【レビュー】Angry Miao・Am Hatsu、このメカニカルキーボードは「別格」だ

ここ数年、メカニカルキーボードの市場は活況を呈していが、パンデミックの影響で、多くの人がさらに自宅の設備増強を行っている(補助金の使い道の1つだ)。現在は、AliExpress(アリエクスプレス)の20ドル(約2300円)の特売品から600ドル(約6万9000円)のカルトキーボードまで、キートップやスイッチなどがついていない状態のものも選べる。そんな中に登場したのが、Angry Miao(アングリー・ミャオ)のAm Hatsu(アム・ハツ)だ。アルミニウム製のボディを持つワイヤレスの格子配列式分離型エルゴキーボードとなる。価格は1600ドル(約18万3000円)(なおスイッチとキートップは付いている)。ワイヤレス充電が可能で、同社のCybermat(サイバーマット)を買えば、充電のことを考える必要はなくなる。そのためには、さらに380ドル(約4万4000円)が必要だが。

つまり、2000ドル(約23万円)でまったく新しいタイピング体験と、キツイ学習曲線が得られるわけだが、なかなか慣れるのは難しいだろう。Angry Miaoによると、今のところAm Hatsuの再生産の予定はないとのことなので、二次市場での価格は当初の小売価格よりもかなり高いものになるだろう。

さて、最初にこれだけは言っておきたいことがある。これにお金を払う価値があるかどうかは、自分自身で判断するしかない。この価格では初めから却下するか、賢い暗号資産投資をした自分へのご褒美に衝動買いするかのどちらかだと思う。その中間に購買層があるのかどうかはわからない。

画像クレジット:TechCrunch

メカニカルキーボードが初めてで、自分でカスタマイズしたいのなら、250ドル(約2万9000円)以下ですばらしい体験を得られる。例えばGMMK ProKeychron Q2(または次世代のQ3)、Cannonkeys Bakeneko65(キャノンキーズ・バケネコ65)などだ。あるいは、カスタマイズもいらないという人は、Leopold(レオポルド)やDucky(ダッキー)を買って済ませれば良い。しかし、分離型エルゴキーボードを購入しようとすると、選択肢は少なくなってしう。それでも似通ったErgodox EZ(エロゴドックスEZ)やZSA Moonlander(ZSAムーンランダー)がはるかに安価に提供されているし、さらに優れた点もいくつか持っている。また一体型ではあるが、Kinesis Advantage 2(キネシス・アドバンテージ2)が同じような凹型格子配列式を採用している。また、ただ格子配列式キーボードに触れてみたいだけなら、Drop Planck(ドロップ・プランク)やPreonic(プレオニック)が入門用としては最適だろう。

あまり聞いたことがないかもしれないが、Angry Miaoはメカニカルキーボードの市場ではまったく新しい存在というわけではない。背面に大型のLEDパネルを搭載したCyberboard(サイバーボード)は、カルト的な人気を博し、好評のうちに3回の生産分を完売した。2022年3月には映画「マトリックス」をテーマにした新しいCyberboardが発売されるそうだ。

Angry MiaoのCyberboard(画像クレジット:Angry Miao)

Am Hastuは、Cyberboardとは異なる市場向けであり、万人に適しているわけではない。この新しいレイアウトを使いこなせるようになるだけでも大変なことだ。左右に別れた従来型の千鳥格子式キーボードに比べて、直線状に配置されたキーのおかげで、肩の筋肉の緊張を緩めることが可能で、手首をほとんど動かさずに済むというメリットがある。しかし、右手の親指でスペースやCTRL(コントロールキー)を押したり、左手の親指でバックスペースやエンターキーを押したりすることを、再学習することを考えてみて欲しい。またその次には、数字を入力するためのレイヤリングシステムを学ぶ必要がある。なぜならAm HatsuにはF(ファンクション)キーや矢印キーはもちろん、数字キー列も無いからだ。メカニカルキーボードのコミュニティで「65%キーボード」が人気なのには理由がある。65%キーボードは(Fキーは除くが)矢印キーや数字キー、そしてページアップ、ダウンのキーもコンパクトに収納している。

私は現在、Am Hatsuを1週間使ったところで、レビューをタイプしているところだ。しかしこの内容は気の弱い人向けではない。私の普段のタイピング速度は、1分間に80~90語程度で、特別なものではない。それが使い始めには15語近くまで下がり、1週間後には徐々に30語へと戻った。良いとは言えないが、Am Hatsuを非難したいわけでもない。それは慣れの問題なのだ。

