コンテンツマーケティング・メトリクス

最近、コンテンツマーケティング関連の記事を紹介すると妙に緊張する私ですが 汗、さて今回は、コンテンツマーケティングの効果測定を考えてみようという記事を。単純なアクセス数やコンバージョン数だけではその価値を測りきれないコンテンツマーケティング、様々なメトリクスをチャート形式で紹介することにチャレンジした内容をHeidi Cohenから。 — SEO Japan

あなたのコンテンツマーケティングは順調?

コンテンツマーケティングがそのビジネスゴールを確実に達成するように、あなたは進捗状況と結果を測定しなければならない。コンテンツマーケティング・メトリクスは、従来のトラッキング分析とコンテンツ制作に関連したより具体的な質問の組み合わせを包含する。

制作に関連したコンテンツマーケティング・メトリクス

あなたのコンテンツマーケティングプログラムにおける、従来のマーケティング・メトリクスにはないソフトな要素をトラッキングすることから始めよう。これらの因子は、あなたのプログラムのコンテンツがあなたのゴールとターゲット市場のニーズを基にしたそのビジネス目標に見合っていることを確かめるために検証することを目的とする。ここでは、あなたのコンテンツマーケティングの量と質を評価するための7つのコンテンツマーケティング・メトリクスを紹介する。

  1. どんな種類のコンテンツが作られるのか? 情報カテゴリを明確に考え、種類ごとにコンテンツをトラッキングする。どれくらいの頻度でコンテンツは作られるのか?もしくは、アップデートされるのか?これらのアップデートは何によって決まるのか?
  2. どんなコンテンツの形式が作られるのか? 例えば、ブログ記事、写真、動画など。
  3. 誰がコンテンツを作るのか? 具体的に誰がコンテンツ開発に責任を負うのか?これには、部署による社内リソース、外部代理店、顧客、大衆が含まれる。顧客もしくは大衆がコンテンツに貢献するのか?もしそうなら、どんな種類のコンテンツで、どれくらいの量で、どれくらいの頻度なのか?コメント、採点、レビュー、投票、アンケート結果を見落とさないこと。
  4. コンテンツはどこに置かれるのか? オウンドメディアなのか、サードパーティメディアなのか、ソーシャルメディアなのか。 全てのオンラインコンテンツとソーシャルメディアと同様に、コミュニケーション、製品パッケージ、店舗情報のようなオフラインコンテンツも含めること。
  5. コンテンツにブランドが組み込まれているか? あなたはこのブランド・インパクトをどのようにトラッキングするのか?このブランディングは、それがあなたの会社の情報として認識されることを確実にするためにさらなるクリエイティブな作業を必要とするのか?
  6. コンテンツマーケティングがどのように製品もしくはオンラインプレゼンスと結びついているか? これは、ウェブサイトまたはブログまたはQRコードへのリンクかもしれない。他に必要とされるコンテンツはあるか?
  7. 見込み客をコンテンツマーケティングに引き付けるために関連したマーケティングが必要とされるか? もしそうなら、このマーケティングは全体的なマーケティングプランに組み込まれるか?そのコストは予算に含まれるか?

既存のトラッキング項目によるコンテンツマーケティング・メトリクス

これらは、既存のトラッキングシステムを使用してモニターされるコンテンツマーケティング・メトリクスだ。それらは、5つの基本的なメトリクスカテゴリに分類される。


コンテンツマーケティング・メトリクス

カテゴリ

トラッキングする要素

メトリクス

- 1つのコンテンツにどれくらいの訪問者/閲覧者がいるのか?ユニークビジターの数は?

- コンテンツマーケティングはリード生成を改善したのか?

- 訪問者数、ユニークビジター数

 

- 販売見込み客の数

行動

- 訪問者はコンテンツでどれくらいの時間を過ごすのか?

- 彼らはコンテンツを共有するか?

- 彼らは継続中のコンテンツに登録するか?

- 彼らはあなたが求める次の行動をするか?(あなたは相応しい行動喚起を用意しているか?)

- サイト滞在時間、ページ滞在時間

- ツイート数、Facebookいいね!の数、友人へのメールの数
- Eメールニュースレター、RSS、ダウンロードなど

- アクションの数(固有のプロモコードが重要!)

ブランド・インパクト

- あなたのコンテンツのブランド・インパクトは何か?コンテンツマーケティングはブランディングを改善したか?

- 改善されたブランド・センチメント、購入の意思、ブランド・リコールなど

収益

- コンテンツマーケティングに関連した売り上げはどうか?

- コンテンツマーケティングはコンバージョン率を改善したか?

- アーンド・メディアの価値は何か?

- コンテンツマーケティングが返品商品を減らしたか?

- 合計売上、合計販売数、平均注文数

- コンバージョン率
 
 
- アーンド・メディアのドル価値

- 返品商品の数、返品商品の金額

費用

- コンテンツ制作のコストは?(クリエイティブ、テクニカルサポートなどを含む)

- コンテンツマーケティングは検索マーケティング費用を減らし、結果を改善したか?

- 合計コスト(社内コストに対する社外コストの発生)
 
 
- 検索マーケティング費用、キーワードごとの検索ランキング

あなたがどこから始めるとしても、コンテンツマーケティングプログラムがそのゴールに見合っていることを確かめるために、コンテンツマーケティングプログラムのソフトとハードの両方のメトリクスをトラッキングすることが大切だ。たとえあなたのメトリクスが完璧に満たないとしても、コンテンツマーケティングの結果を測定し始めて、やっていくうちにそれらを洗練していくのだ。

このリストに追加したいその他のコンテンツマーケティング・メトリクスはあるだろうか?もしあるなら、以下のコメント欄に投稿して欲しい。


この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Content Marketing Metrics」を翻訳した内容です。

現状のアクセス解析ツールでは上記のメトリクスを調べるのも手間がかかりそうですが、いずれはダッシュボード化されて簡単にコンテンツマーケティングの効果測定が行えるサービスが登場してくるのでしょうか。今を生きるウェブマーケッターの皆さんはできるところから地道に効果測定しつつ、コンテンツマーケティングに励んでいくしかなさそうですが。。。無駄に思える作業も増えるかもしれませんが、そこから得るものは大きいはず。 — SEO Japan [G+]

データドリブンな未来のSEOを実践するための11の指標

パンダ・ペンギンアップデートに代表されるGoogleの進化とソーシャルメディアの普及に伴うユーザーの変化のダブルパンチで、SEOもこれまでのもう一段階、いや二段階位の進化を求められています。SEOにもコンテンツマーケティングを活用すべきとの話もありますが(コンテンツマーケティングに注力してSEOはそっちに取り込んでいくべき、でも別にいいです)、今回は最近IT業界でバズワード化しているビッグデータのSEO、ならびに検索マーケティングに活用する可能性について考えた記事を。 — SEO Japan

マーケティング業界に参入するには、今が最高のタイミングであり、スリルを味わえる。顧客のデータを集める、新しいデータ主導型のアプローチとインフラは、マーケティングの戦局を大幅に変えており、データがもたらす新たな見解を基に行動を起こすことが出来る人達にとって、大きなチャンスが到来している – マーク・ジェフリー ケイログ経営大学院

ジェフリー氏の指摘は正しいと私は思う – マーケティング業界に参入するには、今が最高のタイミングであり、スリルを味わうことが出来る。

現在、マーケティングのパフォーマンスを計測するコストは低く抑えることが可能であり、また、容易に計測することが出来るため、マーケティングの機会を見つけ、つかみ取るべきである。適切なデータを集めて、分析することが出来れば、より秀でた決断を下し、成功の確率を高められるだろう。

グーグルが、強引な手法を使ってシステムの操作を難しくしているため、次世代のマーケティングは、顧客維持、チャーン、収益性、顧客生涯価値等の従来のマーケティングの計測基準と緊密に統合させるべきである。ビジターの獲得に高額なコストがかかる場合、当該のビジターが、獲得する価値があるビジターである点、そして、ビジターのポストクリックを引き込めば引き込むほど、グーグルに対して、より適切なサイトであるように見える点を確認しなければならない。

それでは、測定し、行動を起こす上で重要なメトリクスを幾つか見ていく。

しかし、その前に….

データドリブンの現状

たとえ一部の検索マーケッターが異なるアプローチを選んでいたとしても、全ての検索マーケッターが、データドリブン(註:データ志向・データ重視的意味ですが、ニュアンスを無くさないよう本記事ではデータドリブンで通します)の考え方を把握しておくべき理由はもう一つある。

それは、グーグルがデータを基に動く企業だからだ。

グーグルの次の一手を読むには、グーグルのように考える必要がある。
グーグルの従業員は、- データ – を考慮し、- データ – に基づいて行動を取る。

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グーグルの元デザイナー、ダグラス・バウマン氏は、ビジュアルデザインの決定において、直観よりもデータにあまりにも頼り過ぎていると感じたため、グーグルを去った。

グーグルのチームは、2本の青い線のどちらが良いのか決めることが出来ない。そのため、2種類の青の間の41の色調を試し、どの青のパフォーマンスが高いのか確認する。最近は、ボーダーの幅は3ピクセルがいいのか、4ピクセルがいいのか、あるいは、5ピクセルがいいのかで意見が割れ、また、自分の主張の正しさを証明しろと言われた。これでは仕事にならない。このような些細なデザインの決定について議論することに嫌気が差した。もっと刺激的なデザインの問題がこの世の中にはあるはずだ。

データを基に行動を取るのであれ、直観に頼るのであれ、データドリブンの考え方、そして、その考え方がもたらす会社のカルチャーを関連付けることが出来るなら、グーグルをより深く理解することが出来るようになる。検索エンジンのユーザーの満足度は、グーグルのレーダーにハッキリ現れ、グーグルは時間の経過とともにさらに改善し、さらに精度を増していく。

パンダアップデートは、ユーザーエンゲージメントの問題を重要視していた。ユーザーを引き込むことが出来ないサイトが、上位にランク付けされる確率は低い。

インターネットマーケッターのジム・ボイキン氏は、グーグルは「ロングクリック」に興味を持っていると指摘している:

最も基本的なレベルにおいて、グーグルはユーザーの満足度を把握することが出来る。トルストイの言葉を借りるなら、「幸せなユーザーは同じ反応を示す」と言うことだ。ユーザーの幸福感を最も顕著に示すのが、「ロングクリック」である。これはユーザーが検索結果に向かい、理想的には上位の結果をクリックし、戻ってこないケースである。つまり、グーグルはクエリを全うしたことになる。一方、不満を持つユーザーは異なる反応を示す。最も分かりやすいのは、「ショートクリック」であり、リンクに従ったものの、すぐに検索をやり直す行動である。「ユーザーが何かを入力して、すぐにクエリを変更する場合、満足することが出来なかったことを意味する。結果の次のページに進んだ場合も、不満の表れである。グーグルのサービスに対するユーザーの不満を意味する、このような兆候を活用して、調査を行うことで、検索を改善することが出来る。」と(アミット)パテル氏は指摘している。

ブランドに関しては、知名度が高ければ高いほど、トラフィックの一部が事前に認められるようになる。ブランドアウェアネスは、直帰率を下げ、その結果、エンゲージメントのシグナルは改善される

あらゆるサイトが、意図的なブランド関連のトラフィック、そして、一般的な検索のトラフィックを得る。サイトが多くのブランド関連の検索を得ている場合、このタイプの検索は前向きなエンゲージメントの目安となり、サイト全体を押し上げる効果がある。次の表はあくまでも概念を表したものだが、要点を理解する上で役に立つはずだ。ブランドトラフィックが増えるに従い、総合的なエンゲージメントのレベルは上がっていく。

サイトおよび企業のメトリクスが、ビジターの満足度において良好なら – つまり、ビジターが製品を買う/記事を読んでいる/友達に薦めている – グーグルが、関連性のシグナルを高く評価している可能性は高い。ユーザーはサイトに到達し、戻るをクリックしているのではない。サイトに没頭し、時間を割き、サイトについて語り、そして、再びサイトを訪問している。

サイトへの繰り返しの訪問、とりわけ、グーグルにログインしたクレジットカードを登録しているユーザーの訪問もまた、ユーザーが製品を気に入り、求め、そして、高く評価しているシグナルとして、グーグルは注目している。

パンダアップデート以降、SEOでは、ビジターのポストクリックの行動が最も重要視されるようになった。ビジターの満足度を最適化するためには、ポストクリックの行動を計測し、オファーを調整しなければならない。パンダアップデート以降の環境下で、私がうまくいくことに気づいたモデルがデータドリブンのアプローチであり、このアプローチはPPCで主に利用されている。現在もリンクを構築し、有益なページを配信する必要はあるものの、ビジターがサイトにアクセスした後の行動に焦点を絞る必要がある。そのため、私達は行動のデータを集めて、分析し、配信戦略に反映させるようにしている。ビジターが求めるものを確実に提供するためだ。

データドリブンマーケティングとは?

データドリブンマーケティングとは、文字通りデータを集めて、分析を行い、マーケティング戦略に明晰な見解をもたらす取り組みである。

ビジターにとってどれだけ適切なのかを計測する手段であり、適切であればあるほど、エンゲージメントのメトリクスは上向きになる。過去のビジターの行動を基にサイトを常に調整し、さらに適切なサイトに変えていくことが出来る。

そうすれば、誰でも成功することが出来る。

データドリブンマーケティングは、3つの段階を経て行われる。ビジターの行動を計測し、分析するフレームワークを設定し、ビジターのデータを使って仮定をテストし、そして、コンテンツ、チャンネル、および、オファーを最適化し、最大限の見返りを得る。このプロセスは、PPCで多用されている。

ウェブが登場する以前は、このタイプのデータを得るには多額の投資が必要であった。大企業は、調査の実施、フォーカスグループの決定、そして、フィールドワークの実行をマーケットの市場調査員に任せていた。

最近では、消費者からデータを集め、キャンペーンを調整する取り組みは、分析ソフトを起動させ、行動を観察するプロセスを作って、結果を基にアプローチを修正するだけで済む。貴重なデータの分析およびマーケティングが、少ない予算で実施することが出来るようになったのだ。

にも関わらず、多くの企業がデータドリブンマーケティングをいまだに実施していない。

また、実際に実施ている企業の多くは、適切なデータを計測しているとは言い難い。適切なデータを獲得し、分析することで、競合者の大半よりも優位な状況に身を置くことが出来る。

マーク・ジェフリー氏は著書「データドリブンマーケティング」の中で、フォーチュン 500でパフォーマンスが低い企業は、平均的で予算の4%をマーケティングに割り当て、一方、パフォーマンスの高い企業は、平均で20%以上をマーケティングに割り当てていると指摘している。パフォーマンスの低い企業は、需要の生成 – セールス、クーポン、イベント – 等に力を入れ、一方のパフォーマンスの優れた企業は、ブランドおよびマーケティングのインフラに焦点を絞っている。インフラには、マーケティングのデータを手に入れ、分析する上で必要なプロセスとソフトウェアが含まれる。

そのため、より大きな成功を収めている会社は、パフォーマンスの低調な企業よりも、ツールとプロセスに資金を投じているのだ。

中小企業に関しては、必要なツールの多くは既に揃っている。適切なデータの取得および分析においては、プロセス、そして、適切な質問を尋ねる取り組みが鍵を握る。

適切な問いとは?

ビジターの満足度を計測し、最適化する上で役に立つ一連のメトリクスが必要である。

ジェフリー氏は、マーケッターの15のデータ分析の領域を特定している。この領域の一部は、検索マーケティングに直接関係しているが、関係していない領域もある。しかし、関係がなくても、少なくとも認識しておく価値はあるだろう。なぜなら、従来のマーケティングマネージャーは、このタイプのメトリクスを利用しているため、検索マーケティングと従来のマーケティングが交差する場所について考える上でインスピレーションを得られるかのもしれないからだ。データドリブンマーケティングを短期で集中的に学び、マーケティング担当者の考えを深く理解したいなら、データドリブンマーケティングを読むことを薦める。

  • ブランドアウェアネス
  • テストドライブ
  • チャーン
  • 顧客満足度
  • テイク率(興味を示したものの、実際には行動を起こさなかったビジターの割合)
  • 収益
  • 正味現在価値
  • 内部収益率
  • 資本回収
  • 顧客の生涯価値
  • コスト・パー・クリック
  • トランザクションコンバージョン率
  • 広告利益
  • 直帰率
  • 口コミ(ソーシャルメディアの接触範囲)

このリストを再定義し、ビジターのエンゲージメントおよび満足度に関して、サイトおよびオファーを最適化する取り組みにおいて、現実的に利用することが可能な一部のメトリクスに絞って、話を進めていく。この取り組みを実行に移すことで、おまけとして、グーグルが求めており、上位にランクインする際に役立つ、適切な関連性(相応しさ)のシグナルも得られる。因みに、メトリクスの大半は、PPCをベースとしている。

まずは、…ダッシュボードが必要である。ダッシュボードとは、一目で、時間の経過とともに計測された進捗状況を見ることが出来る場所を指す。第三者のツールから選ぶことも、あるいは、自分で作ることも出来るが、重要なのは、ダッシュボードを手に入れ、利用することである。ビジターのエンゲージメントに関して、現状、そして、今後の方向性を計測する手段が必要である。

1. トラフィック Vs リード

トラフィックは、ディスプレイおよびブランディングにおいては、有効である。サイトが、サイトのビューの数に応じて収益を上げている場合、トラフィックを計測することになる。

その他のサイトにおいては、トラフィックとリードを組み合わせることで、重要な情報を得ることが出来る。トラフィックが増加しているものの、リード – もしくは理想的な行動の測定値(ここでは総称してリードと呼ぶ)が変化していないなら、そのトラフィックは価値があると言えるだろうか?リードが完了した数を記録すると、トラフィックの価値を把握することが出来る。トラフィックが高いものの、エンゲージメントが低いなら、ビジターは戻るをクリックしている。これはグーグルにとって望ましいシグナルとは言えない。

また、このデータは、オファーおよびコピーの調整とテストのベースとなる。エンゲージメントは、コピー/オファーを調整した後、増加/減少しただろうか?

2. 検索チャンネル Vs その他のチャンネル

検索トラフィックは、例えば、ソーシャルメディアのトラフィックよりも、より多くのリードをもたらしているだろうか?その他のチャンネルよりも多くのリードを与えているだろうか?多くのリードをもたらしているなら、その他のチャンネルよりも検索マーケティングへの予算を増やす正当な理由になる。

比較/対比することが出来るように、マーケティングチャンネルを分離しよう。

3. チャンネルの成長

SEMのチャンネルは成長しているだろうか、変わっていないだろうか、それとも、その他のチャンネルと比べ、衰退しているだろうか?

ターゲットおよび段階的な目標を定めるべきである。コピーとオファーを調節し、成果を計測するプロセスを作ろう。求める行動へのコンバージョンが高くなればなるほど、関連性のシグナルも高まる可能性があり、より多くの見返りを得られるようになるだろう。

このメトリクスをさらに細かく設定することも出来る。特定のページが、キーワードのクリックの結果として、他のページよりも多くのリードを生成しているなら、チャンネル全体のパフォーマンスを改善するため、どのキーワードの領域を拡大し、活用すればいいのか分かる。ビジターがページからページへとスキップしているかどうかを区別するのは難しいが、サイトのパフォーマンスに貢献しているエントリのページおよびキーワードの目安を得る効果はある。

4. 有料 Vs 自然

検索キャンペーンがPPCとSEOの双方を用いているなら、2つのソースを分ける必要がある。SEOがより多くのリードをもたらしているなら、ブログの投稿、記事、リンク戦略等への投資を増やす方針を正当化することが出来る。

PPCの方が多くのリードを獲得しているなら、PPCのトラフィックに投じる資金を増やし、オファーとランディングページを最適化し、A/Bテストを実施した方が無難である。当然だが、ここで得られた情報をSEOに反映させることが可能である。PPCでコンテンツがうまくいっているなら、少なくとも、エンゲージメントに関しては、SEOでもうまくいく。

5. コール・トゥ・アクション

どうすれば、コール・トゥ・アクションが効果を上げているかどうかを把握することが出来るのだろうか?コール・トゥ・アクションの文言を変えるべきだろうか?どのコール・トゥ・アクションが、最も望ましい成果を上げるのだろうか?どの位置が良いのだろうか?リンクの色は結果に影響を与えるだろうか?

このタイプのテストはPPCでは浸透しているが、SEOではあまり行われていない。SEOのページがこのような方針で最適化されているなら、エンゲージメントのレベルを高めつつ、クリックバックを減らすことが出来るだろう。

6. 再訪

ビジター全員が初めてサイトを訪問し、二度と戻って来てくれないなら、関連性のシグナルは低い。

だからと言って、サイトが妥当であるとグーグルに見なしてもらうために、必ずしも全てのサイトが多くのリターンビジターを必要としているわけではない – 単発の販売サイトはリターンビジターが少なく、ブログは多い。しかし、当該のサイトが、リターンビジターを得ているサイトのグループに属している場合、比較されてしまう可能性がある。

リターンビジターと初めてのビジターを計測しよう。とりわけ競合者のリターンビジターの比率が高いと思われる場合、ビジターに戻って来てもらえる方法を考えるべきである。

7. コスト・パー・クリック/トランザクションコンバージョン率/広告利益

PPCのマーケッターはこの手のメトリクスには慣れている。クリックごとに料金を支払い(CPC)、ビジターが理想の行動にコンバートすることを祈る。この測定基準とトランザクションコンバージョン率(TCR)および広告利益(Return on Ado Dollars Spent:ROA)とを組み合わせることで、キーワードマーケティングの効果を把握することが可能になる。TCR = トランザクションコンバージョン率とは、ウェブサイトにクリックしてアクセスした後、購入した顧客の確率であり、ROAとは支払った広告投資に対する利益を意味する。

この3つの測定基準は、とりわけSEOへの投資がその他のチャンネルに関連している場合、SEOにとっても、貴重な情報を得る上で役に立つ。コスト・パー・クリックに関しては、キーワードの価値を実証したいなら、アドワーズの相場を用いて、自然のキーワードに割り当てることを薦める。遥かに低いクリック単価でビジターを獲得しているなら、SEOのチャンネルは効果的である。SEOにおけるコスト・パー・クリックは、また、クリック数で分割されたSEOキャンペーンのコストの総額とも言える。

8. 直帰率

パンダ以降、直帰率は、重要な測定領域になると推測する人達が多い。パンダに関係なく、明らかに直帰率を低く抑えておきたいところだ。

上位にランク付けされているものの、直帰率が高い場合、ページのコンテンツが適切ではない可能性がある。アルゴリズムが見る限り、適切なのかもしれないが、ビジターの意図とは一致していないと思われる。このようなページは、時間の経過とともにランキングを徐々に下げる可能性があり、ビジネスにとってプラスに働くことはない。

9. 口コミ(ソーシャルメディアの接触範囲/ブランド)

他の人達の話題に上がっているだろうか?会社名を繰り返し取り上げてもらっているだろうか?頻繁に話題にしてもらっているだろうか?企業名をベースに大勢の人にグーグルで検索してもらうことが出来れば、そのワードを“自分のもの”にすることが出来る。すると、グーグルは当該のサイトを結果で返さなければならなくなる。さもなければ、ユーザーから不十分と見なされてしまうためだ。

以前、口コミを計測する取り組みは難しかったが、最近は、ソーシャルメディア、そして、様々な情報収集ツールのおかげで、遥かに容易に計測することが可能になった。アーロン・ウォールは、SEOにおけるブランドの影響について多くの記事を投稿しているので、この分野に明るくないなら、ブランドの台頭ビッグブランド、そして、パンダを考慮した潜在的なブランドシグナルに目を通しておくことを薦める。

10. 収益

収益が全てである。

収益にプラスの影響を与える点を証明することが出来れば、その検索マーケッターは、慰留され、予算を増額してもらえる可能性は高くなる。これは、ビジネスの収益が増えれば、ビジターが満足している確率が高くなる点を除いて、パンダの最適化とは、直接関係があるわけではない。

利益 = 収入 – 経費。検索マーケティングキャンペーンは、経費よりも多くの収入を得ているだろうか?どのようにこの点を計測し、証明することが出来るのだろうか?検索マーケティングキャンペーンが焦点を絞っているのは、収益性の高い製品だろうか、それとも、低い製品だろうか?どの製品が会社にとって最も利益をもたらすのか理解しているだろうか?顧客は製品にどのような価値を見出しているのだろうか?

このような領域をまとめて計測する手段はない。そのため、測定基準を考慮し、測定する方法を考案し、ダッシュボードに加えていく必要がある。

11. 顧客の生涯価値

重要度の高い顧客もいれば、低い顧客もいる。一部の顧客は、利益につながらない製品やサービスを購入し、二度と戻ってこない。その一方で、最も収益性の高い製品やサービスを買い、何度も何度も戻って来る顧客もいる。

その検索キャンペーンがサイトに迎えているのは前者のタイプだろうか、それとも後者のタイプだろうか?顧客の生涯価値を計算するのは困難であり、検索マーケッターがアクセスすることが出来ない社内のシステムが必要になる可能性がある。しかし、既に会社がこの情報を得ているなら、検索マーケティングキャンペーンのコストの妥当性を検証し、最も見返りの多いキーワードの領域にキャンペーンを絞る上で役に立つ。

一部のメトリクスは、ランキングとは関係なく、マーケティングの価値に着目している。しかし、従来のマーケティングの測定対象、そして、検索マーケティングの測定対象の説明には、共通する点が幾つかある。今回紹介したメトリクスは、利用可能な多くのメトリクスの一部に過ぎない。そこで、皆さんが利用している他のメトリクス、そして、その利用方法を、是非、教えてもらいたい。

ビジターの経験を考慮した最適化

上述した測定基準をテストし、コンテンツおよびオファーを分析 & 最適化すると、収益が増えるだけでなく、ビジターに対する“相応しさ”に関して、ビジターが取るクリック後の行動のおかげで、グーグルの目に、好ましく映るだろう。

この取り組みを適切に行っていれば、ビジターはサイトに没頭する。戻るボタンをクリックするのではなく、サイト上のリンクをクリックし、その他のページに目を通し、フォームに記入し、ページをブックマークし、ソーシャルメディアで他の人達に伝えてくれるだろう。これは全てエンゲージメントのシグナリであり、エンゲージメントのレベルが高ければ高いほど、通常は、より相応しいページだと考えられる。

これは、たとえ検索チャンネルにこだわり、SEOを前面に押し出していたとしても、SEO主導のマーケティングのアプローチよりも深い領域に達する(SEO主体のアプローチは、最近までは確かに有効であった)。データドリブンのマーケティングでは、新しいユーザーおよび初めての訪問だけでなく、リターニングビジターおよびその後のエンゲージメントのレベルを重要視している。検索エンジン経由のビジターは、初めてのクリックおよび閲覧を遥かに超える価値を持っている。

データドリブンのコンテンツおよびオファーの最適化は、今後のSEOのあるべき姿と言えるだろう。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Post Panda: Data Driven Search Marketing」を翻訳した内容です。


しかしこの記事を読んでいると、ますますSEOの範疇がわからなくなってきますね 汗 Googleがクリック後のユーザー行動をある程度監視しており検索結果にも影響を与えているであろうことは以前からいわれていましたが(どれ位はともかく)、これこそ正にビッグデータの本格活用。ウェブマスターとしては少なくとも自身のサイトのユーザー行動をきちんと分析して、それをサイト改善・ユーザー行動のさらなる喚起に活かしていくことがウェブサイト成功の王道でもあり、そしてSEOの成功にもつながるようです。

これはこれで真実と思いますが、しかしこういう記事を読んでいると私も意見しておいてなんですが、最近色々いわれている***マーケティングとかどうでもいいというか全部まとめてもう一回ウェブマーケティング一言でリセットしなおしても良いんじゃないかという気もしてくる私でした。なんて、最近はオフラインマーケとかも増えているので面倒ですが。。。ま、言葉の定義考える暇があれば戦略立案と実行、後は改善サイクルの繰り返しに時間をかけたい私です。 — SEO Japan [G+]

完全版GoogleウェブマスターツールSEO活用ガイド

ウェブマスターなら誰もが活用したいグーグルのウェブマスターツール。SEO本格的に取り組まなくとも、グーグルでのサイトの登録状況が様々な側面から把握できるこのツール、意図しないペナルティ等も増えている最近、最低限理解&設定しておきたい項目を厳選して紹介します。機能が豊富すぎてどこから手をつけたらよいかわからない、というあなたもまずはこれを読んで基本を押さえるべし。 — SEO Japan

グーグルウェブマスターツール(WMT)は、強力な味方になり得る。しかし、ミスをすると、もしくは、間違った使い方をすると、SEOにマイナスの影響をもたらす可能性がある。この記事では、ウェブマスターツールの利点を完全に利用していない人達のために、ウェブマスターツールの基本的なSEOガイドを提供したいと思う。

これから説明するツールの一部は、その他のツールよりもサイトにより大きなダーメージをもたらすことがある点を指摘しておく。また、それぞれのツールやレポートに対する記事が既に投稿されている可能性もある。このウェブマスターツールのSEOガイドは、鋭い見解を交えた要約だと思ってもらいたい。

SEO Guide to Webmaster Tools

ウェブマスターツールのSEOガイド

メッセージ: スパムの警告 & その他の通知

優先順位: 中/高

サイトに問題が見つかると、グーグルがウェブマスターツールにeメールを送信することは、よく知られている。ウェブマスターツールのメッセージを頻繁にチェックしていない場合、重要な情報を見逃してしまう可能性がある。

重要メッセージの例として、不自然なリンクの通知が挙げられる。このようなメッセージは、重大な問題を示唆する場合もあれば、結果的に何も起こらない場合もある。特定の状況に対処するグーグルの計画に左右される。いずれにせよ、このタイプのメッセージを受信したなら、その理由を解明するべきである。

Bad Link Warning

リンク警告

設定

優先順位: 高

設定のタブでは、- 地域ターゲット、使用するドメイン、そして、クロール速度の3つの設定を行うことが出来る。

地域ターゲット

グーグルは次のように指摘している。「お客様のサイトで汎用的なトップレベル ドメイン(.com、.org など)が使用されている場合は、地域ターゲティングの情報を基に グーグルでは検索結果へのお客様サイトの表示方法を決定できます。地域ターゲティングにより、地域に関連する検索結果の精度も向上します。お客様のサイトを特定の地域に関連付けたくない場合は、[指定なし] を選択してください。」

この項目を設定して、意図する地域のマーケットに狙いを定めよう。

使用するドメイン

グーグルはこの項目について、「使用するドメインを http://www.example.com と指定し、グーグルが検出したサイトのリンクが http://example.com である場合、この 2 つのリンクは同一と見なされます。」と説明している。

私は使用するドメインに関しては、ウェブサイトをどのようにインデックスして欲しいかを考慮して設定するよう薦めている。こうすることで、wwwと非wwwのドメインの双方の所有権を証明する必要がある可能性がある。

クロール速度

最後の選択肢は、クロール速度である。グーグルは、「グーグルでは、サーバーの帯域幅に大きな負荷をかけることなく、サイト内のできるだけ多くのページをクロールすることを目標としています。サイトのクロール速度(クロール処理での グーグルのリクエストの速度)は、www.example.com や http://subdomain.example.com のようなルート レベルまたはサブドメイン レベルのサイトで変更できます。新たにカスタマイズしたクロール速度は 90 日間有効です。」と説明している。

大抵の場合、ウェブマスターは、グーグルにそれぞれのウェブサイトに対するクロール速度の選択をグーグルに任せている。しかし、一部のケースでは、グーグルボットが問題を起こす可能性があり、その場合は速度を変えなければならない。

Settings Webmaster Tools

ウェブマスターツール – 設定

サイトリンク

優先順位: 中

あらゆるウェブサイトのオーナーが良質なサイトリンクを求めている。ちなみにサイトリンクとは、グーグルの検索結果でドメイン名の下に表示されるリンクのことである。

小さなサイトリンク:

Small Sitelinks

小さなサイトリンク

大きなサイトリンク:

Big Sitelinks

大きなサイトリンク

サイトリンクは、特定のクエリに対して、ドメインが持つオーソリティの高さに基づいて決定される。サイトリンクを構築して、オンラインの評判管理を支えているウェブサイトは多い。ネガティブな情報をページの下の方に下げることが出来るためだ。

サイトリンクがどのように表示されているにせよ、ウェブマスターツールのこのセクションで、サイトリンクを降格させることが出来る。従って、何らかの理由で表示させたくないサイトリンクがあるなら、削除しておこう。

ここで一点注意しておきたいことがある。1本のサイトリンクの順位を下げた結果、全てのサイトリンクが数ヶ月間に渡って表示されなくなったケースがある。そのため、軽はずみな気持ちで、順位を下げるべきではない。

Sitelinks Webmaster Tools

ウェブマスターツール – サイトリンク

URL パラメータ

優先順位: 高

ウェブマスターツールでは、URL パラメータを指定し、クロールするべきURLとするべきではないURLをグーグルに伝えることが出来る。これは非常に強力なツールになり得る。しかし、失敗すると、サイトの大半がインデックスから削除されてしまう。

個人的には、このツールの利用を避けるべきだと思う。このツールが役に立つ問題に直面したなら、rel=canonical、no index/no follow、301 、または、robots.txtを使う方が無難である。

このツールを利用する必要がある場合は、適切に設定していることを確認してもらいたい。また、ウェブサイトのURLの構造を熟知していることが、このツールを利用する上での大前提だと言っておこう。

サイトのURLの構造がクリーンであり、適切な人物が利用しているなら、役に立つだろう。

URL Parameters

ウェブマスターツール – URL パラメータ

アドレス変更

優先順位: 中

引っ越しするなら、適切にその旨を伝える必要がある。

この項目についてグーグルは次のように説明している。「新しいドメインにサイトを移す際、アドレス変更ツールを使って 、グーグルに新しいURLを伝えることが出来ます。グーグルは、インデックスを更新し、新しいURLを反映させます。変更は180日間に渡って有効であり、その頃までには、新しいURLのページをクロール & インデックスしているはずです。」

Change of Address

ウェブマスターツール – アドレス変更

過剰な量のクロールのエラー

優先順位: 中

ウェブサイトの動きが悪く、定期的にエラーが発生しているなら、対処するべきである。しかし、現実には、エラーに対処していないウェブサイトが多い。ユーザビリティに悪影響を与えるエラーは、顧客の損失につながりかねない。

Crawl Errors WMT

ウェブマスターツール – クロル エラー

クトールの統計情報

優先順位: 中

このレポートは、1 日あたりのクロールされたページ数、1 日にダウンロードされるキロバイト(KB)数、そして、ページのダウンロード時間 (ミリ秒)を報告している。偶然にも、ページのダウンロード時間を伝えるレポートが新たにグーグルアナリティクスに導入されている。個人的には、アナリティクスのレポートの方が遥かに質は高いと思う。しかし、このタイプのレポートは、全体的に有効だと言えるだろう。レポートを確認する際は、次のように考えてもらいたい:

  • クロールされるページが多ければ多いほど良い(グーグルがコンテンツに興味を示し、チェックしている)
  • ダウンロードされるページが多ければ多いほど良い(無視しても良い領域でグーグルが時間を無駄に費やす問題が発生していない場合)
  • ダウンロードに費やす時間が短ければ短いほど好ましい。ご存知のようにページスピードはSEOの要素である。しかし、特定のメディアのダウンロードに時間がかかる可能性もある。

注記: 上述した原則は、全てのウェブサイトに当てはまるわけではない。あくまでも一般的な目安である。

Crawl Stats

ウェブマスターツール – クロールの統計情報

ブロックされたURL

優先順位: 中/高

このレポートでは、robots.txtによってブロックされたURLを確認することが出来る。一部のケースでは、ブロックされるべきではないサイトの領域が表示されることもある。このケースに該当する場合は、ブロックを解除する必要がある。

 

Blocked URLs

ウェブマスターツール – ブロックされたURL

Fetch As Google

優先順位: 高

Fetch as Googleは、グーグルのようにウェブサイトのページを取得することが出来るツールである。ページがアクセス可能かどうかを調べたい場合、このツールは大いにプラスに働く。大規模なサイトの場合、様々な取り組みが行われており、このシンプルなツールが頼りになることがある。直接的な答えを得られるからだ。当該のページをグーグルが取得することがどうかが分かる。

また、このツールには、グーグルボット-モバイルとして、ページをフェッチするオプションも用意されている。モバイル向けの最適化の異なる形式に対して、必要な要素が存在するため、このオプションは大いに役に立つ可能性がある。

Fetch as Google

ウェブマスターツール – Fetch as Google

 

インデックスステータス

優先順位: 中

インデックスステータスのレポートは、グーグルがウェブサイトで見つけることが出来るURLから、何本のURLがインデックスされているのかを報告する。

このレポートを利用することが可能な用途の例を一つ紹介しよう: サイトマップに300本のURLを抱えていると仮定する。この300本のURLは、インデックスしてもらいたいURLであり、また、恐らく、サイト上に存在することを把握しているURLだと考えられる。しかし、インデックスレポートは、20,000本のURLから、3,000本のURLをインデックスしていると指摘している。

このような不一致が意味することは、サイトが、カノニカルURLや重複するコンテンツの問題を抱えているか、または、ただ単にウェブマスターがサイトでの取り組みをよく分かっていないかのいずれかである。

Index Status Webmaster Tools

ウェブマスターツール – インデックスステータス

マルウェア

優先順位: 高

フォーラムやコメントに誰かがコードを挿入した場合、問題が発生する。グーグルはこの問題に気づき、マルウェアだと判断する。すると、誰かがこのサイトに訪問すると、ユーザーにとって安全ではない旨を説明するメッセージが表示される可能性がある。そのため、マルウェアのレポートを確認する必要がある。

Malware Webmaster Tools

ウェブマスターツール – マルウェア

 

検索クエリ

優先順位: 中

検索クエリのタブでは、グーグルのインデックスでURLが得ているインプレッションとクリックの回数の目安を知ることが出来る。このツールは、上位のクエリを表示し、また、携帯電話、画像、動画、ウェブ、場所、そして、トラフィックに分類されている。

このレポートを確認することで、ランキングとトラフィックの目安を得られる。しかし、信頼性に欠けると言わざるを得ない。このレポートで提供される情報は目安に過ぎない。チャートに大きな変動があるなら、調べてみる価値はある。

Search Queries

ウェブマスターツール – 検索クエリ

 

サイトへのリンク

優先順位: 中/高

ご存知のように、劣悪なウェブサイトから張られたリンクはサイトに害をもたらす可能性がある。一つのキーワードに対してアンカーテキストが多過ぎる(日本語)と、アルゴリズム関連のペナルティを科される可能性がある。ウェブマスターツールのリンクレポートでは、誰がリンクを張ったのかが分かる。また、上位のアンカーテキストの情報も得ることが出来る。上位のアンカーテキスト内に表示されている用語で上位にランクインしていないなら、リンクの一部を削除しておくことを薦める。

この項目では、ウェブサイトに向かうリンクを全てエクスポートし、見直すことが出来る。審査請求を行う前にリンクを無効化する必要がある場合、この項目を時間を割いてよく調べる必要がある。とりわけ、私はこのレポートを見る時、サイトに大量のリンクを向けている質の低いサイトを確認するようにしている。通常、海外の質の低いサイトからのリンクは、グーグルに注意を促す。リンクを評価する方法を延々と語ることも出来るが、このツールが存在する点をここでは知ってもらいたい。

Links to your Site

ウェブマスターツール – サイトへのリンク

内部リンク

優先順位: 中

良質な内部リンクは、グーグルがページを発見する上で大いに役に立つ。また、適切に実施すれば、ランキングアップにもつながる。ページに対するリンク1本1本が、それが、内部リンクであれ、外部リンクであれ、グーグルで上位にランクインするための票の役目を持っている。そのため、内部リンクがもたらす価値についてよく考えてもらいたい。

ページに向けられているリンクが多ければ多いほど、グーグルの目には、ページのオーソリティが高く映る。従って、検索にとって特に重要なページに対して、頻繁にリンクを張るように心掛けよう。しかし、その他の取り組みにも共通することだが、過剰にリンクを張る行為は避けるべきである。妥当な範囲内で内部リンクを行い、その他のページの内部リンクの比率に合わせるように努力しよう。

Internal Linking Webmaster Tools

ウェブマスターツール – 内部リンク

サイトマップ

優先順位: 中/高

サイトマップに関しては、少なくともウェブマスターツールには投稿しておくべきである。これは、基本的なXMLのサイトマップであることが多い。また、画像のサイトマップ、ニュースのサイトマップ、動画のサイトマップ、または、モバイルのサイトマップもまた投稿することが出来る。

いずれにせよ、この項目をチェックして、サイトマップが投稿されているかどうか、エラーが生じているかどうかを確認しよう。サイトマップは多ければ多いほど良い – サイトマップを支えるコンテンツが存在することが条件。

Sitemaps Webmaster Tools

ウェブマスターツール – サイトマップ

URLの削除

優先順位: 中/高

グーグルはURLの削除ツールを用意しており、ウェブマスターは、URLの削除を依頼することが出来る。当然、ウェブサイトを持っていることが条件である。残念ながら、このツールの効果を理解することなく利用している人がいるようだ。以前、ある会社の従業員がこのツールを使って、大規模なウェブサイトのホームページを削除していたことがあった。私がこのリクエストの存在に気づくまで、誰もトラフィックが激減した理由を理解することが出来なかった。

また、先日、あるディベロッパーがこのツールを使って、50本以上のURLを削除していた。全てのURLのページは割と上位にランクインしており、301リダイレクト、または、単純に修正して残しておくべきであった。このツールは強力であり、誰にでも利用させて良いわけではない。

Google URL Removal Tool

ウェブマスターツール – URLの削除ツール

HTMLの改善

優先順位: 中

このレポートはとても価値が高い。グーグルの視点で、ウェブサイト上の重複したコンテンツの形態を見ることが出来る。重複するコンテンツのタイトルタグのリンクをクリックすると、同じタイトルを利用しているページのリストが表示される。これは、カノニカルURLやサイト上のその他の重複するタイトルやディスクリプションを見つける上で大いに役立つ。

HTML Improvements Webmaster Tools

ウェブマスターツール – HTMLの改善 Improvements Webmaster Tools

コンテンツ キーワード

優先順位: 中

コンテンツ キーワードレポートは、ウェブサイトで特に多く利用されているキーワードを報告する。この内容はSEOに影響をもたらす。パンダアップデート以来、ウェブサイトに関連するテーマを持つことが重要になった。

論理的なテーマを持つキーワードのグループを携えることで、グーグルで上位にランク付けされる可能性は高まる。難易度の高いキーワードに焦点を絞っているなら、コンテンツ キーワードレポートに反映されているべきである。

Content Keywords Report

ウェブマスターツール – コンテンツ キーワードレポート

構造化データ

優先順位: 中

構造化データレポートは、グーグルがサイトで見つけた構造化データの数、そして、構造化データが用いられているページの本数を報告する。また、サイトで利用されている構造化データのタイプの数も伝える。構造化データは、競合サイトから差別化する上で効果があり、今後、SEOにおいて大きな役割を担うようになるだろう。このタブを見れば、サイト上の構造化データを明確に理解することが出来る。

Structured Data

ウェブマスターツール – 構造化データ

データハイライター

優先順位: 中

データハイライターは、コーディングに自信がないウェブマスターにとって貴重なツールである。このツールを使うと、サイトに変更を実際に加えることなく、構造化データをウェブサイトに適用することが可能になる。現在、利用することが出来るのは、イベントの構造化データのみだが、今後、グーグルが構造化データを加えていく可能性はある。

Data Highlighter

ウェブマスターツール – データハイライター

 

その他のリソース

優先順位: 中

その他のリソースには、3つのツールが用意されている。一つずつ簡単に紹介していく。

リッチスニペットテストツール

これは、グーグルが正確に構造化マークアップを解釈し、表示していることを確認するためのツールである。

グーグルプレイス

グーグルが提供するこの無料のローカルプラットフォームはグーグル+になったものの、ここではグーグルプレイスと表記されている。アップデートしてもらいたいものだ。

Google Merchant Center

これは製品データをアップデートするための場所である。先日のアドワーズの統合により、このアカウントをアドワーズに接続して、グーグルショッピングで良好なパフォーマンスを実現することが重要になった。この点に関して詳しく知りたい方は、この分かりやすいスターターガイドを参考にしよう。

