を取る、とさ。]

皮肉な運命の巡り合わせ。エジプトの大統領Mohamed Morsiは、2011年にこの国を解放するために使われた、まさにそのメディア、Twitterを使って、今抗議活動を行っている数千の学生たちに軍の使用を予告し、彼らを威嚇している。“保安部隊は法の執行と国体の保護のため最大の決意をもって行動する”、と大統領の公式アカウントは、一連の1984的なアップデートをツイートした。“大統領府はこれらの破壊的行為が革命の原則とは無関係であり、平和的な表現中のたまたまの不法行為でもないことを確認する”(アラビア語からのGoogle Translateによる翻訳)。

破壊的な衝突が全国的に勃発しており、抗議のデモに参加した人たちは、選挙で選ばれた新大統領が民主主義の原則をより正しく遵守することを求めている。エジプトは独裁政権から民主主義へと移行したが、Morsiはその民主主義の忠実な守護者であることをやめ、司法は大統領の決定を覆すことができないと宣言して、国民に不安感を与える権力保持者となり、今や抗議者たちを強権をもって弾圧している。

アラブの春のシンボルだったエジプトの政変は、“Twitter革命”の一環として歓迎された。政府がインターネットへのアクセスをブロックしたため、この国におけるソーシャルメディアの力を危ぶむ声もあったが、TwitterやFacebook、YouTubeなどが世界中からの声援を運び、エジプトの人びとへの連帯を表明した。

しかし、この不安定な国では今、Morsiが民主主義のためのツールを悪用して、抗議者たちを安直に押さえつけようとしている。彼のツイートのストリームを、下のスクリーンショットでご覧いただこう:

د.محمد مرسي (MuhammadMorsi) on Twitter

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

2013年のスマートフォン総台数は14億, 3位Windows Phoneは4500万, 4位BlackBerry 2000万

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ABI Researchが、世界のスマートフォンとタブレットの市場動向に関する2013年の予測を発表した。まず、ユーザが日常使用している総台数はスマートフォンが14億台、タブレットが2億6800万台、前者ではAndroidがリード、後者はAppleの支配が続く。MicrosoftとBlackBerryはささやかなシェアで市場に残るが、デベロッパにそっぽを向かれるほどの小ささではない。ABIの報告書は、“2頭の馬と2頭のポニーのレースだ”、と言っている。

ABIの数字がIDCStrategy AnalyticsGartnerなどのそれと違うのは、製品の出荷数ではなくて、ユーザの手元数に着目しているところだ。そこで、ABIによると、MicrosoftのWindows PhoneとBlackBerry 10は、小さくてもまだゲームを続けられるだけの力はある。

2013年の終わりには、世界中でWindows Phoneデバイスは4500万台、BlackBerry 10は2000万台がユーザの手中にある。そのマーケットシェアはそれぞれ、3.2%と1.4%だ。Androidは7億9800万(57%)、iOSは2億9400万(21%)だから、2頭のポニーはとても小さいが、でもデベロッパが手を出す気になるだけの数は維持している。消費者がスマートフォンに求めるものはアプリだから、この点は重要だ。

“MicrosoftとBlackBerryは、シェアが小さすぎてデベロッパが関心を向けず、それに伴って新しいアプリが登場せず、将来の売れ行きがさらにダウンすることを恐れていたが、弊社の見解としては、これだけのインストールベースがあれば両者は十分、ゲームに残れる”、ABIのアナリストAapo Markkanenがこう書いている。

Windows PhoneのハンドセットのトップメーカーであるNokiaとBlackBerry(旧社名RIMから社名を変更)二者は、これを読んで複雑な心境だろう。それは、行けるかもしれないという希望の兆候であると同時に、今のAndroidの勢いを見るかぎり、マーケットシェアが二桁になるのは近未来ではなさそうだ。相当長期間デベロッパの関心をつなぎ止めるためには、さらなる投資と労苦が必要だろう。

Markkanenは本誌TechCrunchの取材に対して、“現在の販売予測から見て、BBやWPのインストールベースでのシェアが向こう5年以内に二桁になることはない。伸びるとしても急激には伸びない。むしろ、二人の弱者が生き残りを賭けて食い合いをすることもありえる。市場は、よく言われる2頭の馬のレースではなく、3頭でも4頭でもない。2頭の馬と2頭のポニーのレースかもしれない”、と語った。

2013年のタブレットに関しては、IDCが今朝(米国時間1/31)、昨年の最終四半期に売れたタブレットの過半数がiOS製品だ、と報告した。ABIのユーザの手元数の数字でも、iPadは1億6600万台強の62%に対し、Androidタブレットはわずかに7500万台だ。Windowsタブレットは、今年の終わりで現用数が550万台、という予測である。

