リモート投資とビッグデータがカギ、パンデミック中に誕生したMoonfireが初となる65億円規模のシードファンドを設立

Moonfire VCのチーム

パンデミック渦中、ベンチャーキャピタルがZoomやGoogle Meetなどのビデオ会議ツールを用いて起業家からピッチを受ける「Zoom投資」なるものが台頭した。そして今、ヨーロッパの新たなシードファンドがこの方法を活用し、自らのモデルに組み込もうと目論んでいる。

Atomicoの元共同創業者であるMattias Ljungman(マシアス・ユンマン)氏は、2019年12月に同社を去った後Moonfireを設立したが、この新事業の詳細についてはこれまでほとんど明かされていなかった。先日、Moonfireは6000万ドル(約65億円)規模のシードステージの「データ駆動型」ベンチャーキャピタルとなることを明らかにした。リモートワークの新たな利点を活用して起業家らにもそれに適応させていくようだ。

正直なところ、ユンマン氏にはさほど選択の余地があるわけではなかった。2020年1月からファンドの設立、調達、クローズ、そして投資までのほとんどすべてをリモートで行った同氏。しかし、同氏によるとこれは裏を返せば「ニューノーマル」を継続することができるという証であるという。「Zoom投資を行っています。地理的制限がなくなり、またこの方法が皆にとって違和感のないものになりました」と同氏はもちろんZoomで話す。

Moonfireの第1号ファンドは、機関投資家、起業家、VCといった幅広い層のLPから資金を調達しており、米国のシードファンド投資会社であるCendanaがアンカーインベスターとなっている。加えてユタ州のSITFO(学校および機関投資家向け信託ファンド事務局)やReference Capitalなども参加。同社によるとこのファンドには上限を超過する応募申し込みがあったという。

同社は健康と福祉、仕事と知識、ゲーム、コミュニティとレジャー、資本と金融などの幅広い分野に焦点を当てていく予定だ。ヨーロッパにおける直近の投資先にはHumaans、Electric Noir Studios、Skunkworks、Pento、Awell Health、Mindstone、Business Score、Homerun、HiPeople、LoveShark、WillaPay、Oliva、Equifyなどが名を連ねる。

経験豊富なユンマン氏はAtomicoの共同設立者として、20年にわたってKlarna、Supercell、Viagogo、Climate Corpなど、テック系スタートアップからユニコーンになった多数の企業への投資実績を持つ。

Mike Arpaia(マイク・アルパイア)氏とCandice Lo(キャンディース・ロー)氏がユンマン氏とともにパートナーになる。元コンピュータサイエンティストのアルパイア氏は、Etsy、Facebook、Kolide、Workdayでの経験を活かしてMoonfireに参画。起業家としての経験もあるロー氏は、オペレーターから投資家に転身し、ヨーロッパと中国のUberでの経験や、英国のBlossom Capitalでのアーリーステージの投資家としての経験も持つ。

データこそが同ファンドの土台となるとユンマン氏は話す。「ベンチャーは人との関わりがポイントとなるビジネスですが、企業の発掘、スクリーニング、評価、創業者へのインサイトの提供などすべての作業を強化して最適化するためには、データやソフトウェア、機械学習がフル活用されるべきです。それにより従来のテーマ型投資を強化し、意思決定をより迅速かつ効果的に行うことができます」。

当然のことながら、最近ではどのVCもデータを駆使して投資を行っている。例えばロンドンのInreach Venturesはこのアイデアを見事に活用している数多くのVCの1つである。

これに対してビデオ電話でユンマン氏は次のように反論している。「至るところでソフトウェア、自動化、機械学習が活用されています。どの業界を見てもソフトウェアで溢れており、ソフトウェアは企業の発掘から管理、評価、サポートに至るまでプロセスのあらゆる要素に関わっています。我々はテーマを中心としたアプローチを続けていますが、それをソフトウェアと組み合わせることにより、まるでバイオニックスーツのように我々がやっていることを補強し、拡大し磨きをかけるのです」。