作成者の統計情報

優先順位: 中

このページには、作成者(オーサー)のプロフィールがウェブサイトに適切に接続されている場合、スタッツが表示される。新しいウェブサイトにrel=”author”を設定する際に私はこのツールを多用した。全て適切に設定され、準備が整っていることを確認するためだ。

Author Stats Webmaster Tools

ウェブマスターツール – 作成者の統計情報

カスタム検索

優先順位: 低

グーグルの検索バーをウェブサイトに加えることが出来る点を知っていただろうか?このタブでは、カスタム検索に関する情報を得られる。 私はカスタム検索を複数のサイトに設定したことがあるが、全て問題なく動いている。このツールには、サイトの検索レポートを有効にする利点がある。

Custom Search Webmaster Tools

ウェブマスターツール – カスタム検索

インスタントプレビュー

優先順位: 低

このツールは、Fetch as Googleにとても良く似ている。ウェブサイトを取得し、その後、検索のオンデマンド インスタント プレビュー検索のプリレンダリング インスタント プレビュー、そして、モバイル検索のインスタント プレビューを見ることが出来る。

このセクションでは、取得中のエラーも表示される。ここでは、Ignite Visibilityを例として用いている。ご覧のように幾つか問題は発生していたが、デザイン変更を終えようとしているところであり、今後対処する予定である。下の方には9つのエラーが発生した旨が表示されている。

Instant Previews

ウェブマスターツール – インスタントプレビュー

 

サイトのパフォーマンス

優先順位: 一番低い

グーグルは、サイトのパフォーマンスのサポートを終了している。グーグルはこのセクションで次の情報を提供している。

サイトパフォーマンスはWebmaster Labsの機能でしたが、現在はサポートを終了しています。

サイト パフォーマンスを把握し、改善するには、以下のサービスをお試しください:

  • グーグル アナリティクスのサイトの速度では、ユーザーのページ読み込み時間が測定され、他のユーザー設定速度も測定できます。
  • ページスピードインサイトではページのコンテンツが分析され、パフォーマンス改善のための提案を見ることができます。

ちなみに、私はページスピードインサイトを愛用している。

リンクの否認ツール

優先順位: 議論の余地あり

リンクの否認ツールは、役立つこともあれば、害をもたらすこともある。グーグルでウェブスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、強力なツールだと強調している。しかし、良質なリンクをブロックしてしまうと、ランキングが落ちる可能性はある。質の低いリンクを否認すると、SEOにプラスの影響を与えると見られている。

従って、このツールを利用する際は、リンクの質を理解しておく必要がある。大半のSEOのエキスパートは、質の低いリンクを分析するための基準を用意している。

disavow links tool

このガイドでは多くのポイントを取り上げたものの、他にもこのツールを利用する用途は数多くあり、また、このツールとレポートから得られるメリットも他にも多く存在する。まずは、始めることが最初のステップである。サーチエンジンランドには、グーグルウェブマスターツールの最新情報、そして、ウェブマスターツールを特集したニュースが豊富に揃っており、情報源としても利用してもらいたい。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The SEO Guide To Getting Started With Google Webmaster Tools」を翻訳した内容です。

予想以上に全体を網羅した充実の記事でした。私もブックマークして使いたいと思います。。。 — SEO Japan [G+]

もしもリファラーデータが100%見れなくなったら

Googleアナリティクス等で検索キーワードのデータが以前に比べ大幅に見えなくなっている状況を知りつつも、とりあえずある程度は見えるのでどうにかなるだろう、と思っているマーケッターが大半かとは思います。しかしあのGoogleリーダーでさえ、Googleの方針転換で簡単に終了してしまう時代、検索キーワード、つまりリファラーデータが全く見えなくなってしまう日が来ないとは限りません。今回はそんな検索マーケッター恐怖の日を考えた記事を。– SEO Japan

google-not-provided-200px先日、クロームがセキュアサーチに移行するニュースが報じられ、一部のマーケッターは、ウェブ分析で検索データを利用する取り組みの先行きに懸念を抱いている。

サイトに導く検索は、企業にとって貴重なデータである。消費者の要求とニーズに直接アクセスすることが可能なデータのソースは他にあるだろうか?当然だが、直接消費者に尋ねることが出来る。しかし、消費者は本音を隠す可能性がある。あるいは、答えてくれない可能性もある。ビジターが実施した検索に注目することで、顧客が誰なのか、顧客は何を求めているのか、そして、求めているものを自分達が提供することが出来るかどうかについて、多くの情報を得ることが出来る。

検索マーケッターは、以前からこのデータの価値を認めていた。しかし、検索マーケッターに限らず、従来型のマーケッター、製品マネージャー、カスタマーサポートに至るまで、組織の様々な部門においても、有益な情報を得ることが出来る。誰だってオーディエンスのことをもっと良く知りたいはずである。このデータは非常に魅力的であり、本を一冊書いてしまったほどだ: 「Marketing in the Age of Google

しかし、この情報が姿を消そうとしている。うろたえるべきなのだろうか?このデータを取り戻すために、何かできることはあるのだろうか?

検索データを失いつつある理由

まず、現状を把握する。検索エンジンにクエリを入力し、検索結果内のページをクリックすると、ビジターを当該のページに「照会」(リファラー)したURLは、通常、ビジターが検索したクエリを含んでいる。サイトのサーバーログ内でリファラーのURLを確認し、ウェブ分析パッケージをインストールしているなら、当該のリファラーのURLからビジターが検索したクエリを解析し、便利なレポートとして提供してもらえる。

1年と少し前、グーグルは、特定のケースで、リファラーのURL内に検索用語を含める取り組みを休止した。その代わり、リファラーのURLは、www.google.comと表示されるようになった。ウェブ分析プログラムは、ビジターが検索した用語を把握する手段を用意していなかったため、ビジターがグーグルを経由して訪問したことしか分からなくなってしまった。そのため、ウェブ分析プログラムは、グーグルの自然検索として訪問をカウントし、検索用語を「not provided」と表示するようになった。

それでは、一つずつ特定のケースを振り返っていく

  • 2010年5月 – グーグルは、www.google.comとは別のURLで検索の暗号化を立ち上げた。リファラーのデータから検索用語を外すためには、セキュアサーチにアクセスしなければならかった。
  • 2011年10月: グーグルのアカウントにログインしているユーザーがwww.google.comで行った検索は、グーグルのセキュアサーチに送られるようになった。当時、グーグルは検索の10%がこの取り組みの影響を受けると推測していた。
  • 2012年3月: www.google.com以外のグーグルのサイトで検索を行う場合も(グーグルの米国外のドメイン等)グーグルのセキュアサーチに送られるようになった。
  • 2012年7月: 全ての検索に対してグーグルのセキュアサーチを利用するファイヤーフォックス 14がリリースされた。
  • 2012年9月: iOS 6のサファリが、グーグルのセキュアサーチの利用を始めた。グーグルは、セキュアサーチをモバイルデバイスでは異なる方法で処理しているため、このトラフィックはリファラーのデータには全く反映されず(www.google.com経由だとしても)、ウェブ分析プログラムでは、ダイレクトトラフィックとして計上されるようになった。
  • 2013年1月: クロームの最新版(バージョン 25)は、グーグルのセキュアサーチをアドレスバーでの検索にも適用している(グーグルのアカウントにログインしていないユーザーがwww.google.comで行った検索は、セキュアサーチには送られない)。

グーグルは、セキュアサーチの最新の措置に関して、クロームの公式ブログで説明を行っている。

セキュアサーチのよって曖昧になるトラフィックの割合

それでは、グーグル検索のトラフィックのうち「not provided」として表示されるのは、どれぐらいの割合なのだろうか?そして、このトラフィックはいずれ100%に達するのだろうか?

ご存知の通り、曖昧にされる検索データの割合は、サイトのオーディエンスに左右される。検索を行う際、グーグルのアカウントにログインする傾向があるのだろうか?一部の調査結果によると、ログインするユーザーが急増しており、さらに、右肩上がりで増えていくようだ。しかし、これは緩やかな増加ではなく、各データソースがセキュアサーチに切り換えると、急激に変化し、その後、次の変更が行われるまでは横ばいの状態が続く。

例えば、休暇シーズン中には、iPhoneユーザーのトラフィックの大半は、大勢の消費者が、iOS 6が予めインストールされた最新のiPhoneを購入したため、「ダイレクト」として処理されていた。

さらに多くのデータソースがセキュアサーチに切り換える可能性が高く、今後も不明確なトラフィックの割合は増えていくはずだ。

弊社、Nine By Blueでは、様々な業界のサイト、そして、オーディエンスのタイプの異なるサイトをサンプリングし、現状を把握する取り組みを実施した。思った通り、not providedとして報告される検索の割合は、時間の経過ともに増加していた。私達は、2011年12月、2012年6月、そして、2012年12月の割合に注目し、また、セキュアサーチは当初米国のみに適用されていたため、米国のサイトと海外のサイト(英語)を区別した:

Not Provided Over Time

下の図では、2011年12月と2012年12月のデータを比較している:

not provided

あるサイト(テクノロジーが好きなオーディエンスを抱える)では、グーグルの自然な検索の用語のうち、54%はnot providedとして処理されていたが、大半のサイト(特に消費者を中心としたサイト)では、このように検索用語が表示される検索の割合はずっと低かった。

うろたえるべきか?データを取り戻すことは出来るのか?

うろたえるべきではない。リファラーは確かに素晴らしいデータであり、失うのは痛い。また、曖昧にされるデータの割合は、今後も増加していくだろう。しかし、同じ決定を行い、同じ行動を特定することが可能なデータは、今後も引き続き手に入れることが出来る。

リファラーデータの失うことで、最も懸念されているのは、トレンドを把握することが出来なくなってしまう点である。私は、個別の用語だけではなく、検索クエリのカテゴリに注目するよう常に推奨している。例えばブランドの用語、または、「how to」の検索は、時間の経過とともに減っているように見えるが、実はこのトラフィックの多くは、単純にnot providedとして処理されているだけである。

グーグルウェブマスターツールのデータを利用する

リファラーのデータを取り戻す上で、ウェブ分析プラットフォーム以外のツールに頼る手が考えられる。検索用語はリファラー内に表示されていないことが問題とされているが、グーグルは、今でも検索用語をまとめてクエリログに表示している。グーグルは、このデータをウェブマスターツールの中で用意している(情報開示: グーグルで働いていた頃、ウェブマスターツールの構築に関わったことがある)。

過去90日間の上位2000の検索用語を確認することが出来る。グーグルは、サイトの98%に対して、ウェブマスターツールは検索用語を漏れなく表示すると指摘している。残りの2%は、このデータを最も知りたい大規模なサイトなのだろう。いずれにせよ、完全な検索のデータがウェブマスターツールで提供されていなくても、トレンドは正確である。そのため、オーディエンスが探している情報、そして、低迷しつつあるトピックの分野に関する情報を十分に把握することが出来るはずだ。

私はウェブマスターツールのデータは、とても価値が高いと考えており(先程述べた理由により、私の意見はバイアスがかかっている)、私の会社では、このデータに関する見解を提供する検索分析ソフトウェアを開発した。Blueprint(情報開示: この製品を販売している)は、ウェブマスターツールのクエリデータを論理的なトピックのカテゴリに分類し、長期間に渡って保存する(従って、90日間が過ぎても問題ない)。