スマートフォンとタブレットは全体として今年も大きく売れ行き〜現用台数を伸ばすので、その大きな成長カーブには、MicrosoftやBlackBerryにとっての機会もある。ABIが予測する成長率は、スマートフォン44%、タブレット125%だ(対2012年比)。

画像: Flickr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

オープンソースのゲーム用バックエンドOpenKitが非公開ベータへ, さらに$100Kを調達

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12月に発表された、モバイルゲーム用のバックエンドサービスOpenKitが、明日(米国時間2/1)から非公開ベータに入り、50名のデベロッパをそれに参加させる。

協同ファウンダのPeter Relanによると、先月このプロジェクトを発表したときには、コードはまだ1行も書いていなかった。やっていたのは、デベロッパの関心をさぐること。100名以上のデベロッパが登録ユーザになったら、プロジェクトをゴーしよう、と決めていた。実際には、初日に160名のデベロッパが登録し、今では500名だ。

OpenKitは、OpenFeintが閉鎖されたことへの答である面が大きい。OpenFeintはRelanもその協同ファウンダで、モバイルゲームのためのソーシャルなプラットホームだったが、Greeに買収された。Relanによると、とくにOpenFeintと関係なくても、2012年はデベロッパのロックインが大きなテーマだった。

そこでOpenKitは、“良いビジネスであり、かつ、デベロッパフレンドリな”プラットホームを作る試みだ。そのコードは、オープンソースプロジェクトとしてGitHubに置かれる。それにまた、ゲームデベロッパはいつでも、ユーザデータをOpenKitからエキスポートできる。そのコードとデータから、独自のバックエンドサービスを作ることすらできる。

Relanの説明では、明日ローンチする非公開ベータはいくつかの中核機能があるだけの、最小限のバージョンで、クラウドストレージ(そこからゲームをほかのデバイスにロード可能)とプレーヤーのスコアボードと、FacebookやTwitterを使った本人証明、などの機能がある。一般公開は2月の予定だが、最終的にはフリーミアムとして収益化を図る。ベーシックなツールはどれも無料だが、一定の回数以上使ったら、その後は有料になる。

Relanによると、OpenFeintのローンチのころとは状況が変わってしまい、当時いちばんリクエストが多かったのはプレーヤーのスコアボードだったが、今回多いのはクロスプラットホームなクラウドストレージだ。彼の見解では、そうなったのは、Androidのモバイルプラットホームとしての成熟のせいだ。OpenFeintのときは、デベロッパたちはiOSしか相手にしなかった。しかし今、OpenKitの登録ユーザ(デベロッパ)の80%が、クロスプラットホームな開発をしている。

OpenKitを最初から手がけているデベロッパは、Orange PixelのPascal Bestebroer、Flightless Ltd.のJohn O’ReillyとGreg Harding、Oyatsukai GamesのDavide Pasca、Vertex BlasterのWarner Skoch、Forzefield StudiosのManuel Martínez-Almeida、Around the Clock GamesのJason Tartaglia、PrePlay SportsのLachlan Laycock、Mighty Mighty Good GamesのDarren Sillet、Total MonkeryのRichard Weeks、そしてMassive FingerのLaurent Mascherpaだ。

OpenKitのチームはそれまで、JoypadのゲームコントロールSDKを作っていた。Relanがさらにまた10万ドルを投資したので、総資金額は20万ドルになった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

“雑用コンビニ”(便利屋)Execの利用価値を訴求するインフォグラフィック「あなたの余命はあと9年」

Countdown Of Life

人生の大半がハムスターホィールであることを思い出させてくれて、Execさんありがとう。このインフォグラフィックの目的は、人生はとても短いから無駄なことをしているひまはない、日常の雑用はすべてExecにやらせなさい、とうったえることだ。でも、これを見た人は、人生をギブアップしたような気持になるかもしれない。食べることと寝ることと仕事と雑用をすべてさっ引(ぴ)くと、何も残らない。つまり、あなたはすでに死んでいる。

“家族や友だちと過ごすのもあと9年。遊ぶのも笑うのも泣くのも、恋をするのも海外旅行をするのも自分の情熱を追うのも、あと9年しかない”。と言われると、洗濯は自分でせずにアウトソースすべきだ、という気になるかもしれない。ぼく自身も、Execでは信じられないような体験をした。たとえば車をパーキングメーターのところに駐車したままにしておいたら、急に出張が発生して、そのときExecが車をうちまで持ってきてくれた。

しかしこのインフォグラフィックは、Execにお金を払ったら余命は9年より長くなる、とは言ってない。TaskRabbitやUber、Zaarly、それにExecなどの“雑用のコンビニ”サービス(便利屋サービス)は、お金と引き換えにあなたの時間を増やしてくれる。同時に、アメリカの所得格差の解消に貢献するかもしれない。高級車を買えないことはいい。でもExecは、生きる価値のあることを生きなさい、と言っている。

