Microsoft、第3四半期の決算は予想を上回る―売上6%アップの217億ドル、EPS0.61ドル、クラウドが好調

2015-04-24-microsoft

今日(米国時間4/23)、Microsoftは第3四半期(会計年度)の決算を発表した。売上は217億ドル、一株当たり利益は0.61ドルで、アナリストの予測、売上210.6億ドル、一株当たり利益0.51ドルをそれぞれ上回った。株価は時間内取引で1%、それに続く時間外取引で3%弱アップした。

対前年同期比では売上は6%アップしており、営業利益は66億ドル、粗利益146億ドル、現金および現金等価物期末残高は954億ドルだった。

以下、各部門別に概要を紹介する。.

SurfaceとWindows Phone

今期のSurfaceの売上は7億1300万ドルで対前年同期比で44%アップ。ただしクリスマス商戦を含む第2四半期には届かなかった。Lumiaハンドセットは860万台販売され、ハンドセット事業は14億ドルの売上となった。

クラウド

Office 365は今期、一般ユーザーに大きく浸透した。直前の第2四半期に比べて契約者は35%アップし、1240万人となった。

検索売上は21%アップとなっているので、おそらくBingの赤字幅は縮小したものと思われる。

Microsoftの商用クラウドの売上は対前年同期比106%のアップ。通年換算ベースで63億ドルとなり、第2四半期の55億ドルからも大きく伸びた。

Windows

WindowsのOEM売上はプロ版で19%ダウンしたが、これは前期にWindows XPのサポート終了に伴う売上増大の反動だ。Windowsのボリューム・ライセンス売上も2%ダウン。一般消費者向けWindows OEMの売上ダウンはさらに大きく26%となった。Windows 10のリリースを間近に控えて、MicrosoftはWindows 8.xの売上増大にさして力を入れていないということは考えられる。しかしWindows部門は依然としてMicrosoftにとってきわめて重要な事業の柱だ。

Office

Officeの売上は対前年比で2%ダウしたが、為替変動がなければ1%アップしていたはずだった。Micorosoftはこの不振の原因を「Office 365への転換に伴う過渡期であることと、XPのサポート終了に伴うビジネス向けパソコンの販売台数の低下」によるものと説明している。

要約

アナリストの予測を上回る好調な四半期だった。エンタープライズ、一般ユーザー、両方の部門でクラウドからの売上が急増したことが利益確保に貢献した。現在、株価はアップしているが、前回の決算発表では9%ダウンしたのを取り戻すまでには至っていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

このグラフでTwitterの成長減速が一目瞭然

売上でも利益でもアナリストの予想を上回る好調な第4四半期決算を受けて、Twitterの株価は7%ほど上がった。しかし同時に成長が大きく減速していることもはっきりした。

前四半期にTwitterはわずか400万人の新規月間アクティブ・ユーザーしか加えることができなかった(電話会見でさらに説明があるだろう)。この400万人を加えて、Twitterの月間アクティブ・ユーザー数は2億8400万人から2億8800万人となった。

対前年同期比では20%のアップだが、直前の第3四半期からはわずか1.4%の増加にすぎない。

ただ奇妙なことに、Twitterは第4四半期のユーザー数増加が目立って低い傾向がある。上のグラフでも分かるように2012年第4四半期を例外として、他の四半期はその前後の四半期より伸びが低い。この点を考慮に入れると、2014年第4四半期のユーザー数の伸びの低下も、Twitte特有の季節変動が一因となっているのかもしれない。

とはいえ、前四半期の伸び率は危険なほどゼロに近い。もしTwitterの成長がゼロ、ないし縮小するような事態になれば、投資家はパニックを起こして現経営陣に襲いかかるに違いない。

ユーザーの伸びの低下にもかかわらず売上と利益をアップさせるのに成功するというのはTwitterにかぎらず、他のソーシャル・ネットワークでも最近多く見られる傾向だ。しかしTwitterのキャッシュフロー予測は新規ユーザーの加入を当てにしている。ユーザー数が変わらないままでいつまでも売上の増加を続けることができないのはわかりきったことだ。ユーザー数の増加はやはり決定的に重要な要素だ。