「現在、ヨーロッパのエコシステムは非常に大きくなっており、直感や人間関係、ネットワークに頼るというだけでは効率的ではありません。我々にとってはソフトウェアの活用が非常に重要です。弊社のデータベースにはすでに140万人が登録されており、こういった起業家の多くがすばらしい経歴を持っています。平均的な起業家の年齢も以前に比べてかなり高くなっています。1年に何千社もの企業を見ていると、本当の意味でのネットワーク効果を見出すことができます。データを構築すればするほど、ポートフォリオを構築すればするほど、そして投資を増やせば増やすほど、その知識が制度化されるので投資先企業への支援やサポートがより充実したものになります」。

Cendana CapitalのパートナーであるGraham Pingree(グラハム・ピングリー)氏は、声明の中で次のように述べている。「この1年間、欧州のスタートアップエコシステムの成熟と成長を見守ってきましたが、ポートフォリオの拡大を目指すMoonfireとパートナーシップを組む機会を得ることができとてもうれしく思っています。MoonfireはCendanaと同様に、創業者らを初期段階から支援することに情熱を傾けており、また新世代の創業者を育てるために必要なスキルと専門知識を持っています」。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:ビデオ会議投資MoonfireZoom投資

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(文:Mike Butcher、翻訳:Dragonfly)

MSはコミュニケーション重視、Teamsのチャット機能が「Windows 11」に直接組み込まれる

ハッピー「Windows 11」デー。Microsoft(マイクロソフト)は2021年末に発売予定の次期OSについて、これまでで最も詳しい情報を提供してくれている。対人コミュニケーションの大半がPCや携帯の画面を介して行われた1年を経て、同社はコミュニケーションソフトウェアを前面に打ち出している。

Windows 11ではMicrosoft Teamsがプリインストールされ、Apple(アップル)のFaceTimeのようなコミュニケーションプラットフォームとより直接的に競合することを目指している。FaceTimeと同様に、ここではクロスデバイスの統合が鍵となり、人々がデスクトップからモバイルへ、そしてまたデスクトップへと動く際に、よりハードウェアにとらわれないサービスを提供する。

画像クレジット:Microsoft

これだけ多くのビデオチャットプラットフォームが溢れている時代に、マイクロソフトが2011年に85億ドル(約9425億円)で買収した、かつての強者「Skype(スカイプ)」の棺に最後の釘が打たれるのではないかという気がしてならない。Skypeでも試みたように、マイクロソフトはこのプラットフォームでコンシューマーとプロフェッショナルの間の境界線を曖昧にしようとしている。

新しいOSではすべてのバージョンにおいて、タスクバーに「Teams Chat」ボタンが直接組み込まれる。

関連記事:マイクロソフトがWindows 11を正式発表、アマゾンと驚きの提携でAndroidアプリも利用可能に、年末商戦までに一般発売

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:MicrosoftWindows 11WindowsMicrosoft Teamsビデオチャット

画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

起業家と投資家が自分の時間の都合に合わせてつながれる非同期ピッチ動画プラットフォーム「GoToPitch」がリリース

起業家と投資家が自分の時間の都合に合わせてつながれる非同期ピッチ動画プラットフォーム「GoToPitch」をScientistPageがリリース

「アカデミックの隠れた情報を可視化する」研究成果専門の動画プラットフォーム「ScientistPage」(サイエンティストペイジ)を展開するScientistPageは6月24日、スタートアップの投資活性化を目指したピッチ動画プラットフォーム「GoToPitch」(ゴートゥーピッチ)のリリースを発表した。

同サービスは、ピッチ動画の作成と録画機能にマッチング機能を組み合わせたもの。登録制のクローズド動画プラットフォームで、全世界の起業家と投資家を対象にしている。大きな特徴は次の3つ。

動画で伝える
スタートアップが投資家に初めて連絡する際は、テキストと添付資料を送るのが一般的だが、動画をメインに使うことで「起業家のリアルな声や表情を通して、テキストだけでは伝わりきらない人柄や熱量をそのまま伝える」ことができる。

ピッチ動画に特化した独自の録画機能
余計なものや音が入り込まないよう、決められたフォーマットで「起業家本人とピッチ資料のみを同時に映しながら、自身の声と合わせて簡単に録画」できるため、録画後の編集の手間も省ける。

マッチング機能
起業家はピッチ動画を公開し、目指す投資家にアポイント申請を行える。投資家は、スタートアップのピッチ動画を検索・視聴し、気になったスタートアップに個別にメッセージを出せる。

