アメリカン航空が長距離国際輸送力を75%削減、ダラス/東京は維持

アメリカン航空は米国発の長距離国際便の輸送能力を一時的に75%削減すると発表した。これは新型コロナウイルス(COVID-19)の流行にともなう米政府の旅行制限と需要の低下に対処する措置で、3月16日から実施される。

すでに減便を始めているが、米国時間3月14日に発表された今回の措置は長距離国際輸送能力を75%削減するというものだ。これは3月16日に開始され5月6日まで継続される。乗客と乗員を米国に収容するために、減便の実施は今後7日間で徐々に実施されるという。

アメリカン航空は「ダラス-フォートワース(DFW)からロンドン・ヒースロー(LHR)まで、またマイアミ(MIA)かららLHRまで毎日1便を運航し続ける。DFWから東京・成田(NRT)も週3回飛行し続ける。カナダ、メキシコ、カリブ海、中米、南米北部の一部へのフライトを含む短距離国際便も継続される。アメリカン航空では、前年比で4月の国内能力は20%、5月は30%減少する計画だ。

デルタ、ルフトハンザ、ユナイテッドなどほかの航空会社もキャパシティの削減を勧めているが、アメリカン航空の措置はほかの航空会社の削減を上回るものだ。

この措置は、中国、イラン、ヨーロッパ26か国の市民ならびに最近それらの国に滞在した米国籍でない市民が今後30日間米国に入国することを禁止するというトランプ大統領が先週出した命令に対応したものだ。ヨーロッパからの入国禁止は3月13日にはアイルランドと英国にも拡大された

DHS(国土安全保障省)は、米国に帰国する米市民、永住権者とその近親者に対し、米国への入国には指定された13空港のどれかを利用するよう求める到着制限通告を出した。また入国後の検疫スクリーニングも強化する。 国土安全保障省では、これらの帰国者は最終目的地に到着したら14日間、自発的隔離を行うよう求めている。

今後30日間の旅行制限は米市民や貨物には適用されない。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

アメリカン航空がGoogle Nest Hubの通訳機能を試験導入

米国時間1月7日、デルタ航空はCESでの講演でデジタルサービスに関する最新情報を多数発表した。もちろん競合各社も後れを取るわけにはいかない。だから同日にアメリカン航空がちょっとした、でも実用的な発表をしたのは驚くにはあたらないだろう。アメリカン航空はGoogleと連携し、まず今週、ロサンゼルス国際空港を皮切りに、空港のラウンジでGoogle Nest HubとGoogleアシスタントの通訳モードの試験運用を始める。

これにより、カスタマーサービスチームに複数言語を話せる担当者がいないときでも、顧客に合わせたサービスができるようになる。通訳モードはアラビア語、フランス語、ドイツ語、日本語、ロシア語、スペイン語、ベトナム語など29言語に対応しているので、ほとんどのケースでGoogleアシスタントを利用できるはずだ。

アメリカン航空の最高情報責任者、Maya Leibman(マヤ・リーブマン)氏は次のように語る。「SFの多言語通訳が現実になった。Googleアシスタントの通訳モードのようなテクノロジーを取り入れることにより、私たちは障壁をなくし、安心できる移動のエクスペリエンスを提供し、誰にとっても移動しやくすることができる」。

これは航空会社のエクスペリエンスとして画期的に新しい取り組みではないが、航空業界がテクノロジーを差別化の手段として取り入れ始めていると見ることができる。顧客が搭乗してからできることは限られている(良い座席と食事、そして親切なサービスは有効だろうが)。航空会社は、モバイルアプリなどのタッチポイントを通じたもっと積極的なサービスで、予約や飛行中のエクスペリエンスにとどまらない顧客との関係を望んでいる。このことは今回のデルタ航空の発表からも明らかだし、航空業界各社とも同じ方向へ進んでいる。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

アメリカン航空が衛星ベースWi-Fiを主要機材に導入完了

機材数と旅客数で世界最大の航空会社であるAmerican Airlines(アメリカン航空)は、同社の主要機材である700機以上のナローボディ機(主に国内線を飛んでいるボーイング737、エアバス319と320)に衛星ベースのブロードバンドWi-Fiの搭載を完了した。衛星とつながったこれらの機材では、個人のデバイスにストリームできる12の無料チャネルが提供され、このサービスはこれまで対象外だった国際便でも利用できる。

快適なビジネスクラス席に座って出発前のシャンパンを飲んだりするのでなければ、旅行の目的はなんであれ、飛行機での旅は実際には楽しくもなければリラックスできるものでもない。ただ、もし機内で仕事を済ませなければならないとしたら、速くて安定したWi-Fiを利用できることは大きな意味を持つ。

今日のアメリカン航空の発表は、今回と同じシステムを全ワイドボディに導入したという昨年あった発表に続くものだ。しかし昨年の導入規模は、ナローボディ機のわずか13%にすぎなかった。

1つ記すに値すると私が考えることは、アメリカン航空は最も古いMD-83をこのサービス導入の対象としていないことだ。MD-83機材ではWi-Fiのアップグレードはこれまで実施されていない。というのも近代的なジェットに入れ替えが進んでいるからだ。

Wi-Fiを使えるようにしている技術に関していえば、アメリカン航空はGogo 2KuまたはViaSat Kaを使った衛星ベースのシステムに頼っている。初期の地上ベースのシステムとは異なり、衛星システムはカバーエリアが広く(海上も含む)、接続も安定しているという明らかなメリットがある。この新しい衛星ベースのシステムではまた、接続スピードがかなり速い。アメリカン航空のライバルの一社であるデルタ航空は保有機材のほとんどを衛星ベースのシステムにアップデート中で、その一方でユナイテッド航空の事情はやや複雑だ。

「旅の体験を高めることは、アメリカン航空の最終目標の一つであり、居間と同じレベルのエンターテイメントと接続性を顧客に提供するために懸命に取り組んできた」とマーケティング・ロイヤルティ・セールス担当上級副社長のKurt Stache氏は述べた。「2年もかからずして主要機材へのブロードバンドインターネットの導入を完了し、機内で過ごしてもらうことを大切にしていると顧客に示すために、我々は今後も業界で新たなスタンダードをつくり続けるだろう」。

アメリカン航空はまた、間もなく主要機材とローカル機材2クラスの各座席に電源コンセントを設置する。競合する他の航空会社と同じように、アメリカン航空もエンターテイメントの座席配備のほとんどをやめて、顧客のスマホやタブレット端末にコンテンツを流す個人デバイスエンターテイメントを採用している。またナローボディ機の大半でもタブレット端末所有者にこのエンターテイメントを提供しつつある。

他社と違ってアメリカン航空はチャットアプリへの無料Wi-Fiは提供していない。一般的な無料Wi-Fiもそうだ。それでも、アメリカン航空を頻繁に利用する人なら、他の航空会社が現在も活用している古いシステムから格段にアップグレードされた安定したWi-Fiを使えるようになるのは嬉しいだろう。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)