FacebookとInstagramがトランプ大統領のアカウントを「少なくとも政権交代が完了」までブロック

Facebook(フェイスブック)のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏が「権力の平和的な移行が完了するまで、少なくとも次の2週間」はFacebookとInstagram(インスタグラム)の使用をブロックされることになると、自身のプラットフォームで発表した。同社はトランプ氏のフォロワーに暴力を煽る投稿を受け、米国時間1月6日に一時的に彼のアカウントをブロックしたが、これを「無期限」に延長し、少なくともJoe Biden(ジョー・バイデン)氏が大統領に就任するまで解除しないと、ザッカーバーグ氏は述べた。

FacebookとInstagramは米国時間1月6日、トランプ氏の動画投稿を削除した。この動画は、大統領がワシントンの米国議会議事堂の建物を包囲した暴徒に帰宅するように呼びかけたものだが、その中でトランプ氏は同じ暴力的なテロリストに向かって「我々はあなた方を愛している」ともいっている。この行為を受け、FacebookとInstagramはトランプ氏のアカウントを24時間ロックし、その間は同氏が投稿することを防止した。

ザッカーバーグ氏は、過去にトランプ氏の投稿がそのポリシーに違反していることが判明すると、ラベル付けされたり削除されたりしながらも、「我々独自の規定に沿って、我々のプラットフォームを使用すること」ができたと認めた。しかし、トランプ氏が「民主的に選出された政府に対する暴力的な反乱を扇動するために我々のプラットフォームを使用した」ため、現在、それを変更したとザッカーバーグ氏は述べている。

ここでは慎重にPRされた言葉が多く使われている。ザッカーバーグ氏は注意深く、トランプ氏の現在までの使用がプラットフォームの規定に沿ったものであり、例外として扱ってはいないと述べており、トランプ氏が直接暴力的な反乱を扇動したとはいわないように気をつけている。それでも今のところ、トランプ氏のアクセスを制限する最も強硬的な行動といえるだろう。

Facebookが大統領のアカウントを一時的にでも停止するという決断をしたことは、その世界のリーダーに対する長年の態度を考えれば衝撃的な逆転である。もちろん、そのリーダーが権力を握っているのはあと数日だけだ。トランプ氏が米国時間1月20日に退陣すれば、Facebookはジョー・バイデン次期大統領と、同社のビジネスに規制を課そうとする議会と政府を相手にすることになる。

これまでFacebookは、そのプラットフォームにおけるトランプ氏の悪行に対して非常に寛容だった。おそらく最も有名なのは、トランプ氏が反人種差別デモの参加者に対する州兵の武力的制圧を求めたとき、Facebookが大統領のアカウントに何もしなかったということだろう。その際、トランプ氏が投稿した「略奪が始まると、銃撃が始まる」という言葉は、1960年代に人種差別主義者のマイアミ警察署長によって有名になった発言を繰り返した(NPR記事)ものだった。

この状況はFacebookの社内を混乱に陥らせ、社員たちはトランプ氏に対する同社の態度に反発した。米国時間1月6日、BuzzFeed NewsはFacebookが議会議事堂で暴動を起こしたトランプ支持者に関する社内の会話をシャットダウンし、プラットフォームからトランプ氏の排除を求めるコメントスレッドを凍結したと報じた。

トランプ氏の政権時代を通じて、Facebookは同氏のプラットフォーム利用に対応するために力を尽くしてきた。2019年、より道徳的なスタンスを取るようにという圧力に直面したマーク・ザッカーバーグ氏は、ジョージタウン大学における演説で反抗的な姿勢をとり(Daily Beast記事)、Facebookには危険な政治的コンテンツを削除する責任がないという考えを倍加させた。

「我々は表現の自由のために立ち上がるか【略】それともコストが大きすぎると判断するかのどちらかです」と、ザッカーバーグは語った。「我々は表現の自由のために 戦い続けなければなりません」。

以下はザッカーバーグ氏の投稿全文だ。

この24時間の衝撃的な出来事は、ドナルド・トランプ大統領が任期中の残りの時間を利用して、選出された後継者ジョー・バイデン氏への平和的かつ合法的な権力移譲を阻もうとしていることを明確に示しています。

議会議事堂における彼の支持者の行動を非難するのではなく、むしろ容赦するためにFacebookのプラットフォームを使用するという彼の決定は、米国および世界中の人々を当然のことながら動揺させました。その効果が、そしておそらくその意図が、さらなる暴力を誘発すると私たちは判断したため、昨日これらの発言を削除しました。