スタートアップが資金調達を行うには、多くの投資家と面談する必要があり、その都度、時間調整・アポイントメント・資料の提示、そしてピッチを各投資家の前で行わなければならなず、その時間と労力は本業を圧迫しかねない。GoToPitchを使えば時間的・金銭的コストを大幅に効率化でき、投資家も投資先を探し回る労力を削減できるとしている。

ScientistPageは、大学などの研究機関にも積極的に展開し、大学発スタートアップを支援したいと話している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:ScientistPage(企業)動画 / ビデオ(用語)動画(ビデオ)撮影 / 動画編集 / 動画制作(用語)動画配信(用語)ビデオ通話 / ビデオチャット/ビデオ会議(用語)ピッチ(用語)VC / ベンチャーキャピタル(用語)マッチングサービス(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

バーチャルイベントにネットワーキング機能を追加するためにtwineが3.6億円調達、ビデオチャットアプリから方針転換

パンデミックの中で「新しい人たちと出会うためのZoom」的なものとして立ち上げられたビデオチャットのスタートアップtwine(トゥワイン)は、その焦点をオンラインイベントに移し、その結果シード資金として、330万ドル(約3億6400万円)を調達した。現在までに、twineのイベント顧客には、Microsoft(マイクロソフト)、Amazon(アマゾン)、Forrester(フォレスター)などの名前が挙がっており、同社によればこのサービスは2021年には100万ドル(約1億1018万円)分の予約を行う予定だという。

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今回のラウンドは、Moment Venturesが主導し、Coelius Capital、AltaIR Capital、Mentors Fund、Rosecliff Ventures、AltaClub、Bloom Venture Partnersが参加した。Momentの創業パートナーであるClint Chao(クリント・チャオ)氏は、今回のラウンド終了後、twineの取締役会に参加する。

twineの共同創業者のLawrence Coburn(ローレンス・コバーン)氏、Diana Rau(ダイアナ・ラウ)氏、Taylor McLoughlin(テイラー・マクラフリン)氏らが、2019年にCvent(シーベント)が買収したモバイルイベントテクノロジープロバイダーのDoubleDutch(ダブルダッチ)の出身者であることを考えると、オンラインイベントの分野へのシフトは理に適っていると言える。

DoubleDutchのCEOであったコバーン氏は、買収した会社と2020年12月まで競業禁止義務を負っており、それがイベント分野への復帰を最初に試みなかった理由の1つだ。

twineチームの当初のアイデアは、新型コロナウイルスによるロックダウンの下で社会的なつながりを失った人びとが、他の人との出会いやオンラインチャットの方法を見つけられるようにすることだった。この初期バージョンのtwineは、わずかながらも支持を得て、10%のユーザーがお金を払うようになった。しかし、それ以上に多くの人は、ネット上の見知らぬ人とつながることに不安を感じていることが、twineの調べで判明した。

画像クレジット:twine

そこで同社は、よく知るイベント分野に焦点をシフトした。特にパンデミックで人気が高まったオンラインイベントを、その中心に据えることにした。多くのオンラインイベントでは、ライブストリームやテキストチャット、Q&Aなどを設定することは可能だが、一方かつては対面で行われていたようなカジュアルで予期せぬネットワーキングは欠けている。

「これまではエレベーターやバー、ロビーで交わされていた会話のような、ネットワーキングやセレンディピティ(偶然の発見)をバーチャルイベントに持ち込むことは、とても難しいことでした」とコバーン氏は説明し「そこで私たちは、自分たちで新しいコミュニティを作ろうとするのではなく、既存のコミュニティにtwineを導入する形で、グループスペース版twineのテストを始めたのです。それは、より多くの可能性を見せてくれました」と語る。

2021年1月には、イベントに特化した新バージョンのtwineが稼働し、イベントオーナー向けにプロフェッショナルなネットワークツールを提供し始めた。Twineは、一対多や少数対多数のビデオ放送とは異なり、twineは少人数同士をつなぎ、より親密な会話をすることを可能にする。

「私たちは、お客様やユーザーのみなさまに対して多くの調査を行いました。その結果(会話に加わる人数が)5人を超えると、それはウェビナーになるのです」とコバーン氏は、twineのビデオチャットの制限について指摘した。twineでは、少数の人々がビデオチャットに参加していたが、ここではネット上のランダムな他人が参加するものではない。登場するのは同じイベントに参加している仲間なのだ。こうすることで、一般にユーザーの行動はプロフェッショナルなものになり、会話も生産的なものになる。

