Keyweeが読者のロイヤルティを測定するスコア機能を公開

すべての読者を同じ条件で獲得するわけではない。そう聞くと気分を害するかもしれないが、これは事実だ。

画像:Jon S / Flickr under a CC BY 2.0 license.

少なくともユーザーの獲得という観点では、確かにそうだ。新しい読者にリーチするためにパブリッシャーが広告キャンペーンを実施しても、自分たちのサイトを再訪しそうもない大多数の無作為な訪問者を呼び込んだだけに終わってしまうかもしれない。

マーケティングのスタートアップであるKeywee(キーウィー)の最高コマーシャル責任者のJared Lansky(ジャレド・ランスキー)氏は「パブリッシャーにとっては、コンテンツの訪問者数よりも、ロイヤルティの方が価値がある」と言う。

Googleの元CEOのEric Schmidt(エリック・シュミット)氏が率いるInnovation Endeavorsとニューヨークタイムズが支援するKeyweeは、ロイヤルティスコアという新しい機能でこの問題を解決しようとしている。ランスキー氏は筆者に対し、スコアとはまさにその名前通りのもので、ある人が何回サイトに戻ってきたか、何ページ表示させたかに基づいて読者のロイヤルティを測定すると説明した。

結果としてこのスコアは、パブリッシャーがより良い決定をして成長につなげるのに役立つ。パブリッシャーは、Keyweeを介して実施したどのFacebookの広告キャンペーンがロイヤルティの高い読者を実際に呼び込み、どのキャンペーンは呼び込まなかったかを知ることができる。それに応じてキャンペーンを修正し、無作為の訪問者ではなくロイヤルティの高い読者をもっと引きつけられるように、オーディエンスの的を絞り記事を選んで取り上げる。

このスコアを、パブリッシャーがサイト訪問者とのやり取りに生かすこともできる。例えばサブスクリプションのビジネスを構築しようとしているパブリッシャーなら、ロイヤルティスコアの高い読者に対してのみ、サブスクリプションの割引や有料購読者専用コンテンツを提供することが考えられる。ランスキー氏は、スコアを計算するためのデータはKeyweeのピクセルとFacebookピクセルから取得し、そのほかのデータを収集する必要はないと補足した。

Kiplinger.comのデジタルオペレーション&広告ディレクターであるAndy Price(アンディ・プライス)氏は、発表の中で次のように述べている。「ロイヤルティスコアは、私たちのユーザー獲得キャンペーンにまったく新しい知見をもたらした。例を挙げれば、退職のプランニングに関するコンテンツのプロモーションは、日用品や食費を節約する投稿よりも多くの再訪者を集められることがわかっている」。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

AppleがQualcommへのロイヤルティ支払いを停止

AppleとQualcommが、ここ2、3ヶ月の間ロイヤルティの支払いに関して激しく戦ってきたことは特に秘密でもなんでもない。このたびAppleはQualcommに対し、争点となっているライセンス料の支払いを停止することを通告した。Qualcommはこの攻撃的な動きがあったことを認め、これにより収益が予想よりも下がることになると語った。

Appleは、支払いを再開するには裁判所の判断を待ちたいと回答した。もちろん同社は、決定後にはより少ないロイヤルティ額になることを期待している。

Qualcommの上級副社長兼相談役のDon Rosenbergは、その声明の中で「AppleはQualcommが長年ライセンシーとの間で締結してきた長期契約に対して不当に干渉している。これらの契約は今でも有効で強制力がある」と述べている。

もし最近のエピソードを見逃していたなら、一体両社の間に何があったのかと思うかも知れない。Qualcommは、世界中のスマートフォンメーカーの多くに対する、キーチップセットサプライヤーである。そうしたメーカーに対してデバイスで利用するSOC(システムオンチップ)やLTEモデムを製造している。しかしこれはQualcommのビジネスのほんの一部に過ぎない。

同社はまた、ワイヤレス技術に関連する数多くの特許を保有している。言い換えれば、もしスマートフォンを構築するなら、Qualcommからそれらの特許に対するライセンスを取得する必要がある。チップからの収益は、ライセンスの収益よりも急速に成長してはいるものの、それはまだ会社全体の収益の3分の1ほどに過ぎない。

しかし、Qualcommは少々やりすぎたのかもしれない。先の12月、韓国の反トラスト規制当局はQualcommに対し、韓国における同社の特許ロイヤルティ活動について、約8億5,000万ドル(1.03兆ウォン)の罰金刑を科した

規制当局によれば、Qualcommはあまりにも多数の特許をライセンスし、スマートフォンメーカーに対して、場合によっては不要かもしれない特許への高いロイヤルティを強制している。それに加えて、Qualcommはスマートフォンメーカーを脅迫し続けてきた。もしそうしたロイヤルティを支払わなければQualcommのチップセットを売らない(no license, no chips)、というわけだ。

FTC に続き、Appleは多かれ少なかれそのケースに似た内容の提訴を1月に行った。Appleのケースでは、Qualcommは他のスマートフォンメーカーよりもさらに高額のロイヤルティをAppleに対して支払うよう強制していた。なぜなら、Appleは競合他社のチップセットを使用しているからだ。AppleはQualcommに対して10億ドルの賠償金を求めている。

そしてもちろんこれで終わりではなかった。Qualcommは反訴し、Appleは別の訴訟を中国で行った。こうなるとAppleとQualcommの代表たちと一緒に夕食のテーブルは囲みたくはない。

今日のロイヤルティ支払い停止のニュースは、Appleが勝訴をほぼ確信しているということを示している。Qualcommは第3四半期の財務予測を調整する必要に迫られた。売上高は48億ドルから56億ドルの間となり、利益はより低くなる筈だ。これまで同社は、53億ドルから61億ドルの売上高を見込んでいた。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)