ウェブマスターツールは、このデータに対する、通常のウェブ分析プログラムとは異なる視点をユーザーに与え、各クエリのインプレッションのデータ、ランキング、そして、クリックスルー率を表示する。この視点で検索クエリを見ることで、オーディエンスが関心を抱いている事だけでなく、トラフィックの減少が、ランキングの問題なのか、あるいは、ただ単に季節の影響を植えているだけなのかを理解することが出来るようになる。

例えば、以下のグラフでは、2012年のデータ点ごとのブランドのトラフィックを比較することが出来る。ランキングは一年を通じて変動は少ないものの、トラフィックは、検索の量の変化(季節)、そして、検索結果からのクリックスルー率の変化(9月にrel=authorマークアップを追加)による影響を受け、変動が見られる。

Blueprint

有料検索データの利用

先程も申し上げた通り、検索用語のデータを表示しなくなったのは、リファラーのみである。そのため、グーグルのクエリログでは、今でもこのデータが表示されているだけでなく(そして、ウェブマスターツールのソースとして用いられている)、アドワーズでもこのデータの提供が提供されている。有料検索を利用しているなら、自然な検索データと同じようなオーディエンスの見解を得ることが出来るだろう。当然ながら、有料検索を利用していない場合は、役に立たない。

その他の検索エンジンのデータを利用

恐らく、皆さんのサイトの検索トラフィックの大半は、グーグル検索が占めているのだろう。しかし、オーディエンスのことを深く知りたいなら、 – 何を求めているのか、そして、その要求に応じることが出来ているかどうか – ビングが今もリファラーデータを提供している点を思い出してもらいたい。

ウェブ分析データを新たな方法で利用

Not Providedを有益で、実用的なデータに変える方法」には、ウェブ分析のデータの見方に関して、検索用語のリスト以外の解釈が取り上げられている。

今後の行方

セキュアサーチに移行するデータソースが増え続けているため(そして、その他の検索エンジンがこの流れに追随する可能性があるため)、今のうちに計画を練って御くことが肝要だ。現状のプロセスを見直そう。

クエリデータの一部がなくなっても、同じ結論および行動計画が導かれるだろうか?ウェブマスターツールやその他のデータを使って、決定を下すために必要な材料を集めることが出来るだろうか?キーワードリサーチを行い、オーディエンスのデータを増やすことが出来る。また、クエリベースのビューではなく、ページベースのビューに注目することで、サイトの行動に関するデータを得ることが可能だ。何を実現する必要があるのかをじっくり考えて、失われたデータに焦点を絞るよりも、この目標を達成する上で効果のあるその他のデータに着目してもらいたい。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Will [Not Provided] Ever Reach 100% In Web Analytics?」を翻訳した内容です。

何というか、結局、グーグルウェブマスターツール(&解析用の自社製品)のPRに終わってしまった内容の気がしなくもないですが、、、100%リファラーや検索キーワードデータは見えなくなる状態は想像がつきにくいですが、多くの人が利用するRSSリーダーでさえ一瞬で終了を決定してしまうGoogle(RSSリーダー製品市場を破壊した上で!)、ブラウザー(普及が進行中)やウェブマスターツール(既にアクセス解析市場もほぼ破壊・・)にマーケッター軽視の大きな変更があっても不思議ではありませんし、たまに余り喜ばしくはない未来の可能性とその対応策について考えることも、マーケッターにはプラスの作業かもしれません。 — SEO Japan [G+]

Webサイト・ブログ運営の2012年振り返り

ガイアックスはBtoB企業に対してインバウンドマーケティングへの移行支援をしていますが、弊社自身もインバウンドマーケティングを実践しています。

本サイト(inboundmarketing.jp)は2011年7月に立ち上げましたが、昨年はインバウンドマーケティング/コンテンツマーケティングの盛り上がりもあり、アクセス数・リード獲得数が大きく伸びた年でした。

今回はこれからインバウンドマーケティングを実践する方の参考になればと思い、本サイトの2012年の振り返りデータを共有します。

結果サマリー

まず、訪問数・PV数・リード獲得数の数値的な結果です。

  • 1月と11月の比較で、訪問数は2倍、PV数も2倍、リード獲得数は8.5倍に増加
  • ブログの運営体制を変更し、コンテンツ作成を本格稼働させた6月から特に右肩上がりの傾向
  • 7月にはてブ800超の記事があったものの、資料ダウンロードやメルマガなどへの導線がなかったためかリード獲得には貢献せず
  • 逆に、ブログから資料ダウンロードへの導線を強化した10月からリード獲得数が大幅に増加

ソーシャルメディア経由の流入数

本サイトへのソーシャルメディア経由のアクセスを抽出しました。

7月のはてブのホットエントリー入りがあまりにも強力でしたが、瞬間風速的な効果が強いため、記事を出せなかった3~5月はほとんど流入を獲得できていません。

ただ、コンテンツ作成に力を入れた6月以降は、を他社のFacebookページや一般ユーザの方に過去の記事を紹介いただけるようになり、安定した流入が獲得できています。

検索エンジン経由の流入数

別ドメインで運用していたブログの記事をいくつか10月に移行した影響もありましたが、2012年に最も手応えを感じたのが検索エンジンからの流入数増加です。

お客様へのヒアリングから、BtoBのWeb・マーケティング情報への接触はソーシャルメディアよりも検索エンジン経由が圧倒的に多かったため、BtoB関連ワードでの上位表示獲得を当初から強く意識していました。

記事がソーシャルでシェアされるようになった6月以降、大量にシェアされた記事が軒並み検索結果上位にランクイン。予想を超えて検索エンジン経由の流入数が増加しました。

2013年1月には検索エンジン経由の流入数は6,500を超え、資産として順調に積み上がっているのを感じます。

主要キーワードでの検索順位

上位表示を狙っていたキーワードの順位を抜き出してみました。

お客様へのヒアリングから「BtoB ◯◯」のように「BtoB」を掛けあわせての検索が多かったため、ブログ記事のタイトルに「BtoB」をほぼ毎回入れ、見つけてもらいやすくしました。
弊社のお客様では業種や業態よりも自社が「BtoB企業であること」を強く意識しているため、記事がソーシャルメディアでシェアされた際に「BtoB」と入っていた方が目に留めてもらいやすいのでは、という考えもありました。

現在、サイト訪問者の65%がブログを窓口に流入しており、予想よりもはるかに多い割合になっています。また、上記キーワードでのランクインページの大部分はブログ記事です。

人気・不人気記事TOP3

 

ブログが本格稼働した6月からの半年間、計20本の記事を更新した中でのトップ3とワースト3を調べてみました。

トップ3ははてブやソーシャルメディアと相性が良い、デザインやソーシャルメディア系の記事。はてブ、いいね!、ツイートが集まった人気記事は様々なキーワードで検索上位に表示され、数ヶ月前に更新した記事でも未だに月1,000~1,500ほどのアクセスを稼いでいます。

反対に、不人気記事のトップ1・2は共に翻訳記事になってしまいました。

2012年 効果の大きかった施策

「コンテンツが重要!」=「良質なコンテンツを作成すれば大丈夫」となりがちです。

しかし、検索エンジンやソーシャルメディアで「見つけてもらう」施策。サイトやブログ、LPのデザイン・ユーザビリティを改善し、リード獲得率を上げる施策など、いわゆるWeb構築ノウハウの重要性を再認識した1年でした。

下半期、特に効果の大きかった施策を一部ご紹介します。

  • 6月:ブログの運営体制を変更し、コンテンツ作成へのリソース投下を本格化
  • 9月:Webサイトリニューアル
  • 9月:ブログ記事のタイトル方針を検索エンジンで見つけられることを重視したものに変更
  • 10月:ブログ記事の下に資料ダウンロードのバナーを設置
  • 11月:資料ダウンロードのバナー内文言を変更
    → 詳しくは【ABテスト事例】バナー内文言の変更で資料ダウロード数4倍をご覧ください

良かった点

本サイト(サイト・ブログ)を中心にメールマガジン、セミナーなど、インバウンドマーケティングの取り組みを強化した結果、サイト訪問数・リード獲得数の増加以外に以下のような効果がありました。

  • 有効商談率の向上
    →ブログやセミナー、メールマガジンを通じて、弊社をよく知ってもらった後にご相談いただくため、お問い合わせから具体的な商談に結びつくまでの確率が上がりました。
  • 成約率の向上
    →同様の理由で、BtoB企業のWebサイトリニューアル、インバウンドマーケティングへの移行に関するご相談では、商談から受注に至る成約率も上がりました。
  • 社内の営業・マーケティング資産の再発掘
    →ブログやeBookを作成する過程で、社内に眠っていたノウハウの再発見が何度もありました。

改善したい点

一方、コンテンツの更新頻度を上げることには正直、苦労しました。

普段のお客様とのやり取りの中で「こういう情報があれば参考にしていただけるのでは?」というネタは山ほどあるものの、コンテンツに落とすまでには相応の時間が必要です。

社内のノウハウ、事例、TIPSは可能な限り公開していく方針ですが、発信できていない情報がまだまだ多く残っています。

他事業では、外部のエキスパートの方にコラムを寄稿いただいたり、複数人でブログを運営していますが、本サイトもより多くの方にご協力をいただきながらの運営を検討中です。

今後の打ち手

ブログ、eBookなどコンテンツの発信頻度向上

BtoB企業のWeb・マーケティング担当の方が困っていること、知りたいことに答えられる情報をより幅広く揃えたサイトにするため、ブログ・eBookなどのコンテンツ作成によりリソースを投下していきます。

セミナー開催頻度の向上・内容の充実

弊社では、ブログやメールマガジンを通じた継続的なコミュニケーションの後、一度セミナーにご参加いただき、具体的な相談をいただくケースがほとんどです。
ブログ、eBookよりも踏み込んだ情報提供の場、弊社をより深く知っていただく場として、 セミナーの充実を予定しています。

社内調整に使える情報の発信

BtoB企業がテレアポや飛び込みなどのアウトバウンド型営業から、インバウンド型の営業・マーケティングに移行する場合、社内説得が大きなハードルになります。

そもそもWebサイトを充実させることから、コンテンツ発信の重要性を理解してもらうことまで、一歩一歩、成果を出しながら周りを巻き込んでいく必要があります。

2012年後半、インバウンドマーケティングが大きく盛り上がりました。
実践者が増えてくる2013年、ただ単にノウハウや事例を公開するだけではなく、実践する方が社内調整に使っていただけるような形で情報発信していきたいと思います。

今すぐ計測したい9つの検索 & ソーシャルKPI

検索マーケティングに加え、ソーシャルメディアマーケティングも並行して取り組み始めている方も多いことでしょう。そこで気になるのが効果の程なわけですが、検索以上に効果測定のポイントが把握しづらいのがソーシャルメディア。何を指標にソーシャルメディアマーケティングに取り組んだらよいのかわからない、、、今回はそんな悩めるあなたのために、サーチエンジンランドから検索&ソーシャルの代表的KPIを紹介したお役立ち記事を。 — SEO Japan

検索およびソーシャルメディアでの取り組みを計測していないなら、その取り組みが成功しているかどうかをどのように判断しているのだろうか?ビジネスを支えているのか、あるいは、反対にビジネスにダメージを与えているのか、もしくは、何も効果がないのかをどのように把握するのだろうか?