イベント主催者は、30人までの小規模なイベントであれば、twineのウェブサイトから無料で製品を使用することができるが、それ以上の規模に対応するためにはライセンスが必要だ。twineは参加者ごとに課金を行い、顧客(イベント主催者)はSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)モデルで参加者パックを購入する。

顧客はtwineを自分のウェブサイトに直接埋め込んだり、twineのウェブサイトを別のブラウザタブで開くようなリンクを追加することができる。

twineは大企業のイベントプログラムに最適な場所を見つけたのだと、コバーン氏は語る。現在同社の顧客数は約25社だが、その中には、最初に小規模なイベントで試した後、すでに10〜15件のイベントでtwineを使用している顧客もいる。

「現在私たちは、世界最大クラスの大企業5、6社と一緒に仕事をしています」とコバーン氏はいう。

画像クレジット:twine

マッチングはデジタルに行われるため、twineは「デジタル名刺」交換や、イベントの主催者と参加者のための分析やレポートなど、他のツールも提供することができる。

通常の状態に戻ることが米国では慎重に行われているために、対面式のイベントの復活は1年後になるかもしれないが、twineはそれでもオンラインイベントにはまだ未来があると考えている。パンデミックの影響は長期にわたるため、企業は今後、イベントにハイブリッドなアプローチを採用していく可能性が高い。

「イベント業界がここまで経験したような15カ月を、かつて経験した産業は、これまで存在しなかったと思います」とコバーン氏はいう。「こうした企業は収益を失い、中には数億ドル(数百億円)レベルからゼロに転落した企業もありました。つまり、これまで世界が経験したことのないようなデジタルトランスフォーメーションが起きたのです」と彼は付け加えた。

今では、テックイベントやオンラインイベントを得意とするイベントプランナーが何万社もいる。そして彼らは、バーチャル参加者ならこれまでより4〜5倍の動員が望めるオンラインに可能性を見出したのだ、とコバーン氏は指摘する。

彼は仮想会議技術事業のための最近の資金調達について言及し「LinkedInがHopin(ホーピン)に5000万ドル(約55億850万円)を投じたのはこのためです」と語った(実際の買収額は5000万ドル以下だったと言われている)。「だからこそ、HoppinやBizzabo(ビザボ)、Hubilo(ハビロ)などへの資金調達ラウンドが続いているのです。ここはUber(ウーバー)登場以前のタクシー市場なのです」。

もちろん、対面での体験が可能になれば、バーチャルイベント自身ではソーシャル機能にはこだわらないことになるかもしれない。また、オンラインイベントを開催したいと考えている側は、たとえばZoom+twineよりも広い範囲のソリューションを求めるかもしれない。

しかし、twineにはこれから実現したいさまざまなアイデアがある。たとえばその1つが非同期型のマッチメイキングだ。これは現在オンラインになっている人だけに限定されないため、より良いマッチングにつながる可能性があり、より価値のあるものになるだろう。

今回の調達資金を使って、twineは営業とカスタマーサクセス要員の採用、アクセシビリティの改善、プラットフォームの拡張を行う。現在までに、twineは470万ドル(約5億2000万円)を調達している。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:バーチャルイベントtwine資金調達ビデオ会議イベント

画像クレジット:twine

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(文: Sarah Perez、翻訳:sako)

ハイブリッドワークに適したホワイトボード重視のカプセル風会議室をKlaxoonが発表

フランスのスタートアップ「Klaxoon」がホワイトボードコラボレーションプラットフォームのアップデートと新しいハードウェア製品を発表した。同社がこれから販売するハードウェア製品は「Hybridity」で、オフィスにいる人と別の場所にいる人の間で実施するハイブリッド会議に最適化された、すぐに使える会議室だ。

ソフトウェアのアップデートから紹介しよう。Klaxoonは2020年にビデオ会議中に共同作業ができるビジュアルインターフェイスの「Board」を公開した。ホワイトボードのインターフェイスでアイデアを共有したりコラボレーションしたりすることができる。付箋の作成、テキストの追加、画像の挿入、アイテムの移動、ホワイトボードからのビデオ会議の開始といった機能がある。

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会議の参加者は小さいサムネイルで表示されるため、デジタルホワイトボードに集中できる。Boardを既存のビデオ会議ツールに接続することもできる。

