あらゆる産業が新型コロナウイルス感染拡大という難題に直面している。しかし中でも、もろに影響を受けているのが航空会社だ。需要が急激に落ち込んでいる。
デルタ航空のCEOであるEd Bastian(エド・バスチアン)氏は3月13日付の従業員へのレターで、来月のフライトは新規予約よりもキャンセルの方が多いと述べた。その結果として、同社は今後数カ月で輸送量40%減を見込んでいて「2001年も含め、デルタ航空の歴史の中で最大の削減となる」としている。ほんの数日前、デルタ航空は輸送量15%のカットを想定していた。
ユナイテッド航空やアメリカン航空といった競合他社と異なり、デルタ航空は欧州大陸の全便を30日間運休すると発表した。これはデルタ航空にとって航空機300機の運航を停止することを意味する。同社はまた、社員採用を停止し、任意の無給休暇取得を受け付けている。
「今後数日以内にさらに厳しい決断をすることになる」とバスチアン氏は書いている。「状況は流動的で、さらなる悪化が見込まれる。しかし変わらないことがある。それはデルタ航空は史上最大の危機という嵐に立ち向かえるということだ。我々は10年かけて、この業界で最良のプロフェッショナルによる強靭な航空会社を築いてきた。我々はこの困難を乗り切る。強固で重大な行動をとることで、顧客が再び旅をするようになった時に適切な体制で事業再生に臨める」。
こうした動きはデルタ航空に限ったものではない。アメリカン航空は国際線の輸送量を34%減らしている。ルフトハンザ航空はすでに輸送量を50%減らす計画を発表し、全A380機の運航停止や、一時的に全ての運航を停止する可能性にも言及した。ノルウェイの格安航空会社は従業員の半分を一時解雇し、長距離線機材の40%の運航を停止した。
こうした動きは続いていて、危機が過ぎ去ったころには航空業界はまったく違う様になっているはずだ。特にデルタ航空の現状は、CESでのキーノートにははるか及ばないものとなっている。キーノートでは、さまざまな新テクノロジーのソリューションを導入する、としていた。わずか数カ月前までは、航空業界は活況を呈していた。だがいまは輝かしい最新テックどころではなく、今後数カ月をいかに耐えるかが喫緊の課題となっている。
画像クレジット: Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)