時間と労力が無駄ではなかった点をどのように証明するのだろうか?

ポジティブな成果を得ている点をどのように把握するのだろうか?

そもそも、その取り組みを行う価値があるかどうかをどのように判断するのだろうか?

答え: このような判断を下すことは出来ない

SEO/ソーシャルメディアの成功および失敗を計測する取り組みは、それぞれのキャンペーンを改善し – その戦略がビジネスを前進させる上で役に立っていることを確認する唯一の方法である。

この話をすると: 「計測しているし、目標を設定しているし、tweet1本当たりのretweetの本数も増えているし、サイトのヒット数も毎日増加している。つまり、改善している」と言う答えが返ってくることが多い。

それは素晴らしい。しかし、1万人のフォロワーやサイトのビジターが、ビジネスにとって実際に価値のある行動を取っていない状態なら、その改善に何か意味はあるのだろうか?収益の増加、コストの削減、あるいは、顧客満足度の向上に貢献しているだろうか?

「はい」と答えた人はどのように把握しているのだろうか?

繰り返すが、そんなことは不可能である。実際のデータ、そして、総合的な計画を持ち – 戦略が成長にどのように貢献しているかを示す具体的な証拠が必要である。

フォロワー、ファン、検索エンジンのトラフィック、retweet、そして、購読者の増加は、戦略において重要な役割を担っているかもしれないが、全体像を見るためには、- つまり- このようなアイテムの増加がビジネスにどのように役立つかを知るためには – 視野を広げなければならない。

すべての取り組みは会社の全体的なミッションを反映する

戦略的なソーシャルメディア戦略の定義を取り上げた良質な指針の中で、アンジー・ショットモアーが指摘しているように、会社の全体的なビジョンを基に目標を策定することから始めるべきである。

ソーシャルメディア – そして、SEO – における全ての取り組みは、ビジネスのミッションに一致していなければならない。以下に目標の例を挙げていく:

  • ブランド認知を高める
  • ブランドの信頼を高める
  • ブランドロイヤリティを高める
  • セールスファネルを短縮する
  • リードを増やす/新しいリード生成チャンネルを作る
  • カスタマーサポートを促進(軽減)する: サポート関連のeメールや電話を晴らす、または、サポート用の別の手段を提供する
  • 顧客満足度を高める/顧客との交流を活性化する
  • ユーザーの行動を理解する
  • サービス/製品を販売する

総合的な目標の策定に関しては、先程紹介した「ソーシャルメディア ROI: 戦略的な計画の定義」、そして、リサ・バローネ氏が投稿した「求められる賢いソーシャルメディアマーケティング」を参考にしてもらいたい。

追跡するべき検索/ソーシャル KPIs

目標の策定を終えたら、次に目標と重要な成果(OKR)を達成し – そして、主要業績評価指数(KPI)を見つけ、成功を計測する上で役に立つ手法を選ぶことになる。

注記: 以下のKPIの多くはマーシャル・スポンダー氏が作成した「ソーシャルメディアアナリティクス」で取り上げられている。必要に応じて、より複雑な割合に対する要素を用意した。

1. 検索エンジンのトラフィックを測定する

KPI:

  • 検索エンジン経由の訪問の割合
  • 検索エンジンのビジターによるコンバージョンの割合

2. ビジターのウェブサイトとのエンゲージメントを測定する

KPI:

  • コメントを残したビジターの割合
  • ソーシャルメディアで共有/投票したビジターの割合
  • コンバージョン率:

(コメントの数)

÷

(コンテンツの数)

  • クリックしてアクションを起こした、または、CTA(コール・トゥ・アクション)リンクをクリックしたビジターの割合
  • 1回の訪問ごとの平均滞在時間
  • 1回の訪問ごとの平均のページ閲覧数
  • エンゲージした訪問の数:

 

(エンゲージメントの総数)

÷

(訪問の総数)

3. ウェブサイトでのユーザーエクスペリエンスを測定する

KPI

  • 直帰した訪問の割合(1ページのみの訪問)
  • 結果がゼロであったサイト内部の検索の割合
  • ページが読み込まれるまでに3秒間以上待ったユーザーの割合
  • 特定のページの直帰率(以下の公式のページ X):

[アクションが何もなかった単一のページの訪問の数(ページX)]

÷

[エントリーされたページの訪問の数(ページ X)]

4. 寄付/購入するビジターの人数を測定する

KPI:

  • 寄付した/購入したビジターの割合
  • 寄付/購入のカートページを訪問したビジターの割合

5. ブランドエンゲージメントの測定

KPI:

  • ブランドエンゲージメントの割合:

 

(ブランド検索による訪問数 + 直接訪問の数)

÷

(検索エンジン経由の訪問数 + 直接訪問の数)

6. ソーシャルエンゲージメントを測定する

KPI:

  • ページごとのソーシャルアクションの数:

(ソーシャルアクションの総数)

÷

(ソーシャルボタン付きのページの数)

  • ソーシャルアクション:コミュニティの規模の比率(例 – フォロワー1000人当たりのページのツイートの数、フェイスブックのファン1000人当たりの共有の数 等)

7. ユーザーのサイトの検索経験を測定する

KPI:

  • サイト検索を利用する訪問の割合
  • 1回の検索当たりの閲覧される検索結果の平均
  • 検索結果を見た後にサイトを去るビジターの割合
  • 訪問中に複数の検索を実施するビジターの割合(同じキーワードに対する複数の検索は除く)
  • 検索を行った後のサイトの平均滞在時間
  • 検索を実行した後のビジターが閲覧したページの平均

8. オンサイト動画を測定する

KPI:

9. その他の部分的なKPI

  • Xページ以上閲覧した訪問の数
  • X分/秒以上サイトに滞在した訪問の数
  • 寄付/購入/リードのページに到達した訪問の数

その他の分析ツール

グーグルアナリティクスは、今でも役に立つツールの筆頭格だが、その他の注目する価値のあるサイトおよびツールを紹介していく:

  1. Social Media Metrics プラグイン(グリースモンキー): グーグルアナリティクスでソーシャルシェアの広範なリストを提供する
  2. RetweetRank: retweetされる頻度を計測する
  3. YouTube Insight: 動画の人気、閲覧数等を記録するサイト内分析ツール
  4. ShareThis: コンテンツを容易に共有する手段をビジターに与える。また、グーグルアナリティクスと統合すると、サイトの共有において成功を収めている/人気の高いソーシャルチャンネルを把握することが出来る
  5. Reachli (以前はPinerlyと呼ばれていた)とPinpuff: ピンタレストのアカウントに対する分析レポートを提供する。Pinerlyでは、ピンを選び、「キャンペーン」を作成して、異なるキャンペーンを比較することが出来る

「どんな会社もソーシャルメディアを利用する必要があるため」ソーシャルメディアから距離を置くことは薦められない。また、サイトのビジターが何も買っていないなら、全ての取り組みをSERPで1位を獲得する試みに集中させるべきではない。

ピースを組み合わせ、全体を見てほしい。それぞれの戦略がビジネス全体にどのように貢献しているのかを確認してもらいたい。計測を実施すれば、点と点を結ぶことが出来るようになるはずだ。

少なくとも、なぜSEO/ソーシャルメディアマーケティングを実施しているのか問われた際に – 「みんなやっているから」以外の理由を得られるだろう。

イメージ – ライセンス契約の下、Shutterstock.comのイメージを利用した。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「9 Search & Social KPIs To Start Tracking Right Now」を翻訳した内容です。

検索&ソーシャルと謳っているだけあり指標測定方法が幅広く網羅されており、思った以上に参考になった記事でした。このリストだけ見ると「ここまで計測する必要があるのか」と既に途方に暮れてしまっている方もいそうですが、全部を計測する必要があるとは限りませんし、多くの数値はGoogle Analyticsなどアクセス解析サービスで取れるデータであり、ソーシャルアクションもツイートや「いいね!」などであれば比較的計測しやすい値ですよね。読んで重要と思えた指標からだけでも始めてみれば、あなたのウェブマーケティングもきっと改善するはず? — SEO Japan [G+]

オバマ大統領はA/Bテストでホワイトハウスを勝ち取った?

色々と問題を抱えながらも2期目継続を昨年勝利した米国のオバマ大統領。選挙にかかる費用や綿密に計画されたプロモーション戦略が特に話題になりますが、その一つにA/Bテストを精力的に実施していることをご存じの方はどれ位いるでしょうか?今回は、オバマ大統領が前回の選挙戦で実際に活用していたメールマーケティングにおけるA/Bテストの活用事例を紹介します。 — SEO Japan

2012年大統領選挙は終わったが、だからと言って私たちがもうそこから学ぶことができないというわけではない。

ソーシャルメディアとオンライマーケティングがこれまで以上に重要になっている今、統計データと詳細が、大統領のEメールマーケティングとソーシャルネットワーキングチームがどれくらい効果的だったかについて明らかにしている。

オバマキャンペーンメールの背景にある科学

オバマ/民主党のファンもしくは支持者だった方々、あなたは恐らく選挙までの数か月の間にたくさんのEメールを受け取ったことだろう。また、彼らのキャンペーンにお金を寄付する絶好の機会もあっただろう。

私が“絶好の機会”と言うのは、送信された全てのEメールが、極めて効果的になるような方法で構築され書かれたからだ。

Business Weekが、EメールキャンペーンのEメールの異なるタイトルと言葉遣いのA/Bテストがいかに効果的であるかについて示した素晴らしい記事を出した。

この情報はキャンペーンの最中に発表されることはなかったが、選挙が終わった今、全ての情報が公開されている。それは読んでおくべき優れた記事で、あなたの膨大なリストにメール送信をする前に少ないグループでA/Bテストをすることの重要性を示している。

全てに目を通さずにこの記事から大切なことだけを知りたい?

結論:オバマの資金集めを目的としたEメールチームは、何百もの魅力的な件名をテストした。そして、最も成功したのが、何百万ドルももたらした“Hey”というカジュアルな挨拶だった。

そして、選挙は終わったが…今すぐにでもホワイトハウスからのメールを見ることを止めようなんて思わないこと!