Infographic_House_Cleaning_Exec_Countdown

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

意外にも、Facebookのニュースフィード広告はユーザーを逃がしていない

昨年Facebookは、モバイルのニュースフィードに広告を載せることによってユーザーを逃がすリスクを負った。しかし、Mark Zuckerbergにとって意外なことに、広告表示回数急増にもかかわらず、2012年のいいね!とコメントの減少はわずか2%だった。ユーザーは依然として忠誠であり、Q4決算報告会見でZuckerbergは、これをFacebookが提供している価値の証であると評した。

いったいユーザーはフィード広告をクリックしているのかか、そもそも気付いているのかどうかはともかく、彼らはそれが理由でFacebookを使わなくなってはいない。友達のコンテンツの間に宣伝広告を見せられることに文句を言う人は大勢いるが、どうやら彼らはそれを見すごすだけでアプリやブラウザーを閉じることはないようだ。

Zuckerbergによると、同社は広告が増えるとエンゲージメントが下がるかどうかを、念入りに注目していた。そうなることを予想さえしていたが、結果は違った。表示する記事の関連性を高めることによるニュースフィードの品質向上は、いいね!とコメントが約50%増えることに貢献した。広告によるエンゲージメントの低下はわずか2%だった。

これは、Facebookがもっと広告を見せてもよいことを意味しているのかもしれない。そうなればモバイル売上の成長を維持していける。今期モバイル広告売上は3.05億ドルに達し、広告売上全体の23%を占めた。前四半期はそれぞれ1.5億ドル、14%だった。真の評価は、果たしてFacebookがこれらの広告を、アプリや商品を見つけるのに役立つのでそれを見たユーザーはもっとFacebookを使うようになる、という状況にまで持っていけるかどうかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

クラウド上にファイルシステムの鏡像ができるストレージデバイスTransporterがいよいよ本番生産へ

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Connected Dataという新しい会社が、Transporterという名前の、インターネットに接続されるストレージデバイスでもって、クラウドストレージのあり方/使い方を変えようとしている。Kickstarterで最初の資金を獲得した同社は、今後の本格生産に備えて600万ドルのシリーズA資金をこのほど調達した。幹事投資会社はFloodgate、これにNorthgate Capitalが参加した。

Connected Dataのチームは、前にDroboにいた人たちだ。ここは大容量のストレージシステムとそれらのためのラックなどを作っていた。彼らがすでに持っていたストレージ市場に関する知識と、インターネットのクラウド的利用が合体して、新製品Transporterができた。

インターネットにはEthernetやWiFiで接続し、分かりやすいインタフェイスにより、ファイルをほかの人たちとも共有できる。ファイルへのアクセスはコンピュータ上の通常のファイルシステムのように、あるいはまたブラウザからWeb上のストレージサービスのように行える。

Transporterが独特なのは、ファイルをクラウド上で共有できるだけでなく、すべてのファイルがデバイス上にセキュアに保存されることだ。そして、許可を与えた人たちだけが共有的にアクセスできる。だから、ファウンダたちの主張では、Dropboxのような単なるクラウドストレージサービスよりも安全である。後者では、別途どこかにバックアップしていないかぎり、すべてのデータがクラウド上の、ユーザコントロール/管理の届かない、どこか知らない一箇所にだけ保存される。

セキュリティとプライバシーに加えて、Connected Dataのチームの主張ではコストも低い。Transporterの費用はそれを買う最初の費用だけ。クラウドストレージサービスは、今後大容量を保存したり転送したりしていると、軽いとは言えない月額費用になる。Transporterでは、その種の経時費用がいっさい発生しない。

12月にKickstarterの資金募集を立ち上げたが、そこで千台あまりの予約が集まり、また目標額10万ドルの2.5倍が集まった。Transporterには市場がある、という確信が得られた。また、顧客からのフィードバックが得られたことも、貴重だった。

たとえば同社は、ローカルストレージのないストレージデバイス(==クラウドオンリー)があってもいいのではないか、と考えていたが、Kickstarterの支援者も、その約1/4はディスクドライブのない製品を求めた。また、Androidのサポート(Androidアプリ)が、多くの人びとの要望であることも分かった。この二つは、プライオリティリストの上位に格上げされた。

そこでTransporterの製品は三種類: ディスクレスが199ドル、容量1TBが299ドル、2TBが399ドルだ。すでに流通チャネルとしては、Adorama、Amazon.com、B&H Photo、Datavision、J&R、New Egg、PC Mallなどが決まっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