グラフ作成:Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


FacebookのQ4決算は予想を上回る―売上38.5億ドル、ユーザー数3.2%増で13.9億人

Facebookの4014年度第4四半期の決算は、10期連続でアナリストの予想を上回った。Facebookのユーザーは13億9300万人となり、対前年比で3.18%増加した。これは第3四半期の2.2%より高いが、第2四半期の3.125%よりは低い。一株あたり利益は0.54ドル、売上は38.5億ドルだった。広告売上のうちモバイルが69%を占めた。これは前年同期の66%より高く、Facebookのビジネスがモバイルに確固とした足場を築いたことを確認させる数字だ。

1日あたりユーザーは8億9000万人、月間モバイル・アクティブ・ユーザーは11億9000万人(6.2%アップ)、1日あたりモバイル・ユーザーは7億4500万人(5.97%アップ」)となっている。つまりFacebookのモバイル分野における成長は依然加速中ということだ。「モバイルのみ」のユーザーは5億2600万人と対前年比で15.3%も増加した。これはデスクトップ・コンピューターの普及が遅れている途上国におけるFacebookのマーケティング活動が成功したことを意味している。

ウォール・ストリートのアナリストは売上37.8億ドル、一株あたり利益0.48ドルと予測していた。その他のFacebookの財務データとしては、GAAPベースの原価及び費用が27.2億ドル、GAAPベース利益が11.3億ドル、GAAPベース営業利益率が29%、資本費用が5.17億ドルなどとなっている。事前に予告されていたとおり、原価及び費用が急増しているが、これはOculusと人工知能研究への投資によるものだ。これらの投資は数年後にも大きな配当を生むだろう。

2014年の1年を通してみると、Facebookの売上は124.7億ドル、対前年比58%の成長となった。1日あたりユーザーは18%アップして7億5700万人、総ユーザー数は12.3億人から13%アップした。

第4四半期にFacebookはニュースフィードの質の向上に特に力を入れた。またビデオ・コンテンツの拡充にも努力し、ビデオの再生回数が大幅に伸びた。

Facebookは最近、エンタープライズ向けのプライベートSNSとしてFacebook At Workを発表している。ただしこれに基づく売上はまだ計上されていない。

Facebookの広告効果測定ツールのデータによれば、ユーザー1人あたりの広告売上が大幅に伸びていることが注目される。アメリカとカナダにおけるFacebookのユーザー数は2億400万人から2億600へとわずか0.97%の増加だが、ユーザーあたり平均広告売上は6.64ドルから8.26ドルへ24%もアップした。

今回の決算を検討すると、Facebookは「モバイル優先」というより、むしろ「モバイル専門」のビジネスになりつつあるという印象を受ける。5億人以上のユーザーがモバイル・デバイスのみからFacebookを利用している。その多くは途上国のフィーチャーフォン・ユーザーだ。今後のFacebookの課題は、こうした相対的に購買力の低いユーザーからどのようにして売上を得るかにある。これに成功すれば「世界を結びつける」というFacebookの使命は同時に極めて有利なビジネスとなるに違いない。

〔日本版〕Facebookの売上、利益の経年推移を示すインフォグラフィックスは原文参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


マネーフォワードが15億円調達、事業パートナー出資で着々と足場拡大へ

家計簿アプリとクラウド会計ソフトを手がけるマネーフォワードは19日、総額約15億円の資金調達を実施することを明らかにした。引受先は既存株主のジャフコに加えて、クレディセゾンやソースネクスト、三井住友海上キャピタル、電通デジタル・ホールディングスといった事業会社。マネーフォワードの辻庸介社長は、「各ジャンルのナンバーワンプレイヤーに出資してもらえたことで事業拡大を加速できる」とシナジー効果を期待している。

マネーフォワードは、約180万人が利用する個人向け家計簿アプリ「マネーフォワード」と、法人向けクラウド会計サービス「MFクラウド会計」を提供するスタートアップ。個人向けでは9月、家計・資産データの活用を可能にするAPI連携を開始。これまでにヤフーやグノシーと業務提携し、各サービス経由でユーザーを獲得している。法人向けの利用者数は明かしていないが、ウェブ経由では中小企業や個人事業主、全国各地で開催するセミナーを通じて大手の税理士法人を取り込んでいる。機能面では確定申告や請求書サービスも投入した。

引受先のクレディセゾンとは、個人および法人の顧客を相互送客してユーザー拡大を図る。両社は5月に業務提携しており、クレディセゾンが発行するセゾン・UCカードの利用明細データをマネーフォワード上に自動保存するサービスを提供している。今後はMFクラウド請求書とクレディセゾンのカード決済の連携や、MFクラウド会計利用者向けの金融商品も開発していく。