画像クレジット:TechCrunch

だが、思い切って購入してみると、ハード自体は本当に美しいのだ。Angry Miaoは、Am Hatsの特徴的なアルミボディが5軸CNCマシンでどのように加工されたかについて、饒舌に語っている。それは簡単なプロセスではないことを示している。このビルドクオリティは別格だ。これに匹敵する分離型エルゴキーボードは見つからないと思う。Angry Miaoによると、このデザインはHBOのSFドラマWestworld(ウェストワールド)にインスパイアされたものだという。白と黒の配色や全体的なデザイン言語がそれを物語っているような気がするが、大事なのはそれだけではない。Angry MiaoのNFT(非代替性トークン)スキームについてはあまり語らない方がいいと思うが(これはすべてのNFTに言えることだ)、このキーボードを手に入れるためには、基本的にOpenSea(オープンシー)でNFTを購入し、それを物理的なボードと交換する必要がある。

デザインは、各半分の内側にあるオンオフを示す内側の小さなLEDの帯によってアクセントがつけられている。このLEDはそれぞれの充電状態も示している。特に邪魔にならず、キーボードに彩りを添えてくれる存在だ。

バッテリーはフル充電から約2週間の日常使用が可能とされている。Cybermatを使う場合は、そこから充電が行われるので充電状態を気にする必要はなくなる。それ以外の手段としては、両サイドの下部にUSB-Cポートがある。それはあまり便利とはいえない場所だ。これは、Cybermatsをより多く販売するための手段なのか、それとも機能よりもデザインを優先させた結果なのか。デザインチームは明らかにポートやネジを隠そうとしており、充電ポートがあるのは底面だけになっている。Appleの悪名高いMagic Mouse 2(マジックマウス2)を見習ったのかと思ってしまうほどだ。

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しかし、Bluetooth接続は非常によく機能し、遅れを感じることはなかった。なお予想通り、パソコンに有線で接続してもキーボードは使えない。Bluetooth専用なのだ。

理解はできるが気に入らないデザイン上の決定は、1600ドル(約18万3000円)もするのに、Angry MiaoのIcy Silver(アイシーシルバー)というスイッチしか使えないということだ。これはリニアスイッチだ(Cherry Brown[チェリーブラウン]スイッチのような触覚的な切り替わりはない。Cherry Brownが客観的に見て最悪のスイッチであるというジョークを思い起こすことにしよう)。私はリニアスイッチが好きなので、これはこれでいいのだが、このボードはいわゆる「ホットスワップ」ではないので、スイッチを自分の好みに近いものに変更することはできない。

ちなみに、TTC製の「Icy Silver」スイッチには、2段式の長いスプリングが採用されており、作動には45グラムの初期力が必要だ。これは、作動力50グラムの人気スイッチGateron Yellow(ゲートロンイエロー)よりも少し軽く、Angry MiaoのスイッチのベースとなったTTC Icy Speed(TTCアイシースピード)よりも若干重い。キーボードオタクにとって最も重要なことは、このスイッチが本当にスムーズで、いまのところ引っかかりや雑音をまったく感じないということだ(もしそれがピンとこない場合には、ただ良いことだと思っていて欲しい)。

キートップは、あまり好きではない。これは、Angry MiaoのシースルータイプGlacier(グレイシャー)キートップのバリエーションで、私の好みからすると、少々薄すぎて滑らかすぎる。見た目はすばらしいが、PBT(ポリブチレンテレフタレート)セットと交換したいと考えている。しかしこの変わったレイアウトに適したキートップのセットを見つけるのは難しいだろう。

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メカニカルキーボードにこだわりのある人ならこう訊ねるだろう「でも、良い打鍵音(thocc)はするの?」と。「Thocc」とはキーボードの音を形容する表現で、多くの人が好むという太く深い打鍵音を意味しているが、実際には皆の合意がとれているようなものではない。Am Hatsuにはあの深い音はない。どちらかというと高めの音だが、決して不快なものではない。

ほとんどのマニアックなキーボードでは、簡単にサウンドプロファイルを変更することができる。ハイエンドのキーボードは、デザインの変更が可能なDIYキットとしての提供が一般的だ。だがAm Hatsuはそうではない。これは、あれこれいじくり回す人(ティンカラー)のためのキーボードというわけではないのだ。実際、キーボードを開けるためのネジの場所すら簡単にはわからない。残念ながら、それはソフトウェアにも言える。すべてのキーの機能を変更することはできるが。使用できるデフォルトのレイヤーは2つだけだ。今のところ、レイヤーを追加することはできないが、これは特に小型の格子配列式キーボードの世界では、ごく標準的なことだ。