共和党上院議員曰く「ビデオゲームは銃よりも大きい問題だ」

狂気の国から今入ったニュース。共和党のラマー・アレキサンダー上院議員は「ビデオゲームは銃よりも大きい問題だ」と言った。発言の全文および、同氏がNBCニュースで、チャック・トッド氏から銃所有者の身元調査ついて質問された時のビデオを下に貼った。

「ビデオゲームは銃よりも大きい問題だと思う。なぜならビデオゲームは人々に影響を与えるからだ。しかし、憲法修正第1項はわれわれがビデオゲームに対してできることを制限している。同様に憲法修正第2項はわれわれが銃に対してできることを制限している」

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(翻訳:Nob Takahashi)

閲覧320万回:Facebookのシェリル・サンドバーグが「最高のシリコンバレー文化」と絶賛したNetflixの企業カルチャー・ガイドとは?

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Facebookのナンバー2、COOのシェリル・サンドバーグが最近、Netflixの企業カルチャーを説明する文書を「シリコンバレーから生まれた最高の文書の一つ」と絶賛した。この文書はブレットがふんだんに振りまかれたパワーポイント・ファイルだが、Slideshare.netですでに320万回も閲覧されている。たしかにシリコンバレーのカルチャーに大きな影響を与えているようだ。

この文書は単に1企業の経営手法の説明にとどまらない。ここに見られる個人の創造性を信頼することで不確実性の時代に対処していこうとする哲学は上位下達の20世紀型組織原理と驚くべき対照をなしている。インターネットに代表される絶えざるイノベーションの波が企業を洗い続けるかぎり、Netflix文書は進路を占う水晶玉として役立つことだろう。

いくつかの重要な点を要約して紹介してみたい。

創造性こそもっとも重要

伝統的なビジネスでは最良のものは他より2倍優れています。しかし創造性が支配的であるようなビジネスでは最良のものは他より10倍優れているのです。

テクノロジー産業では時代遅れになることが何より恐ろしい。インターネットの接続速度が日一日と高速化していく中、NetflixはDVDの郵送レンタルサービスから即座にコンテンツを再生できるストリーミング・サービスにビジネス・モデルを敢然として飛躍させた。

ビデオのストリーミング・モデルの次に起きる変化は今はまだ分からない。しかし現在のさまざまな問題に対して創造的な解決方法を案出することの価値はこの上なく高い。

イノベーションの影響が今日ほど大きい時代はない。Microsoftのフラグシップ・プロダクト、OfficeはGoogleの無料のオンライン生産性ツール、Googleドキュメントによって大打撃をうけつつある。これはMicrosftがユーザーが大部分の時間をどこで過ごしているか(もちろんインターネットだ)認識するのが遅れたためだ。

職の安定より新たな発見を優先

多くの社員がわれわれの企業文化を好み、長期間働いています。彼らは親切であり、変化を好むことによって高い成果を挙げている人々です。しかし成果を挙げることより職の安定を好む人々もいます。彼らはわれわれの企業文化を嫌います。

政治的観点からはこの原則がもっとも興味あるものだろう。主要なインターネット企業には組合が一つもない。にもかかわらず、満足を与える職場として常にトップにランクされている。

創造的な大企業は、従業員が求めるものは高い給与と職の安定だという伝統的な考えを打破した。挑戦しがいのある楽しい職場環境こそ従業員を引き止める最強の要素なのだ。リスクを恐れないことはテクノロジー企業のファウンダーたちの著しい特徴だが、そのファウンダーたちは従業員に同様の「〔不思議の国のアリスのように〕ウサギ穴に飛び降りる」勇気を求める。テクノロジー・ビジネスでは何事も不確実であり、失敗は即座に厳しい結果として返ってくる。ある種の人々にとっては決して天国のような環境とはいえない。

従業員の間違った行動は何らかの理解不足に基づく

管理職の皆さん。皆さんの部下が何かバカげたことをした場合、いきなり彼らを責めてはいけません。逆に彼らが正しい行動ができるような環境を作れていないのではないかとチェックしなければなりません。自分の働くコンテキストをよく理解した社員は高い成果を挙げます。

ヒエラルキーに基づく20世紀型経営スタイルは、個人的な意見の相違は命令によって圧服させねばならないとする権威的哲学の産物だった。王様以下、公爵、將軍から軍曹に至るまで上位下達のシステムが構築され、誰もが直属の上司の命令に従わねばならない。そこには意見の相違を会話によって解決するという考えはない。

たとえばヒエラルキー経営のゴッドファーザーともいうべきフレデリック・テイラーはこう書いてる。「もし2人の職長が意見の相違を解決できない場合は、問題をその上司に報告して決定を仰ぐべきである。もし上司である職場監督が解決できない場合、副工場長に問題の解決を委ねるべきである」。