ソースネクストとの資本提携では販路の拡大を見込んでいる。両社は3月に業務提携し、ソースネクストを通して、NTTドコモが提供する「スゴ得コンテンツ」、KDDIが手がける「auスマートパス」、ソースネクストの「アプリ超放題」といった月額定額のアプリ使い放題サービスにマネーフォワードのコンテンツを提供している。ソースネクストの量販店チャネルも活用し、確定シーズンに向けてパッケージ版の販売も強化する。

三井住友海上キャピタルとは顧客や提携先の紹介、電通デジタル・ホールディングスとは広告事業の拡大やPR戦略の策定のサポートをしてもらう。同じく引受先であるGMO VenturePartnersは中小企業へのネットワークを持つベンチャーキャピタルで、マネーフォワードの事業拡大に向けて連携する。辻社長は「個人と中小向けサービスで国内ナンバーワンを取り、決済が盛り上がっている東南アジアに進出したい」と青写真を描いている。

今回調達した15億円では、プロダクト強化やサポート体制の充実に向けた人材を採用するほか、マーケティングも加速する。3月下旬には、給与計算業務を効率化する「MFクラウド給与」をリリースする。MFクラウド給与では、基本的な給与計算やウェブ給与明細の機能を搭載。その後は、経費精算を行う「MFクラウド経費」も投入する予定だ。

ところで、スマートニュースやグノシー、メルカリ、sansan、ラクスルなど、10億円以上調達したスタートアップの多くがテレビCMを展開しているが、マネーフォワードはどうなのか? 辻社長は「検討はしたが、当面はやらない結論に至った。現状でやっても砂に水を撒く感じになりそう」と否定し、事業会社と提携して着々とチャネルを拡大する考えを示した。

マネーフォワードは、2013年10月に調達した5億円を含めると、これまでに合計20億円以上を調達したことになる。ちなみに、クラウド会計分野で競合となるfreeeは、これまでに合計17億5000万円を調達している。


創業2年半でペットたちを”100万夜”お世話したDogVacayが、早くもCFOを雇うワケ

【抄訳】

ベビーシッターならぬペットシッターのマーケットプレースDogVacayは、立ち上げから2年半でペットの総外泊回数が“100万夜”あまりに達した。しかもその約90%は最近の1年半だ。大きく急成長したDogVacayはこのほど、メンズアパレルのeコマースサイトBonobosのCFOBryan Wolffを同社のCFOとして招聘した。、

会社にCFOがいることがこうやってニュースになるのは、初期段階のスタートアップがCFOを立てることが珍しいからだ。でも今では、近々のIPOに備えるわけではなくても、企業の成長をより安定化するために財務や経営のプロを迎えるのが、当たり前になりつつあるのかもしれない。

それまでコンサルタントやヘッジファンドのアナリストをやっていたWolffがBonobosのCFOを2年半務め上げたのは、同社にスタンフォード大学の経営学大学院時代の同窓生がいて、初期には投資もしていたからだ。彼によると、自分がCFOとして加わったときのBonobosと今のDogVacayは、同じような成長の段階にある。それは、本格的な財務管理を導入するのにちょうど適した時期だそうだ。

Wolffは語る、“小さい成長途上の企業は、自分の力で良い変化を作り出せるから楽しい。とくにDogVacayは、消費者向けインターネットサイトの中で、ぼくから見ていちばんおもしろい会社の一つだ”。

DogVacayの協同ファウンダでCEO Aaron Hirschhornは、“会社が大きくなりすぎた”ことをCFO起用の動機として挙げる。彼は、同社がペットのためのマーケットプレースとして世界的なリーダー企業になっているにもかかわらず、まだペットケアの全市場におけるシェアが相当小さいことを気にしている。

HirschhornはCFOの候補として、売上やユーザ数、利用頻度などの局所密度*の重要性をよく理解して、財務分析と財政配分の計画化ができる人物を探した。そして、あらゆる点で傑出している人物として、Wolffに遭遇した。〔*: DogVacayの市場は、たくさんの小さな地域市場…シッターとユーザの距離があまり遠くない…の集積である。だからマーケティングもローカルマーケティングの集積、積み重ねになる。〕

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))