Backboneモバイルゲーミングコントローラーをセレブが約46億円のシリーズAで支援

パンデミックが起こる前、私は仕事でよく出張していた。私のスーツケースの持ち物リストは、長年かけて磨き抜かれ、ほぼ不変だった。Backbone(バックボーン)のiPhone用ゲームコントローラーは、近年そのリストに仲間入りを果たした数少ない新製品の1つだ。出先でも極めて優れたゲーム体験を提供してくれるこの製品は、スーツケースの中のスペースを少しそのために確保する価値がある。

この製品を気に入っているのは私だけではないようだ。同社は、The Weeknd(ザ・ウィークエンド)、Post Malone(ポスト・マローン)氏、Diddy(ディディ)といったビッグネームからの支援を受けて、4000万ドル(約46億円)のラウンドをクローズしたと発表した。

2018年当時、創業者のManeet Khaira(マニート・カイラ)氏はYouTubeでインターンとして働いていた。毎日、仕事から帰ってくると、友人たちと「Fortnite(フォートナイト)」をプレイしていたという。ほとんどの場合、彼らにとって唯一の共通デバイスだったスマホ上でのことだった。タッチスクリーンの操作感は荒いものだったが、そのおかげで一緒に遊ぶことができた。クラウドゲーミングがモバイル機器にもたらす可能性を示すデモを見た後、彼は「ゲーミングは、今後10年間でGoogle(グーグル)にとって唯一最大の機会になる」という内容のプレゼンテーションを書いた。カイラ氏は誰かに実際に読んでもらえることを祈りつつ、月曜日の朝それが、会社のVPたちに自動的に一斉送信されるスクリプトを書いた。彼が目を覚ました頃には、何千人もの人々がその文書を見ていたという。

そのうちの1人の副社長が、カイラ氏に自分の考えを直接チームにプレゼンして欲しいと持ちかけた。同氏は「その会話の中で、何かすごいものを作るチャンスがあるかもしれないと実感したのです」と語る。インターンシップは予定通り終了し、彼は真っ先にBackboneの構築に飛び込んでいった。

Backboneの目標は、これまでに発売した1つの(かなり優れた!)ペリフェラルに加えて、外出先でのゲーミングのためのオールインワンハブになることだ。Roku(ロク)がすべてのビデオサービスを1つの場所に集めることでビジネスを確立し、Sonos(ソノス)が音楽で同じことをしたように、Backboneはモバイルゲームでそうすることを目指している。デバイス上で実行されるゲーム、クラウド上で実行されるゲーム、自宅のゲーム機で実行され、リモートでストリーミングされるゲームなど、彼らにとってはすべてが同じで、ただハブになりたいだけなのだ。

この点を考慮して、Backboneのより高度な機能の多くは、オプションのプレミアムサブスクリプションサービスであるBackbone+に結び付けられている。これにより、より豊富な機能、高品質なゲームプレイの録画、Twitchストリーミングのサポートなどが追加される。Backbone+は、このプラットフォームの初期導入者には無料で提供されるが、新規ユーザーの場合、年間約50ドル(約5750円)となる。

画像クレジット:Backbone

人々は実際に、Backboneのハードウェアをどのような場面で使っているのだろうか?カイラ氏によると、リモートプレイ、つまり、仕事の合間やリビングルームのテレビを占有したくないときなどに、次世代ゲーム機からストリーミングされたものを携帯電話やタブレットでプレイするという用途でかなりのユーザーが利用しているとのこと。

また、よりカジュアルなプレイヤーにも支持され始めていると彼はいう。「人によっては、これが初めての専用ゲーム機かもしれません。自分のことを『コアゲーマー』とは思っていない、あるいはゲーマーだとも思っていないような人たちが、この製品を使ってくれています」。

今回のラウンドは、4000万ドル(約46億円)のシリーズAで、Index Venturesがリードした。また、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏(彼のファンドであるSound Ventures経由)、The Weeknd(ザ・ウィークエンド)、俳優のKevin Hart(ケヴィン・ハート)氏、Post Malone(ポスト・マローン)氏、Diddy(ディディ)、コメディエンヌのAmy Schumer(エイミー・シューマー)氏、Marshmello(マシュメロ)など、かなりワイルドな顔ぶれのセレブリティが支援している。テック業界では、Discord(ディスコード)の共同創業者であるJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏、Rec Room(レックルーム)の共同創業者であるNick Fajt(ニック・ファジット)氏、SonosのCEOであるPatrick Spence(パトリック・スペンス)氏も出資しているとのこと。

画像クレジット:Backbone

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Den Nakano)

iPhone用ゲームコントローラー「Backbone One」のソフトウェアに新機能追加、新規ユーザーは月額料金が必要に

我々は、iPhone用ゲームコントローラー「Backbone One(バックボーン・ワン)」のファンである。堅固なハードウェアと、本来あるべき姿よりもはるかに優れたソフトウェアが見事に融合したこのコントローラーは、すぐに筆者が外出先でゲームを楽しむためのお気に入りの方法となった。このコントローラーを広げて、iPhoneを差し込み、ゾンビ退治や銀河系の守護などを再開するのだ。

同社は米国時間11月4日朝に、前述のソフトウェアに追加した多くの新機能を発表した。ただし、ここに1つ気になる点がある。専用アプリ / サービスは、既存ユーザーには引き続き無料で提供されるが、新規ユーザーには月々数ドルの費用がかかるようになったのだ。

Backboneの専用ソフトウェアは、このコントローラーの総合的なハブの役割を果たす。Backboneに対応したすべてのゲームにすばやく簡単にアクセスできるだけでなく、ゲームを超えたボイスチャットやパーティ機能、さらにゲーム中のクリップを録画してSNSなどに投稿するシステムなども提供する。

さらに、新しい機能も追加される。この新機能については、同社のブログで大きく取り上げられているが、以下に簡単に紹介しておこう。

  • Backbone OneをiPad、Mac、PCなど他のデバイスに有線接続し、それらをコントロールできるようになる。
  • iOS 15がインストールされているすべてのデバイスで、ビデオ録画の画質が1080p 30fpsから1080p 60 fpsに向上。
  • 「Smart Recording(スマート・レコーディング)」機能により、ゲーム中の直近15秒間をさかのぼって録画することが可能になる。
  • Twitch(トゥイッチ)のストリーミングに対応。数回クリックするだけで、あなたのモバイルゲームの実力を世界に向けて発信することができる。
  • iOS 15ユーザーは、Backbone Oneを接続するとiOSが自動的にゲーム集中モードになるように設定できる。このモードでは、ユーザーが最も重要と判断した通知以外はミュートされ、ゲーム中に邪魔されることがなくなる。
  • パーティーに参加している友人に、直接画面を共有できるようになる。ゲームをライブ配信したいけれど、Twitchで知らない人にも見られるのは気が引けるという場合に便利だ。
  • ゲーム検索が改善され、ロード時間と安定性が全体的に向上。

これらの新機能導入にともない、Backboneは専用アプリの利用に月額料金を課すことになったが、これは新規ユーザーのみであり、すでにBackbone Oneを所有している人は、この「Backbone+」と名付けられたアプリと関連サービスを今後も無料で利用できる。新規ユーザーは最初の1年間は無料で、その後は月額4.17ドル(約474円)の支払いが求められる。アプリにお金を払いたくない人も、コントローラーとしては引き続き問題なく使用でき、コントローラーのソフトウェアのアップデートもアプリから行うことができると、BackboneのCEOであるManeet Khaira(マニート・カイラ)氏は語っている。

画像クレジット:Backbone

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(文:Greg Kumparak、翻訳:Hirokazu Kusakabe)