Netflixの企業文化は「社員は予め示された基準にしたがって定型的な作業を繰り返す」という哲学の正反対だ。社員がバカげた対応をするのはほとんどの場合、コミュニケーションの不足、自分がやっていることの背景に対する理解の不足が原因だ。Netflixの人間性に対する考え方は権威主義的な20世紀の経営学とはまったく異なる。

休暇は無制限

Netflixの休暇および勤怠に関する規則:そういうものはありません。

Netflixの経営哲学のうちでももっともラジカルなのが「休暇は無制限」だろう。Netflixの社員は自分が適当と判断する時期と期間、カリブ海にサーフィンに行くことができる。また出張旅費の請求や精算に関しても、官僚的な規則を並べ立てるかわりにわずか5語ですませている。「Netflixの利益になるように行動してください」。

インターネット企業は人間性に対して伝統的経営学とはまったく異った見方をする。シェリル・サンドバーグはNetflixの短いパワーポイント・ファイルの中にイノベーティブな経営に必須な哲学を見出したのだろう。

文書の全文を以下にエンベッドしておく。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Facebook、利用者毎売上げは地域により大きな隔たり。北米が一番で対欧州比で3-4倍、対アジア比ではほぼ6倍(しかし米国内の利用者増加率は頭打ち)

fb-earthFacebookの利用者は、ホームであるアメリカの外で大きく伸びている。但し、少々問題もあるようだ。アメリカ国内での利用者に比べて海外の利用者は「稼ぎ」が悪いのだ。第4四半期についての報告(PDF)によると、この四半期のアメリカおよびカナダにおける利用者毎利益(ARPU)は4.08ドルだったとのこと。これがヨーロッパでは1.71ドルとなり、アジアでは0.69ドル、さらにその他の地域では0.56ドルにまで落ち込んでしまうのだ。アメリカでの成績に比べると、あまりに低い数値となってしまっている。

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利用者毎の広告売上げについても同じことが言える。アメリカでの広告売上げは639ドルで、ヨーロッパは約半分の374ドル、そしてアジアが168ドルで、他地域は156ドルということになっているのだ。

全体として見ると、アメリカおよびカナダがFacebookの売上50億ドルのうち半分の25億ドルほどを賄っていることになる。ちなみに両国の利用者数の割合は全体の18%に過ぎない。

これは、利用者数が増加傾向にある国が、アメリカほどに裕福ではないことによるものだ。また、アクセスに用いているデバイスの性能によって受信できない広告もある(スマートフォンやPC向けの広告で、フィーチャーフォンでは表示されないケースもある)。さらにFacebook上のゲームでクレジットを購入するなどという消費習慣もないケースが多い。Facebook Giftで15ドルの出費など考えることすらできないという人もいるのだ。こうした利用者が増えていく中、今後どういった収益構造を構築していくのかは大きな課題だ。

「ヨーロッパの、あまり豊かではない国々でも利用者が増加しつつあります。サービスに出費することはあまりなく、そのおかげでFacebook全体の平均的売上額を押し下げる方向に作用しています」とFacebook CFOのDavid Ebersmanは言っている。また、ゲームやゲーム売上の点では、アメリカや、他の成熟市場においても成長が鈍化しつつあるようだ。「従来の市場においても、利用者数が大いに伸びているという状況にはありません」とのこと。

Facebookの月間アクティブ利用者数は10億5600万程度だ。そしてQ4ではアメリカの月間アクティブ利用者数が1億9300万ということになった。Facebook全体の18%程度をアメリカが占めるということになるわけだ。

この四半期における増加数は400万で、一昨年同四半期との比較で7.8%の伸びを示したに過ぎない。成長率についていえばアメリカ以外の方が高いものとなっている。ヨーロッパの月間アクティブ利用者数は2億6100万人で、増加数は800万。一昨年同四半期比較で10.5%増となっている。アジアでの増加数は2100万で、総利用者数は2億9800万となった。また、その他の地域を見ると昨年における成長率は40.6%となっている。Q3からの増加数は1600万で総利用者数は3億400万だ。一昨年同四半期比の成長率は35%とのことだ。

開発途上国でもスマートフォンの普及が始まっている。この流れにのって利用者を増やしていけるかどうかが、まずはひとつの課題だ。そしてさらに、そうした利用者にアクティブに使ってもらい、そしてそこから利益を上げていくことが、今後の大きな課題となる。

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(翻訳:Maeda, H)

古いIEでも無事動くか?–Webサイトの互換性テストサービスmodern.IEをMicrosoftが立ち上げ

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Microsoft自身がいくら変えたいと思っていても、いまだに古いバージョンのInternet Explorerを使っている人は多い。そのためデベロッパは、自分のWebアプリケーションが、たとえばIE7やIE8で無事に動くよう、テストや手直しに余計な時間をかけなければならない。IE9とIE10は、Microsoftが懸命にHTML5やCSS3などの標準規格の忠実な実装に努力した。そして、今や古いIEの問題を自覚した同社は、“デベロッパが自分のサイトをInternet Explorerとそのほかの現代的ブラウザで確実に動くようにするための努力を容易にするために”、modern.IEと呼ばれるツール的サイトを今日(米国時間1/31)ローンチした。