さて、Cybermatの話もさせて欲しい。900×340mmのアルミニウムの1枚板を使用しているため、標準的な900×400mmのデスクマットよりも少し薄いものの、重量は9ポンド(約4.1キログラム)強というヘビー級ハードウェアだ。

私が試用したのは第2弾で、Am Hatsuと同様別格の存在感を放っている。基本的にこれは、90WのGaNの充電器を使い合計12個の充電コイルを備えた巨大なワイヤレス充電ステーションだ。端にある2つは主に携帯電話を充電するためのもので、残りは2つのキーボードユニットを充電するために使われる。

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その上に敷くデスクマットが付属しているので、コイルの位置を正確に知ることができる。Angry Miaoによると、このマットはTesla(テスラ)のCybertruck(サイバートラック)にインスパイアされたものだそうだが、その片鱗はマットの角や底にあるハードなエッジからも見て取れる。

左後ろの角には小さな切り込みがあり、4つの充電ゾーンに対応したインジケーターとUSB-Cプラグの差込口がある。

同社によれば、このマットは過電流保護、過電圧保護、低電圧保護、過熱保護、短絡保護などのあらゆるセキュリティ機能と、異物検出機能を備えているという。私はキーボードにコーヒーを何度かこぼした前科があるので、コーヒーカップをこのマットの上に置くことには少々抵抗がある。

ハードウェアとしてはしっかりしている(セットアップ中に誤って一度だけ踏んでしまったが、ビクとびくともしなかった)。価格も大変なものだが、キーボード自身も同様だ。試しに買ってみて、自分に合うかどうかを試してみるようなガジェットではない。

Am HatsuとCybermatの両方に対して、Angry Miaoは、商品を受け取ってから72時間以内であれば、未使用の場合に限り、返品が可能であると明言している。基本的に販売は終了している。価格を考えると手を出しにくいものだろう。

このキットは、簡単に購入を勧めることができるものではない。もし自分がまさに求めているものであり、懐具合にも問題がないのら、どうぞご自由に。もしも迷っているようなら、まずは手頃な価格のものを試してみることをお勧めしたい。Am Hatsuの品質と目を引くデザインは他では見られないが、その分、価格も目が跳び出るほどになる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:sako)

モバイルキーボードソフトウェアFleksyがシリーズAで約1.8億円調達、10倍の成長を遂げたキーボードSDK事業を拡大

バルセロナを拠点とするモバイルキーボードソフトウェアメーカーのFleksy(フレキシー)が160万ドル(約1億8250万円)のシリーズAを獲得し、AndroidおよびiOS向けのホワイトラベルSDKのB2Bへの移行を進めている。

今回のラウンドはスペインの資産管理会社Inveready(インベレディ)が主導。また、既存の投資家であるSOSVとSimile Venture Partners(シミールベンチャー・パートナーズ)からも資金提供を受けている。

今回のシリーズAにより、2015年の創業以来のこれまでの総調達額は300万ドル(約3億4200万円)弱となった。

AIキーボードメーカーである同社は、スマートフォンのサードパーティ製キーボードの分野で長く活躍しており、当初は生産性向上に特化したキーボードThingThing(シングシング)を開発していた。その後米国で有名なカスタムキーボードFleksy開発チームがPinterestに買収された後、停止状態となっていた)のアセットを買収し、以来Fleksyの開発に全力を注いでいる。

しかし、コンシューマー向けカスタムキーボードの分野で収益化を図るのは至難の技である。今や単語予測やスワイプ入力などの機能がスマートフォンのネイティブキーボードに組み込まれているため、サードパーティ製のアドオンの価値は低下しているからだ。

また、AppleやGoogleのような大手企業も独特の方法でこの分野で幅を利かせている(例えば、iOSにおける頼りないサードパーティ製キーボードの実装状況によって、ユーザーはAppleのネイティブキーボードから乗り換えられないでいる。また、GoogleのPlay Storeは一時期に不愉快なポリシーを実施していた)。

Fleksyは2020年SDKを発表して以来、カラーチェンジやブランド化などさまざまな方法で適応させることができ、強力な予測機能や文脈に応じたカスタムAIキーボードソフトウェアを必要とする他のアプリメーカーや企業に、同社キーボード技術のライセンス供与を行ってきた。