6月14日の週にBoardのアップデートが実施され、名称が「Board Hybrid」と変更された。創業者でCEOのMatthieu Beucher(マシュー・ボイカー)氏は記者会見で「Boardの新バージョンはリモートワークだけでなくハイブリッドワークにも使えるように設計したものです」と述べた。

Board Hybridではあらゆる種類のファイルをホワイトボードに追加できる。このため、ファイルを共有ドライブにアップロードし、リンクを作成してホワイトボードにペーストする手間が省ける。PowerPointのプレゼン、Wordの書類、ExcelのスプレッドシートなどをKlaxoonのインターフェイスから直接表示できる。

コネクタなど新しい描画ツールもいくつかあり、例えばマインドマップの作成に使える。Klaxoonのビデオ会議ソリューションから画面を共有することもできるようになった。

画像クレジット:Klaxoon

新製品は、既存の製品とはだいぶ異なる。会議室のHybridityだ。六角形の宇宙カプセルのようだ。窓はなく、外から見るとブラックボックスのように見える。

内部にはイス、画面、カメラ、Klaxoon Boxデバイスが3つずつある。ボイカー氏は「全員が全員をしっかり見て、1人ひとりがコンテンツに集中できます」と説明した。

自宅からハイブリッド会議に参加したことがあるなら、会議の状況に関わる問題点はよくご存じだろう。自分以外のメンバー数人がオフィスにいて同じ部屋から参加していると、そのメンバーたちは小さいアクションフィギュアのようで、誰がしゃべっているのかわからない。

Klaxoonはオフィスにいる人と家にいる人との会議を簡単にすることを目指している。Klaxoon Hybridity会議室の設置には5平方メートルの床面積が必要だ。ある場所に設置して、数年後に別の場所に移動できる。床に固定されていない。

予約注文はまもなく開始される。1カ月2000ユーロ(約27万円)からのサブスクリプションモデルでの販売を予定している。Klaxoonの新しい収入源になるか、単なる楽しい試みか、注目したい。ただ、オフィスに置かれている小さな電話用ブースの代わりにはなるかもしれない。

画像クレジット:Klaxoon

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Klaxoonハイブリッドワーク会議室フランスビデオ会議デジタルホワイトボードリモートワーク

画像クレジット:Klaxoon

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

ZoomやTeamsでホスト(主催者)でなくてもリモート会議を録画できるソフト、会議専用機をソースネクストが発表

ZoomやTeamsでホスト(主催者)でなくてもリモート会議を自動録画できるソフト、会議専用機などをソースネクストが発表AI(人工知能)翻訳機の「ポケトーク」を手がけるソースネクストは6月15日、リモート会議向け製品の新ブランド名「KAIGIO(カイギオ)」を冠した端末とソフトウェアを発表しました。

  • リモート会議専用機「KAIGIO MeePet(ミーペット)」(税込2万9700円)
  • 会議室カメラ用ソフト「満面KAIGIO」(税込1万9800円)
  • リモート会議アーカイブソフト「全録KAIGIO」(税込9900円)

KAIGIO MeePetは、Zoom SDKを利用した製品。リモート会議ソフト、マイク、カメラ、スピーカーを搭載し、ユーザー側による機材の用意が不要です。Zoom、Microsoft Teams、Webex Meetingsに対応し、ディスプレイに会議IDとパスワードをタッチ入力すれば、会議に参加できるのが主な特徴です。

また、Outlookアカウントを連携すれば、予定表の読み込みや、時刻表示とアラーム音で会議を知らせる機能、会議開始までの時間を表示する機能を利用できます。

さらに、グリーンバック不要でAIが人物を認識する「XSplit VCam」のバーチャル背景エンジンを搭載。背景画像は、100万種類を超える素材からの検索や、USBメモリやHDDからの読み込みが可能です。

このほか、5000mAhバッテリーを内蔵し、Zoom会議であれば連続で約1時間30分から2時間程度、スリープモードを解除したメイン画面の待機状態では4時間程度、コンセントに接続せず利用できます。