MicrosoftのInternet Explorer担当ゼネラルマネージャRyan Gavinが昨日ぼくに語ったところによると、modern.IEにはいくつかの無料のツールとリソースが含まれていて、たとえばスキャナーは、サイトを現代的なブラウザやレガシーのIEに対して非互換にしかねない、よくある問題をチェックする。そのスキャナーは、デベロッパが使ったライブラリやフレームワークにある、よくありがちな問題を、個々のページごとにチェックする。そして対策を推奨し、またそのフレームワークのどのバージョンなら互換性が高いかをアドバイスする。たとえばjQueryならどれ、とか。

Microsoftは、この、ライブラリやフレームワークの問題が意外と大きいことを知った。上位5000の繁盛サイトの40%以上が、古いバージョンのフレームワークやライブラリを使っていて、そのことがIEの最新バージョンやそのほかの現代的ブラウザとの非互換性を招いている。また、これら5000のサイトの20%はベンダ固有のプリフィクス(-moz、-ms、-webkit、などなど)を使っていて、それも非互換性の原因になっている。これらのサイトの大半がブラウザ検出を用いており、しばしば、IE9やIE10と非互換なサイトをサーブしている。彼らは、IEのこれら新バージョンがもはや、レガシーのブラウザとは呼べないものであることを、認識していない。

また、スキャナーにかけることによってばれて欲しくないサイト固有の問題を抱えるところでは、Microsoftとデベロッパが直接協力して対策に当たる。

modern.IEにはこのほか、jQuery Foundationの理事長Dave MethvinとMicrosoftのテクニカルエヴァンジェリストRey Bangoが書いた20のベストプラクティスチップや、MicrosoftがBrowserstackとの提携で来年全デベロッパに提供する3か月の無料サービスの告知などがあり、デベロッパたちはここで、自分のサイトが多種類のブラウザとオペレーティングシステムの上でどう見えるかを、容易に知ることができる。modern.IEのユーザ登録は、Facebookの認証情報でできる。また、BrowserstackのChrome用とFirefox用のプラグインもあり、それを使うとMacやWindows、Linuxなどの仮想マシンイメージに対してサイトを手早くテストできる。WindowsとIEの古いバージョンでのテストを、デベロッパがローカルに行うことも可能だ。なおBrowserstackはとても便利なツールであり、その上で、ブラウザの種類とオペレーティングシステムの種類、そのどんな組み合わせでもテストできる。

Gavinによれば、modern.IEの中心的な目的は、あくまでもレガシーブラウザに対するテストだ。IE9よりも前のいわゆるレガシーバージョンのInternet Explorerが、デベロッパを苦しめたことを、彼も認めている。Gavin は今日のブログ記事で、“modern.IEは、デベロッパがテストに費やす時間を少なくし、すばらしいサイトの構築に多くの時間を割けるようにするための、弊社のこれからの継続的取り組みの、一環にすぎない”、と述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ユーザ数1800万を超えた斬新なプレゼンツールのPrezi, アジアでの成長をねらう

人びとの心を打つ新しいプレゼンテーション方式を作ろうとして苦労していたブダペストのPreziも、今では大きく成熟した。本社をサンフランシスコに置き、社員は100名を超える。Microsoft PowerPointやKeynoteのオルタナティブとして人気を博し、今ではTwitterのファウンダJack Dorseyが同社のアドバイザーだ。

先週ミュンヘンで行われたDLDカンファレンスで、Preziの協同ファウンダでCEOのPeter Arvaiをつかまえ、インタビューができた(上のビデオ)。彼は、昨年の10月にユーザ数1500万と発表したが、今では18000万だ、と明かした。今後の2年間は、毎月200万ずつ増えるペースだ、という。つまりその成長曲線は直線ではなく指数関数的だ。

今同社が重視しているのがアジア市場だ。アジアの人たちはとくに、Preziの軽さ(ツールの構造もビジネスモデルも)を気に入っている。つまり、デスクトップソフトが要らない。アジアではすでに、Preziのハウツー本が5種類出版されている〔日本では2種類〕。

Preziは、PPのようにスライド的にでなく、地図のように、あるいはグラフ(グラフ構造のグラフ)のようにプレゼンを構成する。始まりから終わりまで、という線型の構成でなくてもよい。また出先でラップトップがないときは、iPhoneやiPadでも利用できる。