キーボードSDKは、サードパーティがユーザーをより深く知るために、あるいは自社の販売促進のために使用することも可能だ。

またFleksyがウェブサイトに掲載している、SDKを介してクライアントが実装できる機能としては、キーボードに文脈に応じた広告を埋め込む機能(文脈に応じて製品やサービスを提案し、トリガーを設定して適切なタイミングであらゆるアプリにブランドを表示する機能)や「ショップがキーボードからマーケティング資料、請求書、更新情報、タスクを送信したり、支払いを徴収したりできるようになる」という近日公開予定のCRM機能などが挙げられる。

セキュリティ関連の機能も「近日公開」とされており「データ漏洩や機密情報の流出防止、リスクを抱えた従業員の監視、メッセージの保護、不正行為の防止」などを実現するカスタム機能も完備する予定だという。

このようなB2B戦略と並行して、同社はコンシューマー向けソフトウェアの分野にも注力しており、GoogleのGboard(ユーザーの検索データをGoogleに送っている)のようなソフトウェアとの差別化要因としてユーザーのプライバシーを強く強調している。また最近では「アートキーボード」で顧客の心を掴もうと試みていた。

しかし、同社の重心がB2Bに移行しているというのは明白だ。「Fleksy for Business」のメッセージがウェブサイト全面に押し出され、ディープテックな雰囲気を放つデザインに一新されている。

それでもコンシューマー向けキーボードはコアなファンのためにも、また、ショーケースやテストベッドとしての有用性を考えても残り続けることだろう。

「Google やAppleなどの大手企業が公平に競争してくれないため、消費者分野は厳しいものになっています。そこで私たちは、他の企業が優れたキーボード体験やそれを超えた体験を構築するのをサポートしてライセンス料によって提供するという、収益性の高いニッチな分野を見つけたのです」と、FleksyのCEOであり、ThingThingのCEO兼共同設立者でもあるOlivier Plante(オリビエ・プランテ)氏はいう。「我々が作り上げたものはなかなか簡単に作れるものではないので、こういったデジタル企業にとっては非常に使いやすい製品になっています」。

サードパーティが同社のキーボード技術を使ってユーザーをデータマイニングしようとするのではないかというプライバシーに関する疑問を投げかけたところ「FleksyのSDKは、各企業が独自の原理で成功するために必要なすべてのツールを提供します。Fleksyは技術的な役割を果たしているだけで、クライアント自身のプライバシースタンスには関与していません」と同氏は答えている。

ただし「誤解のないようにいうと、Fleksyのコンシューマー向けアプリは常にプライベートを守ります。その原理を変えることはありません」と付け加えている。

Fleksyによると、同社の技術をライセンス供与している企業は現在「数十社」にのぼり「パイプライン」にはさらに50社が含まれているという。また、SDKビジネスの収益は1年で10倍になったという。

シリーズAの規模が比較的小さかったのは、このような背景があったからだとプランテ氏は考えている。

「現在かなりの収益を生み出しているため、この程度しか必要なかったのです」とTechCrunchに話しており、今シリーズAを調達する理由は「より早く拡大するため」だという。

今回得た資金は、成長、雇用(現在13人のチームを拡大するため)、および顧客ポートフォリオの拡大のために使用される予定だ。

Fleksyにとってキーボード技術のライセンス供与に最適な市場は、現在米国と欧州となっているが、プランテ氏は世界中に顧客がいると考えている。

SDKはまた、デジタルヘルスやフィンテックからゲームまで、幅広い顧客層を惹きつけている。

「あらゆる企業が新たなキーボード体験を探し求めています。ウェブサイトの/solutions/にあるように、これらの業界、さらにはますます多くの業界がFleksy技術によって支えられるようになるでしょう」。

「当社にはさまざまなニーズを持つあらゆるタイプの顧客がいますが、サードパーティのブラックボックスではなく、すべてを自社で構築しているため、顧客に合わせてすべてを修正することができます。これは現在、他の企業では実現できないことです。そのため、例えばデジタルヘルス分野の企業は、技術スタックを完全にコントロールできる収益性の高い企業と提携することができるのです」と同氏。

「Fleksy SDKは、レイアウトや辞書からオートコレクトや予測、センチメントなどを支えるコアエンジンに至るまで、さまざまな方法で変更を加えることができます。これこそがFleksyが選ばれる理由なのですが、将来的には『画面入力と言えばFleksy』という、より大きなビジョンを実現できるよう取り組んでいます」。

シリーズAの資金調達の一環として、InvereadyのIgnacio Fonts(イグナシオ・フォンツ)氏がFleksyの取締役に就任する。

フォンツ氏は声明中で次のように述べている。「私たちは、パーソナル・コンピューティング(携帯電話、モバイル、デスクトップ)デバイスのコントロールポイントの1つであるキーボード技術において、世界的なリーダーの地位を獲得したFleksyチームに参加できることを大変うれしく思います。今回のラウンドにより、ユーザーにはデバイスとの新しい関わり方を、企業には顧客に関する新しい洞察を提供する、非常に魅力的なロードマップの開発を加速させることができるでしょう」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

誕生25周年記念モデルは「純白」、HHKB Professional HYBRID Type-S雪登場、税込3万6850円

人気のキーボードPFU「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」。「合理的なキー配列とコンパクトサイズ」を基本コンセプトに開発された本シリーズが登場したのは1996年12月のこと。つまり2021年で25周年となる。

リモートワークが普及し、プログラマーやエンジニアだけでなくキーボードにこだわるビジネスマンなどに広く支持されるこのHHKBに特別記念モデル「HHKB Professional HYBRID Type-S雪」(税込3万6850円)が登場する。

Bluetoot接続もUSB-Cでの接続も可能。キーマップ変更機能もあり、静粛性も高い現行のフラグシップモデル「HHKB Professional HYBRID」を、要望が多かった「純白」に仕上げた本モデル。キートップや筐体だけでなく、パッケージも「純白」に。さらに25周年特別デザインキーも標準搭載している。

HHKBといえば無刻印も有名だが、今回交換用の「無刻印キートップセット(雪)」も発売される。従来は英語配列(税込4510円)だけだったが、日本語配列の無刻印キートップ(税込4950円)もラインナップする。

さらに6月に開催した「カラーキートップ新色募集キャンペーン」で投票上位になったカラーキートップセット2(税込1980円)も用意されている。

「Professional HYBRID Type-S雪」は本日、2021年10月25日より販売開始。国内2500限定(英語配列、日本語配列いずれも1250台)となっている。

これがGoogleの本気だ!? その気になれば寿司をワンキーで注文できる湯呑み型Gboard対応キーボードがオープンソース化

これがGoogleの本気だ!? その気になれば寿司をワンキーで注文できる湯呑み型Gboard対応キーボードをオープンソース化

Googleは10月1日、文字入力アプリ「Gboard」(ジーボード)に対応した湯呑み型の物理キーボードを発表した。「キーボードにお茶をこぼす。Gboard湯呑みバージョンを使えばそんな日常茶飯事のトラブルが解決するだけでなく、難しい魚編の漢字もワンタッチで入力できるようになります」とのこと。

手になじむ円筒形キーボードの配列は、JISではなくSSI(スシ)。魚偏の漢字が縦にあいうえお順に並べているほか、スペース、カーソルキー、エンターキーなどを合わせて58キーが装備されている。これで、ひらがな入力が可能となる。

おもな仕様は以下のとおり。

インターフェース:USB Type-C
キー数:SSI(スシ)配列 58キー
キー仕様:ロープロファイルメ カルスイッチ
キーピッチ:もちろんピッチピチ
ストローク深さ:やけどしない深さ
押下圧:リラックスしながら押せる強さ
サイズ:一息つくのに丁度いいサイズ
本体重量:手に馴染む重さ
容量:125ml
動作時温度(回路部):-10〜60℃
湯呑み部温度範囲:-20〜140℃(熱い飲み物を注ぐ際はやけどにご注意ください)

販売はしていないが、ハードウェアの作り方とソフトウェアはオープンソース化され、Githubで公開(ライセンスはApacheライセンス 2.0)されている……って、これエイプリルフールのあれ? 実はGoogleでは、毎年4月1日におかしなキーボードを発表してきた。ざっと以下のごとし。

これがGoogleの本気だ!? その気になれば寿司をワンキーで注文できる湯呑み型Gboard対応キーボードをオープンソース化でもなんで10月1日に? Googleによれば、10月1日は「北野大茶湯」が開かれた日とのこと。天正15年の10月1日に、豊臣秀吉が北野天満宮で開催したお茶会だ。何でもいいから茶道具を持参すれば、身分に関わりなく参加できた。それを記念してのことのようだ。

これまでのものは、ほぼジョークネタといえるのだけど、この湯呑み型キーボードはホントに作れてホントに使える。だんだん本気になってきたみたい。しかも、エイプリルフールだけでは物足りなくなってきたようだ。それは大いに結構。こういうことは、いつでもどんどんやってほしい。