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  • サイズ:213.63(幅)×108.88(厚み)×163.93(高さ)mm
  • 重量:約966g
  • RAM:2GB
  • ROM:16GB
  • 無線LAN:802.11 a/b/g/n/ac
  • 有線LAN:CAT5
  • 端子類:イヤフォンジャック(4極ステレオミニプラグ)/有線LAN/HDMIx1/USB Type-A x2/USB Type-C(充電専用)
  • 同梱物:スタートガイド/安全上のご注意/ハードウェア保証書/製品登録はがき/電源アダプタ一体型USB Type-Cケーブル
  • 予約開始日/発売日:6月15日/8月18日

満面KAIGIOは、独自のAI顔認識エンジンを用いて人物を自動でクローズアップできる会議室カメラ用ソフトで、利用には別途webカメラとweb会議ソフト ( 64ビット版のZoom、Teams、CISCO Webex ) が必要です。

会議室にいる人数や配置に合わせて、自動で最適な画面に切り替わり、人物が移動しても自動追尾する機能を持つほか、ホワイトボードや商品などだけを映すことも可能です。

ZoomやTeamsでホスト(主催者)でなくてもリモート会議を自動録画できるソフト、会議専用機などをソースネクストが発表

  • 対応OS:Windows 10 (64ビット)
  • インストール容量:約600MB
  • 対応CPUとメモリ: Intel Core i5-5200U ( 2.20GHz )相当以上 / 8GB以上
  • 推奨解像度:1024×768以上
  • 発売日:ダウンロード版が8月26日、パッケージ版が10月6日

全録KAIGIOは、Zoom会議の自動録画が可能なリモート会議アーカイブソフト(Teamsの録画は自動ではない)。会議システムに標準で付いている録画機能を参加者が使用する際、会議主催者への申請が必要なケースがありますが、独立した全録KAIGIOでは参加者の意思で録画できるそうです。

また、録画後にサムネイルからの再生が可能で、確認したい箇所をすぐに探せるほか、必要な範囲だけをトリミングすることも可能。録画だけでなく、スクリーンショットの自動生成もでき、共有資料の閲覧にも役立つとしています。

  • 対応OS:Windows 10/8.1 (いずれも32ビット/64ビット)
  • インストール容量:約100MB
  • 対応CPUとメモリ:1GHz以上 / 4GB以上
  • 推奨解像度:1024×768以上
  • 発売日:ダウンロード版が6月15日、パッケージ版が7月30日

ZoomやTeamsでホスト(主催者)でなくてもリモート会議を自動録画できるソフト、会議専用機などをソースネクストが発表

(Source:ソースネクストEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Zoom(製品・サービス)ソースネクスト(企業)ビデオ通話 / ビデオチャット/ビデオ会議(用語)Microsoft Teams(製品・サービス)リモートワーク / テレワーク(用語)日本(国・地域)

ビデオ会議の時間的縛りを解消、非同期ビデオミーティングプラットフォーム「Claap」

Claapの創業者たち

コロナ禍の影響で、我々はみんな好むと好まざるとにかかわらず、以前よりもずっとリモートワークに慣れた。しかし新型コロナ以前からあるSlackやTrello、Zoom、Asana、そして他にもたくさんのリモートツールは、認めたくはないが我々の生産性を上げるために本当に必要なことの表面をかろうじてかすっている程度にすぎない。幸いなことにリモートワークツールの新時代が早くも到来しつつある。筆者が先日ツイートしたように、長い目で見てリモートワークをもっと生産的に(そして健康的に!)したいなら、我々は非同期という観点でもっとしっかり考えなくてはならない。

以前からあるツールにも非同期のコラボレーション機能は備わっているが、新しいツールの波がやってきている。例えばLoomは「見せて伝える」ための一方向ビデオのツールで、2億360万ドル(約224億円)を調達した。しかしLoomには欠点がある。コラボレーションの機能が少ないのだ。

そこでヨーロッパの新しいスタートアップがこの問題を解決しようとしている。

Claapは動画とコラボレーションの機能を備えた非同期ミーティングプラットフォームで、同社は問題解決の一助になるのではないかと考えている。2021年6月中にプライベートベータを公開する予定だ。