同社は2009年に、ハンガリーのデザイナーAdam Somlai-FischerとPeter HalacsyとPeter Arvaiが創業した。資金は、シリーズAをSunstone Capitalから、シリーズBの1400万ドルをAccel Partnersから調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookは、2012年60月以来スパマーを37%撃退した

偽の友達リクエストを受け取ったことのある人なら、Facebookにスパマーがいることをご存じだろう。しかし、Facebookは彼らとの戦いに勝利しつつある。Facebookの推定によると、月間ユーザー数の中に「好ましくない」ユーザー、即ちスパマー・アカウントが占める割合は、2012年6月の1.5%から0.9%に減少した。これは、昨年中頃まで1500万人以上いた問題児たちが37%減って950万人程度になったことを意味している。

Facebookはこれらの数値を、2012年Q4決算報告書23ページに埋もれさせている。そこには「好ましくないアカウント」が、「スパム行為等、本サービスの利用規約に違反する目的で使われることを意図していると当社が認めたユーザープロフィール」と定義されている。Facebookのバイラルな特性と様々なコミュニケーション手段を考えれば、スパマーの追放は不可決だ。

彼らは生き延びることが許されると、偽の友達リクエストやつながっているユーザー全員をタグ付けした写真、詐欺的なイベント招待状など、通知を発生させるあらゆる方法をサイトに蔓延させ。しばしばこうしたスパマーは、フィッシング手法を使って他のユーザーからFacebookのログインパスワードの盗み出す。その後、スパマーは何も知らないユーザーのアカウントを使ってその友達を攻撃し始める。

Facebook Spam Friend Request

しかしFacebookには、その一歩先を行くことに特化した専門家集団がいる。最近私が上に貼った2つの友達リクエストを受け取ったことを考えると、彼らの仕事は山ほどありそうだ。個人的には、6人以上タグ付けされていて一人も顔の写っていない写真に対する厳格なフィルターが役に立つと思う。無料の航空券や安い靴を宣伝する10人以上タグ付けされたスパム写真をまだ頻繁に見かける。しかし聞くところによると、セキュリティーチームのメンバーはしばしばスパマーのふりをして秘密のハッカーフォーラムに潜入し、Facebookの自動セキュリティーシステムを出し抜く最新技術を学んで、そうした抜け穴を防いでいるそうだ。

これは、Facebookの残る10億5500万人のアカウントが実在する人間であるという意味ではない。同社は月間ユーザーの1.3%が「誤って分類された」、即ち企業や組織やペットのために誤って作成された個人アカウントであると推定している。それでも、総ユーザー数の2.4%だった2012年6月に比べると数は減ってきているので、世界は賢くなりつつある。ここでの教訓。もしFacebookでスパマーを見つけたら通報すること。そして、子猫のためのプロフィールを作らないこと。Mr. ウィスカーズには公式Facebookページを作ってあげよう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

インフォグラフィックが検索にかかるようにするには?–マレーシアのPiktochartが名案を提供

piktochart_logo

個人的な好き嫌いはあるようだが、でもインフォグラフィックは強力なマーケティングツールだし、とくにPinterestやFacebookのようなヴィジュアル優先のWebサイトでは効果が高い。しかし情報を画像で提示するとSEOの効果が失われる。そこで、マレーシアのPiktochartが、自分たちのWebアプリケーションを改作して、対話的で検索フレンドリーなインフォグラフィックを作れるようにした。

改作によりインフォグラフィックにリンクを挿入できるようになり、しかもコンテンツを多層化してそれぞれの層に表示変え用のタブを付けられる。インフォグラフィックそのものはPiktochartのWeb上のエディタを使って作成するので、テキストや画像やアイコンなどはドラッグ&ドロップで貼り付けられる。有料バージョンは100種類以上のテーマを提供しており、さらにそれらをカスタマイズしてフォント、背景、色などを変えられる。インフォグラフィックやそのほかのプレゼンテーションはクラウド上でホスティングされ、Piktochartから直接、 Facebook、Twitter、Google+、Pinterestなどへ共有できる。

Piktochart

2012年3月にローンチしたPiktochart(有料版のPro)には、5000あまりの小企業や教育機関の有料ユーザがいる。無料バージョンのユーザは17万だ。12月に同社は、マレーシア政府のCradle Fundから14万ドルの助成金をもらった。その前は、Chinacceleratorからの投資を得ていた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、今の気分や読んでいる本を絵文字で表す方法をテスト中

Facebookは、もっともっと表現力を豊かにしようとしている。今日(米国時間1/30)からテストが始まったステータスエディターでは、読んでいる、聴いている、食べている等、「今何をしているか?」を表す絵文字を選択できる。次に説明文を追加して、「49ersがスーパーボールに行く --気分はサイコー :)」などとしてシェアできる。