議会による選挙結果の認定を受け、国全体の優先事項は今、残りの13日間と就任後の数日間が、確立された民主主義の規範に沿って平和的に過ぎるようにすることです。

ここ数年、私たちはトランプ大統領が当社の独自のルールに沿って我々のプラットフォームを利用することを許可してきましたが、時にはコンテンツを削除したり、我々のポリシーに違反する投稿にラベルを貼ったりすることもありました。私たちがそうしてきたのは、民衆は政治的な言論に、たとえ議論を呼ぶような言論であっても、可能な限り広くアクセスする権利を持っていると信じているからです。しかし、現在の状況は根本的に異なっており、民主的に選出された政府に対する暴力的な反乱を扇動するために、私たちのプラットフォームが使用されました。

私たちは、大統領がこの期間中に我々のサービスを利用し続けることを許可するリスクは、あまりにも大きいと考えています。従って、私たちは彼のFacebookとInstagramのアカウントに施したブロックを無期限に、少なくとも次の2週間、権力の平和的な移行が完了するまでは延長します。

そして以下は、Instagramを率いるAdam Mosseri(アダム・モセリ)の投稿だ。

例外的な状況と、大統領が首都での昨日の暴力を非難するのではなく、むしろ容赦することに決めたという事実から、我々は彼のアカウントに施したブロックを無期限に、少なくとも次の2週間は延長します。

一方、Twitter(ツイッター)は米国時間1月7日、トランプ氏が3つの違反ツイートを削除し、アカウントのアクセスを復活させるための要件を遵守していることを明らかにした。これはつまり、削除から12時間後となる7日には、トランプ氏のアカウントのロックが解除される(未訳記事)ことを意味する。

【訳者注】日本時間1月8日現在、Twitterはすでに解除されている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

マーク・ザッカーバーグ氏とジャック・ドーシー氏が再び米国議会に召喚、今回は選挙について

迫りくる召喚の脅威屈した後、テック界最大級の巨人2人が再び議会で厳しい追及を受ける。

米国時間11月16日、上院司法委員会はTwitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏とFacebook(フェイスブック)のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏を召喚し、再び数時間にわたるであろうさまざまな苦情の放映を主催する。このラウンドでは、共和党議員らが公聴会を開き、「検閲、抑圧、および2020年選挙」についてテック界の大物2人に圧をかける。公聴会は選挙前に予定されていたもので、両プラットフォームが、次期大統領となったJoe Biden(ジョー・バイデン)氏と息子のHunter Biden(ハンター・バイデン)氏を巡るウクライナ疑惑を示唆すると称するリーク情報を掲載したNew York Postのあやしげな記事(未訳記事)の配信を制限する決定を下したことがきっかけだったと思われる。

もし前回の公聴会が何かの兆候であるなら、そしておそらくそうなるだろう。17日のテック vs 議会の対決は、議題に関する2大テックプラットフォームCEOのためというよりも、議員らのさまざまなお気に入りの議題に対する超党派の独り言によって強調された反保守的バイアスに対する、共和党員らによる現在進行中の不満に関する広範囲な苦情処理の場になりそうだ。2020年10月に上院商業委員会で開かれた公聴会は通信品位法230条改訂に関するものであることが明確に示されていたが、差し迫った政策問題はほとんど議題に上がらなかった(未訳記事)。

17日は選挙後初めてのソーシャルメディア経営者が議会登場となることから、対立する政治情勢の戦いも期待できる。一方は、テクノロジーやメディアによる不当な非難を受けながら、いまだになんとか大統領候補でいるトランプ大統領。もう1つ(こちらが本物)は、選挙で圧勝したがその勝利はいまも ソーシャルメディアの誤情報にまみれている(未訳記事)次期大統領ジョー・バイデン氏。後者のシナリオは、ツイッターとフェイスブックが、迫りくる選挙後の陰謀論を統制するために編み出したさまざまな特別ツールや規則の存在にも関わらず演じられてきた。

上院司法委員会は、トランプ批判者転じて大統領に選挙の敗北を認めないよう強く勧めている共和党のLindsey Graham(リンゼー・グラハム)上院議員が率いている。裏切って選挙結果の現実を認識した共和党Ben Sasse(ベン・サス)上院議員も、ザッカーバーグ氏とドーシー氏に質問する機会を得ている。委員会の民主党議員には、上院議員のCory Booker(コリー・ブッカー)氏、Amy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)氏、そして今や次期副大統領のKamala Harris(カマラ・ハリス)氏ら、2020年指名候補者がずらりと顔を並べているが、政権移行手続きの最中で出席する可能性は低い。

17日の進行をその目で確かめたい人は、委員会の専用ページまたはC-SPANで11月17日太平洋標準時午前7時(11月18日午前0時)から、公聴会をライブで見られる。そうでない人は(見ることをおすすめもしないが)、終了後にTechCrunchでレポートをまとめる予定だ。しかし、最後に1つ疑問が残る。YouTube(ユーチューブ)のCEOであるSusan Wojcicki(スーザン・ウォジスキ)はどうやって巻き込まれずにすんでいるのだろうか?

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook