ドライバー支援システムができること/できないことをドライバーは理解していない

アウディ、BMW、GMのキャデラック、日産、そしてテスラのような自動車メーカーは、ある程度の運転タスクを代行することで、日々の高速道路通勤の苦痛を和らげてくれる十分に堅牢な先進的ドライバー支援システムを用意している。ここでの問題は何だろう?ドライバーたちがこうしたシステムの限界を理解していないということだ。このことは6月20日に「Insurance Institute for Highway Safety」(IIHS、ハイウェイ安全協会)からリリースされた2つの新しい調査で示された。

先進的ドライバー支援システムをめぐる理解の混乱は大きく、IIHSの調査によれば特にテスラのAutopilotシステムができることとできないことの理解に関する混乱が大きい。

この理解調査では、2500人に対して現在の車に搭載されている5種類の「レベル2」運転自動化システムについての質問が行われた。具体的には、Tesla(テスラ)のAutopilot、アウディとアキュラのTraffic Jam Assist、キャデラックのSuper Cruise、BMWのDriving Assistant Plus、そして日産のProPilot Assistだ。レベル2が意味するのは、ドライバーの監視の下でシステムが運転作業の2つ以上の部分をできるということだ。例えば、システムは車を車線の中心に保ちながら、同時に適切なクルーズコントロール(加速減速操作)を行うことができる。

調査対象者のうち48%が、Autopilotを使っているときにはハンドルから手を離しても安全だと答えている。IIHSの調査の中では、他のシステムに関してはいずれも33%もしくはそれ以下の人が安全だと答えている。IIHSの調査によれば、Autopilotの場合は、風景を見たり、本を読んだり、携帯電話で離したり、SMSを送ったりしても安全だと考えている人の割合もかなり高いという。さらに6%の人々はAutopilotを使っている最中に居眠りをしても大丈夫だと考えていた。他のシステムの場合は、この比率は3%だった。

この調査は意図的に一般人を対象として行われた。つまり、Autopilotがどのように動作するかをよりよく理解していると思われるテスラのオーナーを対象にした調査ではない。実際、テスラはこの調査に対して以下のような反論を行っている。

「この調査は、テスラの所有者やAutopilotの使用経験のある人々の理解を代表するものではありません。なので、この結果を強調するのは不正確です」とテスラは言う。「もしIIHSが『Autopilot』(自動操縦)という名前に反対だというのなら、おそらく彼らは同じように『Automobile』(自動車)という名前にも反対なのでしょう」。

テスラはそれに続けて、同社の車のオーナーたちに対して、Autopilotをいかに正しく使えばいいかの明快なガイダンスを提供していることはもちろん、システムを使う前、そして機能を利用中にも車内での指示を伝えていると語っている。Autopilotの利用中に、ドライバーが運転にきちんと注意を払っていないことを、もしテスラ車が検知した場合には、ドライバーはその機能を使うことが禁じられる。

だがテスラのオーナーたちがAutopilotを悪用もしくは誤用していることを示す多くのYouTubeビデオのことはとりあえず無視するとしても、テスラの主張する「トレーニング」の効果は、IIHSのもう1つの調査の結果には十分反論できるものではない。2番目の調査は、トレーニングの効果に焦点を絞り、ドライバーたちがDrive Pilotシステムを搭載した2017型メルセデス・ベンツE-Classのディスプレイから、レベル2自動運行情報を理解しているかどうかが調べられた。

IIHSはE-Classのディスプレイを使った理由を、他の自動車メーカーと比べても典型的なディスプレイだからと述べている。大きく異なるテスラのディスプレイを使って同じ研究を行ってみたら、おそらく興味深い結果になるだろう。

こちらの調査では80人のボランティアが、E-Classのハンドル越しの運転手の視点から録画されたビデオを見た。実験に際して被験者の半数は、システムの状態を示す機器のアイコンの意味についての、簡単な事前トレーニングを受けた。

トレーニングは効果を発揮しなかった。IIHSによれば、当初検出範囲よりも遠かったためにシステムが前方の車両を検知しなかった場合、大多数の人はそれが何を意味しているかを理解できなかったという。

要するに?ドライバー支援システムはより一般的で高性能になっているが、ドライバーたちはその変化に追いついていない。それは危険な組み合わせなのだ。

より率直に言えば、先進的ドライバー支援システム(ADAS)がどのように機能するのか、そしてシステムができることとできないことに関して、人びとはきちんと理解していない。ADASは決して自律性を意味しない。そして、一部のメディアや企業が主張していることにかかわらず、現在製品としての自動運転車は路上を走っていないのだ。

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(翻訳:sako)

現代自動車が半自動運転車を、予定を早めて市場投入する

自動運転車を市場に持ち込む競争は激化している。GMのSuper Cruiseは今年後半にキャデラックCT6に搭載される予定だし、AudiもA8の次モデルにレベル3自動運転技術を投入する予定だ。その結果、現代自動車(Hyundai)もその半自動運転機能である“Highway Driving Assist 2” (HDA2)の商用化のスケジュールを加速している。

HDA2システムは、正確にはTeslaのAutopilot同様の、レベル2自動運転機能と考えることができる。ソフトウェアは高速道路の運転時に速度と制動を処理し、また、運転手による指示に従って、側道への分岐、高速出口への進行、および主要道路への合流を自動的に行なう。

現代がElectronic Timesに語ったところによれば、HDA2の導入は「運転手の関与を最小限に抑える」ためのものだ。同社によれば、技術は「高速道路上ではレベル3に近付いている」ということで、今回の技術導入は、2022年までに消費者向けに完全自動運転車を商業化するという、同社の目標達成に役立つことだろう。

現代はCESで自動運転技術を発表した、その際には消費者のコストを抑えるために、詳細な地図を用いることによって、コンピューティングとセンサに比重のかからないアプローチを採用していた。しかし、現代は一般的には自動運転車の世界のリーダーとは見做されていない。この技術を予定より早い段階で投入することにより、その差を縮めることができるだろう。データ収集に注ぎ込んだ努力がそれを支えている。

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(翻訳:Sako)