この記事は、Zac Johnsonに掲載された「How Split Testing Won the White House」を翻訳した内容です。

Business Weekで紹介されたオバマ大統領のメールキャンペーンのA/Bテストの結果を紹介しただけの記事でしたが、ここまでリアルなデータを公開していることにまず驚きです。Business Weekの記事により詳細な解説があったので紹介しますが、前回の選挙戦で集めた600億円以上の選挙資金の大半をメール経由で集めたそうです。何百万人というリストに一斉配信する前に18種類前後のサブジェクトの文言を一定のリストで配信テストし、その後、最も効果が高いサブジェクトを採用して一斉配信していたようですね。さらにサブジェクトの文言以外にも募集している金額もテストしていたとか。

20人の専属ライターを抱えていたらしいこの選挙チーム、「テスト前に私たちが予測したサブジェクトラインが勝つことは滅多になく、それが私たちにテストを続けさせた」というコメントも書かれていましたが、どれだけ優秀なライターチームがあっても、きっちりテストをして科学的なマーケティングを実践しているのが日本より一歩も二歩も先を進んでいる感じです。 — SEO Japan [G+]

サイトの配色がSEOとコンバージョンに影響を与える仕組み

以前、色とユーザー行動の関係に関する記事を紹介したことがありましたが、今回は色がSEO、さらにはコンバージョンに与える影響について掘り下げて考えた興味深い記事を。ウェブデザインやユーザー行動に知見が深いSEO業界の超ベテラン筆者が書いただけあり、参考になる点が多し。– SEO Japan

SEOのエキスパートによって、検索エンジンフレンドリーなウェブサイトのデザインと言う用語に対する解釈は異なる。クローラビリティ – つまり、ウェブコンテンツが消費者向けの検索エンジンに確実にアクセスすることが可能なデザインを挙げる人もいれば、検索エンジンフレンドリーなデザインとは、インデクセーション – 要するにウェブページが検索エンジンのインデックスに確実に含まれるデザインを指すと主張するSEOのエキスパートもいる。

Color wheel - image

ユーザーフレンドリー(そして、サーチャーフレンドリー)な色の選定は、通常、技術力に長けたスタッフまたは芸術性に秀でたスタッフによって決められることが多い。しかし、当該のスタッフが、ユーザビリティとSEOに対して色の選択が与えるインパクトを理解しているとは限らない。

SEO vs ユーザビリティを超えた情報アーキテクチャ(日本語)の中でも指摘したように、特殊な用語が出てくる時は、SEOの全体像を理解していない人物と話をしている可能性が高い。

実際のところ、クローラビリティインデクセーション等のSEO用語を一般的に利用するウェブデザイナーはどれぐらいいるだろうか?

ウェブサイトのデザインと開発は、それぞれ異なるスキルではあるが、重複する部分も多くある。アーティストやグラフィックデザイナーの中には、素晴らしい技術的なスキルを持っている人もいれば、その反対のケースも考えられる。そのため、色の選択は、技術力および芸術性に長けたスタッフの手にゆだねられることが多い。

ここでデザイナーとディベロッパーに問いたい: 色の選択が、ウェブ検索エンジンがウェブサイトのコンテンツを解釈し、表示する仕組みに影響を与えることをご存知だろうか?

ウェブ検索エンジンのユーザーが、色の選定をどのように解釈するのか理解しているだろうか?色の選択が、たとえ検索エンジンのランキングが1位だっとしても、コンバージョンにマイナスの影響を与える可能性がある点を理解しているだろうか?

色の選択がユーザビリティに与える影響

先日投稿したクリッカビリティと検索エンジンフレンドリーなウェブデザインの中でも指摘したように、クリッカビリティは、ユーザーエクスペリエンス/サーチャーエクスペリエンスにおける重要なパーツである。

重要なポイントを繰り返す:

  • ウェブページ上のすべてのクリック可能なアイテムは、クリックすることが出来る点が見て分からなければならない
  • ウェブページ上のすべてのクリック不可能なアイテムは、クリックすることが出来るように見えてはいけない
  • ウェブページ上のすべてのクリックすることが出来るように見えるアイテムは、クリック可能であり、反応しなければならない
  • サーチャー/ユーザーがクリックすることを意図していないリンクをページに載せるべきではない

ただし、全てのテキストリンクを青で記載し、アンダーラインを引くべきだと私は主張しているわけではない。そうではなく、クリック可能およびクリック不可能なテキストを同じようにフォーマットするべきではないと言いたいのだ。検索エンジンは、リンクをユーザーから隠し、検索エンジンにだけ見せようとしていると考える可能性があるためだ。

すると、大勢のウェブディベロッパーやウェブデザイナーは必ず呆れた顔で「ちょっと待って!そのデザインの基本は時代遅れだ。カーサー/マウス/指をテキストの上に乗せれば、何をクリックするべきかは分かるはずだ」と叫ぶ。

デザイナーやディベロッパーが指摘しているのは掃海作業(原文:minesweeping)と呼ばれるもので、Usability.govは掃海作業を次のように定義している:

「ウェブページ上でページのどこにリンクがあるのかを特定するための行動。掃海作業には、ユーザーが急いでカーサーやポインターをウェブページ上で動かし、カーサーやポインターが変化して「リンク」の存在を示唆する場所を確認する行為が含まれる。」

私はデスクトップ、携帯電話、そして、タブレットで10年以上に渡ってユーザビリティテストを実施してきた。リンクを探すために掃海作業を実施する人もいれば、実施しない人もいる。因みに掃海作業を純粋に好むユーザーは子供である。

そこで質問だ: ターゲットのオーディエンスに子供は含まれるだろうか?恐らく含まれていないのではないだろうか。

また、ユーザー/サーチャーに掃海作業を求めると、タスクの完了を長引かせてしまう。そもそも、ウェブページ上のアイテムが、クリック可能なことが一目で分からないなら、大半のユーザー/サーチャーはクリックしないはずだ。

そのため、クリック可能な要素およびクリック不可能な要素を色で示すつもりなら、色を途中で変えるべきではない。検索エンジンと検索エンジンのユーザーを混乱させてしまうためだ。

色、視認性 & 可読性

初めて綴った書籍「Search Engine Visibility」の中で、私はウェブデザインの5つのルールを挙げた。1つ目のルールは、読みやすいウェブサイトをデザインすることだ。当然ながら、このルールには次のようなポイントが付随する:

  • 目を通しやすい(ビジュアルの階層)
  • 読みやすい
  • 分かりやすい

色の対比は読みやすさにおいて非常に重要度が高い。最も色の対比が高いのは、白と黒である。一部のウェブデザイナーは、黒い背景に対して白いテキストを利用することを好む。スタイリッシュに見えるからだ。ただし、実際には読みにくく、コンバージョンの低下をもたらす可能性がある。コンテンツをあまりにも読みにくくしてしまうと、リンク構築において最高の結果は期待できない。そして、皆さんもご存知のように、そのリンクの獲得はSEOのプロセスにおいて今でも重要な要素とされている。

それでは、白の背景に薄いグレー等、低いコンストラストの配色を利用しているだろうか?あるいは、ウェブデザイナーが設定したテキストのサイズが小さ過ぎて、何が書いてあるのか分からないだろうか(モバイルデザインで頻繁に目にする)?このようなデザインは、テキストが辛うじて読めるとしても、検索エンジンからはスパムの烙印を押されてしまうこともある。

例えば、レスポンシブデザインを導入するウェブサイトのデザインを行うなら、フォントサイズが特定のサイズを下回らないように私なら注意する。コーディングを簡素化させるために読みやすさと見やすさを犠牲にする方針は、ユーザー中心のアプローチとは言えない。

色は分かりやすく、容易に読み取れなければならない。「色は連想でメッセージを伝える効果がある」とMECLABSのフリント・マクグローリン視は先日開催したウェブセミナー 「ウェブサイトのカラーがコンバージョンに影響を与える仕組みとは?」の中で指摘していた。

例えば、青からは様々な意味が連想される。ネイビーブルーからは、プロ意識、安全、信頼、そして、品位が伝わる。アクアブルーからは異なるメッセージが伝わる(面白い、格好良い、熱帯、水)。また、柔らかいライトブルーからは、男らしさよりも女性らしさを感じられることがある。

従って、検索エンジンと検索エンジンのユーザーにとって読みやすく、そして、分かりやすくなるように、常に色の対比を留意してもらいたい。ウェブサイトの配色を分かりやすくしたいなら、色彩の連想と文化を理解する必要がある。

色彩の連想 & 文化

「大半の国際的なマーケッターは、言語だけでなく、より広範な文化的な問題に対応しなければいけない点を理解している。」とWebCertainのCEOを務めるアンディー・アトキンス-クルーガー氏は指摘している。「しかし、文化を定義することが出来る人は少ない。個人的には「文化」とは、身近な環境であり、私達が慣れ親しんでいるもの、そして、少し奇妙に思えることだと考えている。例えば – ウェブを閲覧していて、奇妙なウェブサイトを見つけることがあるが – これは、恐らく、異なる身近な文化圏の人物が作り出したウェブサイトを見ているためだ。」

Global Search Engine Marketing - book by Anne Kennedy and Kristjan Mar Hauksson実は、私はアジア研究(日本語)の修士課程を卒業しており、アジアの宗教、文学、そして、文化を数年間教えたことがある。

ウェブデザイナー兼SEOとして、赤は中国では幸せ、日本では怒りと危険、そして、インドでは生活と創造性を意味する点を私は心得ている。

米国以外のオーディエンスをターゲットにしているウェブサイトをデザインする際は、同じテンプレートや配色は利用しないように心掛けている。

2012年に気に入ったSEOの書籍「Global Search Engine Marketing: Fine-Tuning Your International Search Engine Results」の一部を以下に掲載する:

Baiduでさえ、中国の文化には、ユーザーの行動に大幅に影響を与えるアイデンティティを形成する意味が幾つか存在すると指摘している。つまり、色、数字、言語等である。

赤が米国ではマイナスなイメージを持たれていることに私は気づいた。アメリカのデザインは青を基調にしていることが多く、スカンジナビア諸国は米国と比べると遥かに複数の色を受け入れる傾向が見られる。」とNordic eMarketingのインターネットマーケティング部門を統括し、また、「Global Search Engine Marketing: Fine-Tuning Your International Search Engine Results」の著者の一人でもあるKristjan Mar Hauksson氏は述べている。

潜在的な文化の問題をリストアップするべきである – これは、信頼の要因と言っても過言ではない。なぜなら、当該の文化圏の人と協力すると信頼が構築され、製品を購入してもらえる可能性が高くなるためだ。」とアトキンス-クルーガー氏は指摘している。「文化に注意していればそれで済むわけではない。色の選定、言語、貨幣の記号、ページの複雑さや安易さ、左から右ではなく右から左に読む方式、暦のフォーマット、型、郵便番号や代わりの番号の形式、クレジットカードの記号、配達の時期、イメージのコンテンツ等、様々な細かいポイントの一つに注意していればいいわけではない。全てが重要であり、総合的に判断される。つまり、私達と同じですか?と言う質問に対する答えである。」

例えば、アイルランドには郵便番号が存在しない(そのため、郵便番号の記入を必須にするべきではない。タイでは、紫は朝を連想させるが、西洋諸国は王族を連想させる。中国で銀聯カードを認めない場合、基本的にビジネスは成り立たない。西洋諸国の企業が左から右へ読むテンプレートを、右から左に読むテンプレートに変える際、暦を変えるのを忘れがちである。また、英国と米国では異なる日付が採用されている。

そこで、読者の皆さんには、色がウェブサイトに与える影響を考えてもらいたい。色は検索エンジンフレンドリーなデザインの重要な要素の一つである。色はリンクの獲得に影響を与える。色はコンバージョンにも影響を与える。また、色の不適切な利用は、検索エンジンのスパムと考えられる可能性がある。色は検索エンジンのユーザーにとって非常に重要度が高いのだ。

参照情報

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Does Color Usage Affect SEO & Conversions?」を翻訳した内容です。

どれもいわれてみると基本といえば基本ですが、様々な内容を丁寧に簡潔にまとめてくれた良記事でした。ウェブデザインの進化の過程で記事にもあるような「掃海作業」をせざるえないデザインのサイトも多かった気がしますが、最近はスマホやタブレット普及やレスポンシブWebデザインの影響なのか、よりシンプルなデザインがトレンドになっているようにも感じます。そんな今だからこそ、よりユーザー心理、行動を意識した配色を心がけたいですね。 — SEO Japan [G+]