殺菌消毒剤・漂白剤・消毒用アルコールを使用し丸ごと洗浄可能な有線マウスがKensingtonから新発売

殺菌消毒剤・漂白剤・消毒用アルコールを使用し丸ごと洗浄可能な有線マウスがKensingtonから新発売

事務機器メーカーのアコ・ブランズ・ジャパンは2021年9月6日、Kensington(ケンジントン)ブランドの有線マウス「ProFit有線ウォッシャブルマウス」を発売しました。税込みの価格は4000円。3年保証付。販路はAmazon.co.jp。

最大の特徴は本体を丸ごと洗えること。IP67と同等の防塵耐水性を持ち、研磨剤不使用の洗剤、石けん、多目的洗剤、殺菌消毒剤、漂白剤、消毒用アルコールを使用し、マウス本体を水にひたして洗浄できます(USBコネクターは水にさらさないこと)。最大濃度はアルコール75%、殺菌消毒剤0.06%、洗浄剤のPH範囲6.0-8.0となっています。

また、左右対称の手に馴染む形状で右利き、左利き両ユーザーでも使え、高精細な1600DPIで素早く反応するとしています。ソフトウェアのダウンロードやインストール不要という点も売りのひとつです。本体サイズはW68×D117×H38mm、重さは75g。

発売に至った背景について、同社は「日常的に使用するPCアクセサリー等の衛生管理への関心の高まりを受け、繰り返し洗って使用でき衛生的なPC作業環境を保つことのできる製品を発売した」と説明しています。

衛生環境を重視するユーザーには、KensingtonのProFit有線ウォッシャブルキーボード(型番:K64406JP/K64407JP)と併用するよう勧めています。

  1. 殺菌消毒剤・漂白剤・消毒用アルコールを使用し丸ごと洗浄可能な有線マウスがKensingtonから発売

  2. 2021-09-08-001-003

  3. 2021-09-08-001-004

  4. 2021-09-08-001-005

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Engadget日本版より転載)

アップルがTouch ID付きキーボードを単品販売、テンキー付きモデルも

販売開始から3カ月半、Apple(アップル)はTouch ID付きMagic KeyboardをようやくiMacとのセットから分ける。Touch ID付きMagic Keyboardは単品でアップルストアや同社のサイトで購入できるようになった。

2つのバージョンがある。149ドル(日本価格は税込1万5800円)の標準モデルと、179ドル(同税込1万8800円)のテンキー付きの長いモデル。それから、丸みを帯びたコンパクトデザインでTouch IDは搭載していないバージョンも99ドル(同1万800円)である。

モデルはすべてSpotlight(スポットライト)、Dictation(ディクテーション)、 Do Not Disturb(ドゥーノットディスターブ)、絵文字専用のキーを備える(筆者は自身のキーボードで絵文字を使用不可にすることにした。アクシデントで を押すことを避けられなかったからだ)。

重要な注意点は、Touch IDはM1チップで動くMacでのみ使えるということ。つまり、現在マーケットに出回っているかなりのMacでは使えない。もしあなたがそうしたすてきな新システムを持っているのなら、安全なログインや購入などのためにTouch IDを使うことができる。こうした制限は、Touch IDが新しいチップに組み込まれたSecure Enclaveを使用しているためのようだ。

キーボードにはウーブンタイプのUSB-C / Lightningケーブルが付いてくるが、Touch IDはキーボードがBluetoothでワイヤレス接続されているときにも使える。また、Magic MouseとTrackpadのデザインが刷新されたバージョンも発売され、価格はマウスが79ドル(日本価格は8800円)、トラックパッドが129ドル(同1万3800円)だ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleキーボードTouch ID

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルがMagic KeyboardにTouch IDを搭載

Apple(アップル)は米国時間4月20日、同社が設計したM1チップを搭載した新しいカラフルなiMacを発表した。また、アップルはこの機会を利用して新しいMacアクセサリーをリリースしている。複数のカラーオプションを用意したMagic TrackpadとMagic Mouseに加えて、新しいMagic KeyboardではデスクトップMacでTouch IDが利用できる。

デスクトップでのTouch IDは、期待どおりに機能する。キーボードの右上には指紋センサーが用意されている。これは既存のアップル製キーボードにある、イジェクトキーに代わるものだ。これによりコンピュータのロック解除、Apple Payでの支払い、パスワードマネージャーのロック解除などができる。

興味深いことにTouch IDはワイヤレスで動作するため、LightningケーブルでキーボードをMacに接続する必要がない。キーボードには専用のセキュリティコンポーネントが組み込まれている。そしてM1のSecure Enclaveと直接通信するため、M1チップを搭載した最新のMacでしか動作しない。この新しいTouch IDのセキュリティ実装は興味深い。

【Japan編集部】8コアCPU・8コアGPUの新しいiMacはTouch ID搭載Magic Keyboardが同梱されるが、8コアCPU・7コアGPUのモデルでは、従来のMagic Keyboardが同梱される。

画像クレジット:Apple

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleAPPLE SPRING HARDWARE EVENT 2021iMacApple M1キーボードTouch ID

画像クレジット:Apple

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(文:Romain Dillet、翻訳:塚本直樹 / Twitter

これがTechCrunch編集スタッフが愛用するキーボード

キーボードほどパーソナルなものはあまりない。しかし、リモートワークのガイドでは見過ごされることが多い。こんなに選択肢があるのになぜ標準装備のキーボードを使うのか?本記事ではTechCrunchの編集スタッフが使っているキーボードをご紹介していく。退屈なものも、USキーボード以外のものもある……、そしてどれも少々汚れている。

ホコリやこびりつきやその他汚れ全般についてはご容赦いただきたい。キーボードというものは無作法で掃除がしにくく、それでも私たちはキーボードが写真に耐えられるようできるだけのことはした。私はエアーダスターを2缶使ったが、それでもキーボードは幼稚園の砂場のように見える。

なお、この記事にスポンサードはないし、キーボードが売れてもTechCrunchには何も入らない。記事ただ、自分たちの道具を見せたかっただけだ。

Danny Crichton(ダニー・クライトン)

画像クレジット:Danny Crichton

国境を超えての仕事は過酷だ。言語を超えてはなおさらだ。だから外国語キーボード(私のは韓国語)を使えることは神のめぐみだ。それは、コンピューターを使って20年経った今もキーの位置を知らないかのように雨だれ式にタイプしているからかもししれない。

では、みなさんも外国語キーボードを買うべきか?いえいえとんでもない。とりわけ外国で買うものではない、私がソウルの海外特派員だったときにやったように。なぜなら保証は全世界では通用しないらしいから。もう1つ、私の最後の「スペースホワイト」キーボードの「E」はついに壊れ(運悪く英語のEと同じくらい韓国語のㄷ/ㄸ は頻繁に出てくる)、合衆国内で外国語キーボードの個別キーを特注するようには世界ができていなかった。

そこで私は新しくスペースグレイのキーボードを買った。そしてAppleは、韓国語キーボードのEキーのホワイトの交換品を見つけられなかったので、私にタダでキーボードをくれた、なぜならAppleは親切だから。というわけで、今、私はグレイの韓国語キーボードを2台持っている。1つはデスクの上に、もう1つは私が今タイプしているものをうっかり壊してしまったときのためにクローゼットの中で待っている。外国語キーボードを買ってはいけない。実際、そもそもキーボードを買うべきではない。もちろんライターになるべきではない。Clubhouse(クラブハウス)のルームで叫ぶだけにして、次のポストテキストの世紀に移動しよう。

Devin Coldewey(デヴィン・コールドウェイ)

画像クレジット:Devin Coldewey

私はこのVarmilo (ヴァーミロ)V87M テンキーなしPBTキーキャップ付きCherry(チェリー)赤軸キーボードをつい最近買ったところだ。すばらしくしっかりした感触で非常に心地よくタイプできて、かつて使っていたちゃちなキーボードより重厚な音がする。ただし、メディアキーの配置は気に入らない。

これの前には、漆黒のDucky One前面刻字版を使っていて、そちらのほうがずっと良かった。しかし私はCherry黒軸を注文し、使ってみたら私には合わなかった。少々余分な力が必要で、途中に「引っかかり」のようなものを感じて体が受けつけなかった。それでもDIPスイッチで調整したりメディアキーをプログラミングするのはDIY的感覚で好きだったが、誰にでもお薦めできるものではないことがわかった。

Varmiloの感触と造りを、Duckyのキーキャップや柔軟なカスタマイズとDas Keyboard 4のメディアコントロールやかわいらしいボリュームホイールを全部組み合わせられればいいのだが。しかし今私は、特許が切れて市場が開放されたノンCherryスイッチに惹かれている。誰かスイッチのサンプルを送ってくれ!

Romain Dillet(ロメイン・ディレット)

画像クレジット:Romain Dillet

こちらが私の退屈なAppleキーボード。フランス語バージョンなのでQWERTYキーボードだけの人生を送ってきた人には少々奇妙に見えるだろう。しっかり働き、信頼性も高く、何時間でもタイプしていられる。何よりも重要なのは、存在が気にならず書くことに専念できることだ。

Lucas Matney(ルーカス・マトニー)

画像クレジット:Lucas Matney

AppleがワイヤレスのスペースグレイMagic Keyboard(テンキー付き)を149ドル(日本では税別1万4800円)で売っていて、同じ製品のシルバーが129ドル(税別1万2800円)なのは、企業価値2兆2000万ドル(約213兆6000億円)の会社として少々奇異に感じるが、おそらく私のような世間知らずをだましてダークグレイの色彩に余計な20ドル(約2140円)を払わせている事実こそが、驚くべき成功を収めた理由なのだろう。

ここ数年、Appleは一部ハードウェアのエントリー価格設定が保守的だが、その機器で使うアクセサリーの価格も釣り上げ始めた。他のIT機器とマッチした外部キーボードを欲しいという私の願望はApple以上に状況を語っているが、Tim(ティム・クックCEO)よ、本当に私から20ドル多くもらう必要ある?

Darrell Etherington(ダレル・エザリントン)

画像クレジット:Darrell Etherington

Keychron K3 Ultra-slim(キークロン・K3ウルトラスリム)メカニカルキーボードは、小さな底面積と薄型デザインの恩恵をすべて享受しながら、もっと大きなキーボードの満足感あるタイピングアクションを維持している。ホワイトまたはRGBのバックライトに、Gateron MechanicalまたはKeychron自身のオプティカルスイッチを選べ、タイピング感触のソフトさ、クリック感、抵抗感などの好みに応じてさまざまなオプションがある。

Taylor Hatmaker(テイラー・ハットメーカー)

画像クレジット:Taylor Hatmaker

このキーボードは2021年2月に新しいPCを自作した時に買った。私は仕事では主にAppleキーボードを使い、ゲームにはPS4コントローラーを使うので、このキーボードはあまり使っていない。ところが数週間前、生まれて初めてメインのキーボードにコーヒーをこぼしてしまった。予備に持っていたLogitech K380を使おうとしたが、かなり新しいものであるにもかかわらずいくつかのキーがキーキー音を発したので、頭がおかしくなった。

というわけで、美しいとしかいいようのないレインボーカラーのCooler Master SK622を私の日常キーボードにすることになった。これが初めてのメカニカルキーボードだ!青軸を選んだのは赤軸の感触が好きになれないからだが、この音に慣れるのは少々大変だ。たぶん理想的には茶軸がいいのだろう!でも感触は非常によく、(私のように)タイピングが非常に速いけれども非常に変てこ、なぜなら正しい方法を習ったことがない、という者にとってもすばらしい。

Natasha Lomas(ナターシャ・ロマス)

画像クレジット:Natasha Lomas

仕事で使っている道具について語ることはあまりない……。きれいに掃除していることを除いては。白さは今となってはAppleの望む鮮明さではない。「S」キーの刻字はある理由により少々すり減っている。それ以外、不満はない。私はMBP(MacBook Pro)ノートパソコンのキーボードに依存するのを止めなくてはならなかった。なぜなら欠陥がひどかったからだ(「B」と「N」のキーが効かなかったり、2重にタイプされたりとキーボードルーレットのようだった)。バッテリも十分長持ちする。充電するにはAppleの高すぎるアダプターを探す必要があるが。

不満が1つあった。しばらく使っているとBluetooth接続が不安定になり、CAPS Lockキーを押したとき理由もなくMBPが死のクルクルを始める。キーボードのBluetoothをオフ / オンすると元にもどるようだ。

Matt Burns(マット・バーンズ)

画像クレジット:Matt Burns

これはHappy Hacking Keyboard Professional 2(ハッピーハッキングキーボード・プロフェッショナル2)with a partial set of custom keycaps。そう、小さなキーボードにしては長い名前だ。完璧ではないが、大のお気に入りだ。ご心配なく、テンキーとメディアコントロールもある。ファンクションキー(これがキモ)経由で利用する。

ほとんどのキーボードより長い歴史があるHappy Hacking Keyboardは、元々UNIXプログラマー向けに作られた。私にとって小さなサイズはタイピングに最適で、キーは最新式スイッチのおかげですばらしい感触だ。このキーボードはTopre(東プレ)の静電容量キースイッチを使用し、メカニカルスイッチの感触とメンブレン方式の反応の代さを兼ね備えている。その結果は軽快なクリック音と最初はしっかり最後は柔らかいキータッチだ。

このキーボードには、ワイヤレス接続や静かなキースイッチを採用した新型がいくつかある。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:キーボードレビュー

画像クレジット:Darrell Etherington / Darrell Etherington

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(文:Matt Burns、翻訳:Nob Takahashi / facebook