Claapはプレシードラウンドで300万ドル(約3億3000万円)を調達した。投資したのはLocalGlobe、Headline、E.Ventures、Kima Ventures、そしてFront共同創業者のMathilde Collin(マチルデ・コリン)氏、Oyster共同創業者のTony Jamous(トニー・ジャマス)氏、NestとGoCardlessを創業したMatt Robinson(マット・ロビンソン)氏、Automatticのプロダクト責任者であるAadil Mamujee(アーディル・マムジー)氏などのエンジェルだ。他にSongkickのIan Hogarth(イアン・ホガース)氏、StripeのOlivier Godemen(オリビエ・ゴドメン)氏、Station FのRoxanne Varza(ロクサーヌ・バルザ)氏、FirstBaseのChris Herd(クリス・ハード)氏、KimaのXavier Niel(ザビエ・ニエール)氏、Remoteに投資したShane Mac(シェイン・マック)氏など30人のエンジェルも参加した。

以前はちょっとした情報交換で済んだものが今では30分のZoom会議になっていて無駄だと、我々はみんな気づいている。「非同期ミーティング」はこの状況を改善するかもしれない。

Claapの製品を使うと、従業員はあるトピックに関する最新情報の短い動画を録画し、他の人が気になった箇所にコメントを付けられるようにして、チームメンバーに対応してもらう期限を設定できる。その後、同僚は時間のあるときにその動画を見て対応する。Claapはリモートワークにおける「廊下でのちょっとした情報交換」に相当するものを開発している。TrelloやJiraといった他のワークスペースツールを統合できるので、プロジェクトに関して何か決定をする際にチーム全員が確認し振り返りができるように記録が残る。チームの規模に応じてスケールするサブスクリプションモデルが計画されている。

リアルタイムでのやりとりを必要としないため、全員がミーティングに参加できる時間を見つけなくて済む。「会ってミーティングをする」のではなくなるわけだ。その代わりに、このプラットフォームはフィードバックと反復の場を提供する。

創業者のRobin Bonduelle(ロビン・ボンデュエル)氏とPierre Touzeau(ピエール・トゥゾー)氏は、Automatticなどの企業やGitLabがすでに採用しているソリューションに着目した。トゥゾー氏は以前に360Learningに在籍していたが、同社ではミーティングに厳密な制限がかけられていた。ボンデュエル氏はプロダクト担当VPだったOguryの他、Rocket Internetなどさまざまなスタートアップやスケールアップで10年にわたるプロダクトマネジメントの経験がある。ボンデュエル氏は4つの異なる国と時間帯にまたがる50人のスタッフをマネジメントするうちに、非同期コミュニケーションが習慣となった。トゥゾー氏はL’Orealや360Learningなどに勤務し、360Learningではマーケティング担当VPだった。

非同期コミュニケーションが常に完璧というわけではない。メールやSlackのメッセージが読み落とされてしまうことがあるのはご存じの通りだ。動画はその解決策になるかもしれない。

Claapの共同創業者でCEOのボンデュエル氏は次のように説明する。「リモートで働くようになって1年が経ち、人々はオフィスで仕事をしないメリットを認識するようになっていますが、同時に最悪の成り行きと格闘しています。次から次へと実施されるビデオミーティングです。オフィスにいれば5分で解決する問い合わせに少なくとも30分はかかるようになり、誰もがこの状況に疲れ切っています。Claapはこの問題を解決するために作られています。スタッフ同士がこのツールを使って連絡を取り合えますが、時間に縛られません。決定を迅速にするミーティングの新しい形です」。

トゥゾー氏は次のように語った。「ミーティングは仕事に必要なことではありますが、1日をすべてミーティングに費やす必要はありません。非同期ミーティングは、カレンダーの予定を空けながらも仕事をやり遂げ、締め切りに間に合わせるための重要な手段です。我々は、人々があらゆる場所から仕事をするのに役立つClaapの可能性にわくわくしています」。

LocalGlobeのゼネラルパートナーであるGeorge Henry(ジョージ・ヘンリー)氏は「ロビンとピエールのビジョン、そしてプロジェクトに関わる従業員が必要なときにつながりどこからでも業務を遂行できるようにするClaapの可能性に魅力を感じました」と述べた。

HeadlineのパートナーであるJonathan Userovici(ジョナサン・ユーザーヴィッチ)氏は「Zoomはこの1年で企業がまずは使うアプリになったかもしれませんが、現在は多くの企業がリモートファーストになりつつあり、チームが連絡を取り合い業務を遂行するにはビデオ会議だけでは不十分です。ClaapはZoom疲れを終わらせようとするツールです」と述べた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Claapビデオ会議コラボレーション資金調達非同期ミーティングリモートワーク

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(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)