ワーナーがアニモカブランズ傘下のメタバースThe Sandboxで「音楽テーマパーク」構築へ、ライブや新しい音楽体験を提供

ワーナーがアニモカブランズ傘下のメタバースThe Sandbox内で「音楽テーマパーク」を構築へ、ライブや新しい音楽体験を提供

The Sandbox

「メタバース」はその概念ばかりが話題にのぼる一方、実態がなかなかはっきりと見えてこないのがもどかしいところですが、メタバースを具現化した成功例のひとつといえるのがゲーム『Fortnite』内で何度か開催されている音楽イベントの類いです。

そして、ワーナーミュージックグループ(WMG)は、これに触発されたかのような音楽パフォーマンスステージを、香港拠点の「Animoca Brands」(アニモカブランズ)傘下、有力なメタバースプラットフォームのひとつである『The Sandbox』との提携により構築しようとしています。

3大メジャー音楽レーベルのひとつであるWMGは、エド・シーラン、Green Day、デュア・リパなど有力なアーティスト多数と契約しており、それらの一部が、今後The Sandbox内のバーチャルステージでコンサートを開催し、ユーザーがそれを体験できるようにしていく予定とのこと。また、The Sandboxは熱心な音楽ファン向けにプラットフォーム内のWMGセクションの仮想不動産を販売する予定もあるとしました。

The Sandboxはすでにスヌープ・ドッグやDeadmau5、スティーブ・アオキらと独自に契約しているものの、メジャー音楽レーベルとの提携は当然ながら過去最大規模のコンテンツ資産がこのプラットフォームで活用されるようになることを意味し、膨大な数のアーティストがその中でバーチャルなイベントを定期的に開催するとなれば、ファンには無視できない新しい音楽メディアの形になるかもしれません。

当然、ワーナーだけでなく、ライバルのユニバーサルミュージックグループなどもレーベル所属アーティスト公式のアバターを公開するなどして、メタバースへの進出を図ろうとしています。

ワーナーのメタバース内テーマパークがユーザーへのサービスを開始する時期はまだ示されていませんが、それが誰もが驚く次世代音楽体験の場になるのか、子供騙しのバーチャルハリボテに閑古鳥が鳴く結果に終わるのか、見守っていきたいところです。

(Source:Warner Music GroupEngadget日本版より転載)

Snapがビデオで使える音楽の拡充でユニバーサル・ミュージックと提携

Snap(スナップ)は6月24日、世界最大の音楽会社の1つであるUniversal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ、UMG)との複数年契約を発表した。QueenからJustin Bieberに至るまで、ユーザーは自分のSnapsの中で、そしてTikTokと競合するSpotlightで使うために広大なUMGのカタログから曲をクリップできる。

今回の発表に先駆けてSnapchatは昨年10月、Sounds機能を加えていた。この機能ではユーザーはSnapがライセンスを獲得した音楽で自身のSnapsを充実させることができる。機能を追加して以降、5億2100万本超のビデオがSoundsを使って制作され、310億回超閲覧されたとSnapは話す。

もちろん、Snapchatの音楽への投資はTikTokで使える音楽が増えていることへの直接の対応だ。昨年、Fleetwood Mac(フリートウッドマック)のレコードに収録された曲「Dreams」がTikTokで流行った後、1977年のアルバム「Rumours」がビルボードに再登場した。TikTokではダンスもよく流行っていて、そうしたダンスで曲が採用されたアーティストの売り上げを支えている。なので、TikTokやSnapchatのようなアプリがライセンスを取得した曲が多いほど、Nathan Apodaca(ネイサン・アポダカ)氏のような機会、つまり無料の宣伝は多くなる。

Olivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)氏のようなZ世代アーティストは、すでに新しい音楽を宣伝するのにこうしたソーシャルプラットフォームを活用してきた。Snapでは、ロドリゴ氏の曲「Driver’s License」を使ったビデオが1000万本制作された、とSnapは指摘する。ロドリゴ氏はまた、記録破りのデビュー曲「Sour」を宣伝するためにSnapchatでAR Lensesを使った初めてのアーティストでもあったが、公平のために言うとロドリゴ氏はInstagramでもARエフェクトを共有した。

オリビア・ロドリゴ氏は新しいアルバムで「deja vu(デジャブ)」について歌っているが、Snapの発表からもデジャブ感を受けるかもしれない。TikTokはまた、2月にUMGと提携を結んだ。その前の2020年11月には、TikTokはソニーとの新たなライセンス契約合意を発表した。一方、Snapの音楽パートナーのポートフォリオにはWarner Music GroupやSony Music Publishingなどが含まれる。

これらの提携は独占ではない。「deja vu」を使ってSnapchat、TikTok、Instagramなどでビデオを制作できる。こうした提携は他者を出し抜くための、常に繰り広げられる戦いだ。もしTikTokがUMGと提携すれば、Snapchatは競争力を保つために同様にUMGと提携する必要があり、これは現在我々が目にしているものだ。我々の友オリビアが言うように、厳しい世界だ。

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画像クレジットSnapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi