日本郵便がメルカリらと連携、個人間配送サービスを提供——匿名配送やコンビニ受け取りにも対応

日本郵便は、フリマアプリやオークションサイトとのシステム連携による、個人間の配送サービス「e発送サービス」を6月20日から提供開始すると発表した。

e発送サービスでは、フリマアプリやオークションサイトで取引が成立すると日本郵便のシステムに連携。出品者は受け取ったQRコードを使えば宛名書きが不要、全国約1000店の郵便局または約1万2000店舗のローソンで送り状の発行と商品の発送ができる仕組みだ。

対象となるのは「ゆうパック」「ゆうパケット」による配送で、配送料金の決済はサイト上で完結、料金は一部をサイトの運営者が負担する(負担額はサイトにより異なる)。また利用するサイトによっては、出品者・購入者が互いに匿名で商品を配送するサービスや、商品の受け取り場所をコンビニエンスストア、郵便局、宅配ロッカー「はこぽす」に指定するサービスも利用できる。

6月19日現在、e発送サービスの導入を表明しているのは「フリル」、「メルカリ」、「モバオク」、「ヤフオク!」、「ラクマ」の各サイト。このうちメルカリとラクマでは6月20日から新しい配送サービスを追加、フリルでは7月上旬からの提供を予定している。

メルカリの新配送サービス「ゆうゆうメルカリ便」は全国一律料金で利用でき、通常のゆうパケットやゆうパックの配送料金との差額はメルカリが負担する。A4サイズ・厚さ3cm・1Kg以内のゆうパケットのサイズであれば、メルカリ便の中でも最安値の175円(税込)で発送できる。出品者も購入者も住所・氏名のやり取りをせずに匿名で利用でき、購入者は郵便局、ローソン、ミニストップ、はこぽすでの受け取りが可能だ。

これまでメルカリでは、ゆうゆうメルカリ便と同じく、宛名書きが不要で匿名配送が可能、全国一律送料の配送サービス「らくらくメルカリ便」をヤマト運輸との連携で提供してきたが、自宅以外での商品受け取りが可能となるのは、ゆうゆうメルカリ便が初めてだ。

ラクマも、これまでヤマト運輸との提携で提供してきた全国一律送料の配送サービス「ラクマ定額パック」に、ゆうパケットと「らく得パック」を追加する。ゆうパケットの利用料金は全国一律180円(税込)、縦・横・高さの合計が100cm以内で30Kgまでのサイズのらく得パックは全国一律680円(税込・2017年内に料金改定予定)となる。ラクマ定額パックでも、ゆうパケットおよびらく得パック利用の場合は、郵便局、ローソン、ミニストップ、はこぽすで受け取ることができるようになる。

フリルでも、ヤマト運輸のネコポス、宅急便コンパクト、宅急便を利用できる全国一律送料の配送サービス「かんたんフリルパック」を提供してきた。7月上旬からスタートする「かんたんフリルパック(日本郵便版)」では、ゆうパケットの料金は全国一律179円となる予定だ。

フリマアプリ「メルカリ」、家具や家電の梱包・配送から開梱まですべて“お任せ”の「大型らくらくメルカリ便」を開始

メルカリ取締役社長兼COOの小泉文明氏(左)とヤマトホームコンビニエンス代表取締役社長の市野厚史氏(右)

これまでも「らくらくメルカリ便」の提供などで連携してきたメルカリとヤマトグループ。今度は大型商品の取引に向けた新サービスの提供に乗り出した。メルカリとヤマトホールディングス傘下のヤマトホームコンビニエンス(YHC)は4月17日、フリマアプリ「メルカリ」において、「大型らくらくメルカリ便」の提供を開始した。

メルカリの月間流通額は現在100億円、1日の出品数は100万品超へと成長した。そんなメルカリ上で、出品者が商品を送る際に活用されているのがらくらくメルカリ便だ。メルカリのユーザー(出品者)がクロネコヤマトの営業所や取扱店であるコンビニに商品を持ち込めば、宛名書き不要かつ匿名・全国一律の送料で配信できるサービスとなっている。僕も昨年、実際にサービスを利用したのだけれど、営業所のスタッフから「(らくらくメルカリ便の)配送数は確実に増えている」という話を聞いた。実数こそ出していないがメルカリも「ユーザーの皆様から大変好評をいただいております」としている。

ただこのらくらくメルカリ便、取り扱いサイズが最大でも3辺合計160cmまでの商品に限定されていた。家具や家電といった大型商品を取り扱うには、従来通り自分で梱包するか、業者を手配する必要があったのだ。

今回提供を開始した大型らくらくメルカリ便は、そんな大型商品の配送の煩わしさを解決してくれる。出品の際にアプリ上で「大型らくらくメルカリ便」を選択すると、取引の成立後にYHCのスタッフが出品者の自宅に訪問。荷物の梱包から配送までを行ってくれる。届け先では開梱から設置、使用済み資材の回収までに対応する。料金は3辺合計200cmまでで4320円から。メルカリ上では、出品者が設定した商品価格に送料を上乗せした金額が「販売価格」として表示される。

メルカリで自宅発送が可能に、出品者の心理的ハードルを下げる

メルカリが6月20日、自宅から発送できるサービスを開始した。ヤマト運輸との提携で提供する配送サービス「らくらくメルカリ便」の利用者が対象。自宅にいながら出品できるようになったことで、「出品=面倒」という心理的なハードルが下がりそう。

従来の「らくらくメルカリ便」は、ヤマト運輸の営業所かファミリーマートに商品を持ち込む必要があった。今後は出品時に「らくらくメルカリ便」を選択し、配送時にアプリ内で「集荷」を選べば、ヤマト運輸のセールスドライバーが自宅まで商品を取りに来てくれる。

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「らくらくメルカリ便」の「宅急便」と「宅急便コンパクト」が対象。集荷時の料金は、商品持込時の料金と比べて、それぞれ30円高くなる。

サイズ別の料金(カッコ内は持ち込み時の料金)

宅急便コンパクト :410円(380円)

宅急便60サイズ :630円(600円)

宅急便80サイズ :730円(700円)

宅急便100サイズ:930円(900円)

宅急便120サイズ:1030円(1000円)

宅急便160サイズ:1530円(1500円)

「らくらくメルカリ便」は全国均一の料金設定で、ヤマトの通常料金より最大69%オフで利用できるのが特徴。名前や住所を開示せずに匿名で取り引きでき、配送トラブル時にはメルカリが商品代金を全額補償する。

いままでメルカリで1万円以上売り上げた人は177万人ーー。メルカリが6月16日に公開したデータだが、僕もその1人で「らくらくメルカリ便」愛用者でもある。落札後にアプリで生成したQRコードを店頭の端末にかざせば、宛名書き不要、しかもレジ会計不要で発送できるのは、僕にとって「出品=面倒くさい」という印象が大きく変わった。

ただ、唯一不満だったのは、店頭まで商品を持参しなければならなかったこと(重量7〜8kgの漫画全巻セットを運ぶのは、なかなかの重労働だ)。自宅発送が可能になることで、大きな荷物が送りやすくなるし、小さな子どもがいて外出できないという人も、気軽に出品できるようになりそうだ。