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この新しいビジュアル行動シェア型ステータスエディターは、人々をもっと頻繁にシェアするよう促すかもしれない。現在Facebookは、新しい標準近況アップデート・プロンプトを多数テストしている。「Joshさん、調子はどう?」とか、少々薄気味悪い「Joshさん、気分はどう?」などだ。

ビジュアル近況アップデートは、Facebookが、Lineをはじめとする絵文字メッセージングアプリや、GetGlueなどのメディア消費共有アプリ、さらにはスマイルマーク満載のPathなどの追撃をかわすのに役立つかもしれない。

これはユーザーにとって楽しいだけでなく、広告主にとっても大きな意味を持つ可能性がある。文字だけで書く代わりに現在の状況を選択することによって、Facebookは構造化されたデータを手に入れられる。これを使えば、よくテレビや映画を見たり、音楽を聞いたり、外食したりするユーザーに広告主がリーチしやすくなる。

watching

Facebookは詳細について何も明かさなかったが、こう言っていた。

これは人々が、自分のしていることや、感じていることをFacebookの書き込みでビジュアルに表現するための、一方法にすぎない。これはグラフ検索には組み込まれていない。人が自分の行動をもっとビジュアルな方法でシェアすることに興味を持っているかどうかを調べる小さなテストである。

これは非常に人気を呼ぶと思う。混み合ったニュースフィードの中で、あなたの近況ステータスを目立たせてくれるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Facebook Q4、売上40%増の15.9億ドル。株価は時間外取引で微落

Facebookは、2012年第4四半期の売上を前年比40%増の15.9億ドルと発表した。モバイル売上は全売上の23%への増え、モバイルの月間アクティブユーザー数は前年比57%増の6.8億人へと増加した。

同社はアナリストを予測を上回ったが、株価は時間外取引で最大8%下落した。現在の株価は0.3%安の31.15ドル。

アナリストは、売上を34%増、15.2億ドルと予測していた。Bloombergのアナリスト調査での予測中央値にによる

Facebookは、純利益とEPS(1株当たり利益)でもアナリスト予測を上回り、純利益は予測平均4580万ドルに対して6500万ドル、EPSは17セント、予測は15セントだった。2011年の同期、Facebookの純利益は3.02億ドル、売上は11.31億ドルだった。

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売上の内訳に関して、Facebookには広告と支払いという2つの主要収益源がある。広告売上は13.3億ドル、前年比41%増だった。支払い売上は2.56億ドルだったが、今期Facebookが会計方針変更のため、通常の3ヵ月ではなく4ヵ月分の売上を計上したことを考慮すると、実質的には横ばいだった。

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Facebookの株価は今年に入ってから17%上昇し、これは同社のモバイル広告への積極的取り組みの効果を期待するものだった。現在モバイルプラットフォームは、同社売上の23%を占め、第3四半期の14%から増加した。前期以来Facebookは、モバイルニュースフィードへのスポンサー記事掲載とアプリのインストール広告を強く押し出している。広告プラットフォームのKenshooが今月本誌に伝えたところによると、Facebook上での広告費は20%がモバイルに注ぎ込まれている

Facebookは、ウェブからモバイルへと急速にシフトする消費者行動に対処すべく、同社が迅速に動いていることを投資家に納得させることがまだ必要だ。今期初めて、Facebookのモバイル日間アクティブユーザー数がウェブを上回った。しかし、モバイルの売上は未だにウェブの1/3以下だ。

一方同社は、2012年後半に多くの新たな取り組みを開始しており、ようやくその効果が見え始めるかもしれない。昨年8月Facebookは、タイプアヘッド広告の中で、スポンサー付結果と呼ばれる一種の検索ベース広告を2ヵ月間の試行の後にスタートさせた。

昨年はギフトも開始した。友達や家族が駆け込みでクリスマスプレゼントを贈るホリデーシーズンが、このサービスに最高の四半期をもたらすことは予想できる。Facebookはこれに関して小規模な販促を行い、 クリスマス直前のニュースフィードでプロモーションを展開した。「ギフト」が貸借対照表上で「広告」「支払いおよびその他の料金」どちらの項目に分類されるのかは不明だ。

またFacebookは、プラットフォームに関するデベロッパーとのつきあい方を一部方針転換し、月間および日間アクティブ利用よりもアプリインストール当たりの売上に重点を置くようになった。これが低調な支払いおよび料金売上に歯止めをかけるかどうかは不明だ。第3四半期の同売上は1.76億ドルと前年同期からわずか0.2億ドルの増加だったが、これはデベロッパーが、急成長中で利益性の高いAndroidおよびiOSプラットフォームに移行したためだ。

Facebook Q4 2012 Earnings

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(翻訳:Nob Takahashi)